就労移行支援と失業保険の同時受給の条件|手続きと注意点を解説

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就労移行支援と失業保険の同時受給は、所定の条件を満たせば可能です。具体的には、ハローワークで求職の申込みを行い、就労の意思と能力がある「失業状態」と認められることが前提となります。就労移行支援は雇用契約を伴わない訓練・支援であり、その目的が一般企業への就職準備と一致するため、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給と両立できます。さらに、障害者手帳や主治医の意見書をもとに「就職困難者」として認定されると、給付日数が150日から360日に大幅に延長され、自己都合退職でも給付制限が課されません。本記事では、2026年5月6日時点の制度をもとに、就労移行支援と失業保険を同時に受け取るための条件、手続きの流れ、申告義務や注意点、受給できないケースまでを体系的に解説します。離職直後で生活費に不安を抱える方や、すでに就労移行支援に通いながら基本手当の申請を検討している方が、迷わず手続きを進められる内容に仕上げています。

目次

就労移行支援と失業保険の同時受給とは

就労移行支援と失業保険の同時受給とは、障害福祉サービスである就労移行支援に通いながら、雇用保険の基本手当を並行して受け取ることを指します。 雇用保険法は、就職の意思と能力を有しながら職業に就くことができない状態を「失業」と定義しており、訓練に通うこと自体は失業状態を妨げません。就労移行支援は雇用契約を結ばずに訓練や就職活動の支援を受ける仕組みであるため、通所中も失業状態と判断されます。

その結果、就労移行支援事業所での職業訓練・面接対策・職場実習の調整などを受けながら、毎月の生活を基本手当でまかなうという、二つの制度を組み合わせた就職活動が可能になります。離職後の収入が途絶える時期に、安定した訓練機会と生活費の双方を確保できる点が、この同時受給の最大の意義です。

就労移行支援とは何か

就労移行支援とは、障害のある方が一般企業への就職を目指すために利用する障害福祉サービスです。障害者総合支援法に基づく就労系サービスのひとつで、原則として65歳未満の障害のある方が対象となります。提供される支援は多岐にわたり、パソコン操作やビジネスマナーといった職業訓練、履歴書作成や面接練習などの就職活動サポート、職場実習の調整・同行、就職後の定着支援、生活リズムの改善や体調管理のサポートなどが含まれます。

利用期間は原則2年間(24ヶ月)です。必要と認められた場合は最大1年間の延長が可能で、合計で最大3年間利用できます。利用料については前年度の世帯収入に応じて0円から最大37,200円/月の自己負担が発生しますが、収入が低い世帯では無料または低額で利用できる仕組みです。

失業保険(雇用保険の基本手当)とは何か

失業保険とは、雇用保険に加入していた労働者が離職した際、次の就職先が見つかるまでの生活を支えるために支給される手当のことです。正式名称は「雇用保険の基本手当」で、ハローワーク(公共職業安定所)が窓口となって支給します。

一般的な受給条件は、離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること、ハローワークに離職票を提出して求職申込みを行うこと、積極的に就職しようとする意思があること、そして就職できる状態にあることの4点です。会社都合退職や、やむを得ない理由による離職に該当する特定受給資格者・特定理由離職者の場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば受給資格が得られます。

受給額は離職前の賃金によって異なり、離職前6ヶ月間の賃金日額に給付率50〜80%を乗じた「基本手当日額」が算定の基礎となります。賃金が低かった方ほど給付率が高くなる設計のため、所得が低い時期の生活を厚く支える仕組みです。

就労移行支援を利用しながら失業保険を受給するための条件

就労移行支援と失業保険を同時に受け取るための条件は、ハローワークで求職申込みをしたうえで「就労の意思と能力がある失業状態」と認められ、就労移行支援が雇用契約を伴わない訓練であることを満たすことです。 言い換えれば、就労移行支援に通っているという事実だけで失業保険が止まることはなく、実態として就職活動を継続していると認められる必要があります。

具体的には、4週間に1回の失業認定日にハローワークへ出向き、その期間内に行った求職活動の実績を申告します。就労移行支援に通いながら認められる求職活動には、ハローワークでの職業相談、就労移行支援事業所のスタッフによる求人相談、企業説明会への参加、応募書類の作成・送付、面接への参加などが含まれます。これらの実績を定期的に積むことで、受給資格を維持できます。

注意したいのは、就労移行支援の通所が「就労」と見なされる場合は失業保険が停止または減額される可能性がある点です。就労移行支援において有償の作業が発生するケースは特に注意が必要で、報酬を伴う活動については事前に事業所とハローワークの双方に確認しておくことが安全です。一般的な就労移行支援は訓練・支援が中心であるため、この問題は発生しにくいものの、確認を怠らないようにしましょう。

障害者は「就職困難者」として大幅に優遇される

就労移行支援を利用するような障害のある方の多くは、ハローワークで「就職困難者」として認定されます。就職困難者とは、障害その他の理由により就職が特に困難な方を指し、失業保険において大きな優遇措置が設けられている区分です。

就職困難者として認定される主な対象者は、身体障害者手帳の交付を受けた方、療育手帳(知的障害)の交付を受けた方、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方、てんかん・そううつ病(そう病・うつ病を含む)・統合失調症などの診断を受けた方(主治医の意見書が必要な場合あり)です。

就職困難者の優遇内容は次の表のとおりです。

優遇区分一般の離職者就職困難者
所定給付日数(被保険者期間1年未満)90日(自己都合)/90〜180日(会社都合)150日
所定給付日数(被保険者期間1年以上・45歳未満)90〜240日300日
所定給付日数(被保険者期間1年以上・45歳以上65歳未満)90〜330日360日
給付制限(自己都合退職時)原則1ヶ月(2025年4月改正後)なし(7日間の待期のみ)
常用就職支度手当対象外対象

特に注目すべきは、給付日数が一般離職者の最大330日に対して就職困難者は最大360日まで延長される点と、自己都合退職でも給付制限がないという点です。これにより、就労移行支援に通いながら腰を据えて訓練と就職活動に取り組む経済的余裕が生まれます。また、所定給付日数を残した状態で就職が決まった場合は「常用就職支度手当」を受け取ることができ、就職後の生活立ち上げを後押しします。

失業保険の受給手続きの流れ

就労移行支援の利用と並行して失業保険を受給する場合、手続きはいくつかのステップを順に踏んで進めます。離職票の受け取りから初回の支給までは、おおむね1ヶ月から1ヶ月半程度を見込みます。

まず最初のステップは、退職した会社から「離職票-1」と「離職票-2」を受け取ることです。離職票は退職後10日から2週間程度で郵送されることが多く、届かない場合は前職の人事担当に連絡して発行を依頼します。

次にお住まいの管轄ハローワークへ行き、求職申込みを行います。このとき障害者手帳または主治医の意見書を持参し、就職困難者としての認定を相談しましょう。必要書類は、離職票-1・離職票-2、雇用保険被保険者証、マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カードと本人確認書類、写真2枚(3cm×2.5cm)、印鑑(シャチハタ以外)、本人名義の銀行口座の通帳またはキャッシュカード、障害者手帳または主治医の意見書です。

書類審査ののちに受給資格が決定し、その後「雇用保険説明会」への参加が求められます。求職申込みから7日間は「待期期間」として失業保険は支給されず、原則として就労も不可となります。待期期間が経過した後は、4週間に1回の「失業認定日」にハローワークへ出向き、失業認定申告書とともにその期間の求職活動実績を報告します。

就労移行支援に通っている場合、事業所のスタッフによる求人相談や応募書類のサポートも求職活動実績として認められるケースが一般的です。ただし、何が実績として認められるかは管轄のハローワークによって運用が異なるため、初回の認定前にスタッフへあらかじめ確認しておくとスムーズです。

失業保険受給中に必ず守るべき注意点

就労移行支援の利用中に失業保険を受給するときは、申告義務や受給期間の管理、他制度との併給ルールなど、見落としやすいポイントがいくつかあります。ここでは特に重要な注意点を整理します。

就労や内職・手伝いは必ず申告する

受給中にアルバイトや内職などで収入を得た場合は、失業認定申告書に必ず記載する義務があります。申告漏れや虚偽申告は「不正受給」とみなされ、受給した金額の返還だけでなく、その2倍の追徴金(合計3倍)が科されることがあります。

就労移行支援の通所中に発生する工賃については、就労移行支援では通常発生しません。ただし、訓練の一環として軽作業や清掃などが行われる事業所もあり、万が一報酬が発生する場合は必ず申告してください。判断に迷う場合は事業所スタッフとハローワークの双方に確認することが安全です。

求職活動実績を計画的に積む

失業認定を受けるためには、原則として4週間に2回以上の求職活動実績が必要です。就労移行支援に通いながらでも、ハローワークでの職業相談や求人への応募などを定期的に行う必要があります。事業所のスタッフは求職活動の支援に慣れているため、早い段階で「求職活動実績として認められる活動」を相談し、月単位で計画的に組み立てるのが現実的です。

受給期間の延長制度を活用する

傷病や妊娠・出産・介護などで、すぐに就職活動ができない状態になった場合は、失業保険の「受給期間延長申請」を行うことで、受給期間を最大3年間延長できます(離職から最大4年間の受給期間が確保されます)。延長申請は離職日の翌日から1ヶ月以内に申請するのが原則でしたが、2020年10月1日以降の特例により、当該理由が生じた日の翌日から4週間が経過した後にも申請できるようになりました。延長期間中は基本手当を受け取れませんが、回復後に受給を再開できる仕組みです。

傷病手当金と失業保険は同時受給できない

在職中に傷病手当金(健康保険の給付)を受給していた方は、退職後も引き続き受け取れる場合があります。しかし、傷病手当金と失業保険(雇用保険の基本手当)は同時に受け取ることができません。傷病手当金は「働けない状態」であることが受給要件で、失業保険は「働ける状態」が要件であり、両者の前提が相反するためです。どちらを優先するかは、医師や社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。

障害年金との併給は可能

障害年金は就労移行支援の利用中に受け取ることができ、さらに失業保険との同時受給も認められています。ただし、失業保険を受給している期間は障害年金の一部が調整される場合があるため、詳細は年金事務所に確認することが大切です。

失業保険受給額の目安と計算方法

失業保険の受給額は「基本手当日額」として計算されます。基本手当日額は、離職前6ヶ月の賃金合計を180で割って算出する「賃金日額」に、給付率50〜80%を乗じたものです。給付率は賃金日額が低いほど高くなる仕組みで、低所得層を手厚く支える設計になっています。

2025年時点の基本手当日額の目安は、60歳未満の上限額が約8,490円、60歳以上65歳未満の上限額が約7,294円、最低保証額が約2,125円です。これらの金額は毎年8月1日に改定されるため、2026年5月6日時点の正確な金額はハローワークで試算してもらうことが確実です。

例えば月収20万円(日額換算で約6,667円)の方の場合、基本手当日額はおよそ4,000〜5,000円程度となります。これが就職困難者の所定給付日数150〜360日にわたって支給されるため、総受給額は60万円から180万円程度に達するケースもあります。実際の金額は個人の状況により大きく異なるため、目安として参考にしてください。

失業保険が受給できないケース

就労移行支援を利用したくても、失業保険を受給できないケースがあります。あらかじめ自分の状況が該当しないかを確認しておきましょう。

雇用保険の加入期間が不足している場合は、まず受給資格が成立しません。フリーランス・自営業として働いていた期間や、雇用保険未加入の事業所で働いていた期間は、被保険者期間として算入されません。一般離職者は通算12ヶ月、特定受給資格者・特定理由離職者は通算6ヶ月の被保険者期間が必要です。

就労継続支援A型を利用している場合も受給できません。A型は雇用契約を結んで就労する形式のサービスのため、利用期間中は就労状態とみなされ、失業状態に当たらないと判断されます。雇用契約のない就労移行支援とは根本的に異なる扱いです。

傷病・体調不良で就労できない状態にある場合も、すぐには受給できません。失業保険は「いつでも就職できる状態にあるが仕事がない」ことが受給条件であるため、療養中の方は前述の受給期間延長申請を行い、回復後に受給を開始する流れをとります。

受給期間(原則1年)を過ぎた場合も注意が必要です。失業保険は離職日の翌日から1年以内に受給しなければならず、所定給付日数が残っていてもこの期間を過ぎると失効します。就労移行支援の利用開始が遅れると受給日数が削られる可能性があるため、離職直後に手続きを進めるのが鉄則です。

65歳以上で離職した場合は、通常の基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」の対象となります。就労移行支援の対象年齢が原則65歳未満であることもあり、65歳前後の方は制度の切り替わりに特に気を配る必要があります。

就労移行支援とアルバイト・他サービスの関係

就労移行支援は「就職のための準備・訓練を行う場所」と位置付けられているため、並行してアルバイトを行うことは原則として認められていません。これは一般就労への移行に集中することを目的とした運用です。ただし、自治体や事業所によって判断が分かれる場合があり、状況によっては認められる例外もあります。詳細は利用する事業所と市区町村の障害福祉担当窓口に確認してください。

仮に失業保険受給中にアルバイトをする場合は、必ずハローワークへ申告する義務があります。申告のルールは時間と日数によって異なり、1日4時間未満のアルバイトは「内職・手伝い」として申告し賃金額に応じて受給額が減額され、1日4時間以上のアルバイトはその日が「就業した日」として失業保険の対象外になります。週20時間以上の継続的なアルバイトに発展すると「就職した」とみなされ、失業保険が停止または終了します。申告を行わずにアルバイト収入を隠すことは不正受給にあたり、受給額の返還に加えて2倍の追徴金が科されるため、絶対に申告漏れがないよう注意してください。

訓練の一環として行われる軽作業や清掃などの実習は、基本的に「就労」ではなく「訓練」として扱われ、申告対象外です。ただし報酬が発生する場合は申告が必要になります。

就労系障害福祉サービスと失業保険の関係

就労系の障害福祉サービスには複数の種類があり、それぞれ失業保険との関係が異なります。混同を避けるため、主要なサービスの違いを表で整理します。

サービス雇用契約失業保険の受給可否主な対象
就労移行支援なし受給可能(就職困難者として認定可)一般就労を希望する障害者(原則65歳未満)
就労継続支援A型あり(最低賃金以上)受給不可(就労中とみなされる)一般就労が困難だが雇用契約を結べる障害者
就労継続支援B型なし(工賃を支払う)原則受給可能(月10日以上または週20時間以上の通所で就労とみなされる場合あり)就労移行支援を経ても就労に結びつかなかった方など

就労移行支援から就労継続支援A型へ移行した場合、移行時点で雇用契約が発生するため失業保険の受給は停止します。逆に、就労移行支援から一般就労に進んだ後に再度離職した場合は、新たに加入した雇用保険の被保険者期間に基づいて、改めて失業保険を受給できます。

2025年4月改正と就職困難者への影響

2025年4月1日に雇用保険法が改正され、自己都合退職の給付制限期間が短縮されました。改正前は原則2ヶ月(過去5年以内に2回以上の自己都合退職がある場合は3ヶ月)でしたが、改正後は原則1ヶ月(同条件で3回目以降は3ヶ月のまま)となりました。さらに、離職前1年以内に自己負担で教育訓練を受けた場合は給付制限なし(0ヶ月)となる特例も設けられています。

この改正により、一般の自己都合退職者は従来よりも早く失業保険の受給を開始できるようになりました。一方、就職困難者として認定されている障害のある方は、もともと給付制限がないため、改正による直接的な影響はありません。これは就職困難者に対する優遇措置が引き続き維持されている形です。

なお、就労移行支援の利用そのものは厚生労働省が認める「公共職業訓練」に類する支援には該当しないため、厳密には「訓練延長給付」の対象になりません。訓練延長給付は公共職業訓練(ハロートレーニング)を受講している方に対して、所定給付日数終了後も延長して給付を受けられる制度です。就職困難者は所定給付日数が長く設定されているため訓練延長給付がなくても十分な期間を受給できますが、所定給付日数が足りなくなりそうな場合は、ハローワークに相談したうえで公共職業訓練の受講を検討するのも一つの選択肢です。

就労移行支援の選び方と申請の流れ

就労移行支援事業所は全国に多数あり、得意とする支援内容や対象とする障害種別が異なります。選定のポイントは大きく5つあります。第一に就職実績で、厚生労働省が公表する就労定着率(就職後6ヶ月経過後の定着率)を確認しましょう。第二に対応できる障害の種別で、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害のうち、自分の特性に合った支援が受けられるかを見極めます。第三に通いやすさで、自宅や交通機関のアクセスが良い場所を選ぶことが継続のコツです。第四にスタッフの質で、就労支援員・生活支援員が親身に相談に乗ってくれるかを体験利用(無料)で確かめましょう。第五にプログラムの内容で、Officeソフトやプログラミングなどのスキル習得、コミュニケーショントレーニング、ストレスマネジメントといった、自分が身に付けたいスキルに対応したプログラムがあるかを確認してください。

利用申請は、まず希望する事業所への見学・体験を申し込み、その後、市区町村の障害福祉担当窓口(障害福祉課等)に「サービス等利用計画」の作成を依頼し、サービス支給決定を受ける流れになります。障害者手帳がない場合でも、医師の診断書により「障害福祉サービスの受給者証」の申請ができるケースがあるため、手帳がないからといって最初から諦める必要はありません。

在職中に申請することも可能で、退職前から準備を進めておくと退職後にスムーズに利用を開始できます。通所日数は事業所により異なりますが、基本的には週5日(月曜〜金曜)を目標としつつ、体調に応じて週1日から始めて徐々に増やすことも認められています。

失業保険終了後・受給できない場合の支援制度

失業保険の受給期間が終了した後でも、就労移行支援の利用を続けることは可能です。受給終了後の生活費を支える制度として、複数の選択肢があります。

生活保護は、収入・資産の要件を満たす場合に受給でき、生活保護受給中は就労移行支援の利用料が免除されます。障害基礎年金または障害厚生年金を受給できる方は、就労移行支援の利用中も継続して受け取れます。受給要件を満たしているかどうかは年金事務所に確認しましょう。生活福祉資金貸付制度は都道府県の社会福祉協議会が行っている制度で、障害のある方や低所得世帯が必要な生活資金を借りられます。さらに特別障害者手当や障害児福祉手当など、個人の状況に応じた手当が複数あり、市区町村の障害福祉担当窓口で確認できます。

就労移行支援と失業保険についてよくある疑問

精神障害(うつ病・統合失調症)で退職した場合に失業保険をすぐに受け取れるかという質問は多く寄せられます。主治医の意見書をハローワークに提出することで就職困難者として認定される可能性があり、認定されれば給付制限なく150〜360日間の受給が可能です。ただし「就労の意思と能力がある」ことが受給の前提となるため、主治医から就労可能との判断を得る必要があります。

就労移行支援に通いながら転職活動をすることもできます。むしろ就労移行支援の目的は一般就労への移行であり、通所しながらの就職活動は当然の活動と位置付けられています。事業所のスタッフが求人探しや面接対策をサポートしてくれるため、ハローワークだけでは得にくい個別支援が受けられます。

就労移行支援の利用料が失業保険受給中も発生するかについては、世帯収入に基づいて決定されるため、受給中の状況によって変わります。受給した失業保険は世帯収入の判定に影響する場合があるため、前年度の課税所得を踏まえた具体的な金額は市区町村窓口に確認するのが確実です。

失業保険と障害年金は法律上、同時受給が認められています。ただし障害年金の種別(障害基礎年金・障害厚生年金)や個人の状況によっては調整される場合があるため、年金事務所への確認が欠かせません。

失業保険の受給期間中に就職が決まった場合は、所定給付日数が3分の1以上残っていれば「再就職手当」を受け取れます。就職困難者の場合は「常用就職支度手当」も利用可能で、就職後の生活基盤づくりを後押ししてくれます。

相談先・支援機関の使い分け

就労移行支援と失業保険に関する相談先は複数あり、目的に応じて使い分けると効率的です。失業保険の申請・相談はハローワーク(公共職業安定所)が窓口で、障害者専門支援窓口が設置されているハローワークも多くあります。就労移行支援のサービス申請は市区町村の障害福祉担当窓口で行い、利用計画の作成や受給者証の発行を担います。

相談支援事業所では、就労移行支援の申請前の相談やサービス等利用計画の作成をサポートしてくれます。地域障害者職業センター(各都道府県に設置)は、職業評価や職業リハビリテーション計画の作成、ジョブコーチ支援を行います。障害者就業・生活支援センターは就業と生活の両面から支援を行い、就職先の開拓や職場定着支援も担当します。失業保険の受給額・受給期間の試算や、傷病手当金・障害年金・失業保険といった複数給付の関係について専門的なアドバイスを受けたい場合は、社会保険労務士、特に障害者支援に詳しい社労士に相談するとよいでしょう。

まとめ

就労移行支援と失業保険は、所定の条件を満たすことで同時受給が可能です。鍵となるのは、ハローワークで就労の意思と能力を有する失業状態と認められること、就労移行支援が雇用契約を伴わない訓練であること、そして4週間に2回以上の求職活動実績を積み続けることの3点です。障害のある方は就職困難者として認定されることで、150〜360日間という長期の所定給付日数と、給付制限のない待期期間7日のみという優遇を受けられます。

一方で、傷病手当金との同時受給は不可、就労継続支援A型の利用中は受給不可、アルバイト収入は必ず申告するなど、見落とすと不正受給につながる注意点も少なくありません。2025年4月の雇用保険法改正で一般離職者の給付制限が短縮されたものの、就職困難者にはもともと制限がなく、引き続き手厚い保護が維持されています。

就労移行支援の利用を検討している方は、まず管轄のハローワークと市区町村の障害福祉担当窓口に相談することから始めましょう。社会保険労務士や相談支援専門員などの専門家を活用すれば、自分の状況に合った最適な制度の組み合わせが見つかります。就労移行支援と失業保険を上手に組み合わせ、無理のないペースで安定した就職活動を進めていきましょう。

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