就労移行支援と就労継続支援A型の違いは、「就職に向けた訓練を受ける場所」か「雇用契約を結んで実際に働く場所」かという点にあります。就労移行支援では原則として給料や工賃が発生しない一方、就労継続支援A型では最低賃金以上の給料が支払われ、全国平均月額は約86,752円(令和5年度)となっています。どちらのサービスを選ぶかは、一般企業への就職を最優先に考えるか、まずは支援を受けながら安定した環境で働く経験を積みたいかによって変わります。
この記事では、就労移行支援と就労継続支援A型の違いを、目的や対象者、給料と工賃、訓練内容、利用期間、メリットとデメリット、移行基準など、あらゆる角度から徹底的に比較しながら解説します。2025年10月に開始された「就労選択支援」という新制度についても取り上げ、今後の制度変更がもたらす影響についてもお伝えします。

就労移行支援とは?一般企業への就職を目指す訓練サービス
就労移行支援とは、障害のある方が一般企業への就職を目指すための訓練や支援を行う障害福祉サービスです。企業で働くために必要な知識やスキルを身につけることを目的としており、いわば「就職するための準備期間」を提供する場所といえます。
就労移行支援の最大の特徴は、「働く場所」ではなく「就職に向けて準備する場所」であるという点です。そのため、利用中に事業所から給料や工賃が支払われることは原則としてありません。
対象者は、18歳以上65歳未満の障害のある方で、一般企業への就職を希望し、就職に必要な知識やスキルの習得が見込まれる方です。身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方が対象となり、障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書などがあれば利用できる場合があります。
利用期間は原則として2年間(24か月)と定められています。ただし、これは「必ず2年間通わなければならない」という意味ではありません。実際には、半年や1年で就職が決まり利用を終了する方もいれば、市区町村に申請して最長1年の延長が認められるケースもあります。
就労移行支援の訓練内容とカリキュラムの特徴
就労移行支援事業所では、一般企業で働くために必要なさまざまなスキルを体系的に学ぶことができます。訓練内容は事業所によって異なりますが、代表的なプログラムをご紹介します。
ビジネスマナーの習得では、挨拶の仕方、名刺交換、電話応対、メールの書き方など、社会人として必要な基本的なマナーを学びます。これらは一般企業で働く上で欠かせないスキルであり、就労移行支援の訓練の中でも重要な位置を占めています。
パソコンスキルの訓練では、タイピングの練習から始まり、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスソフトの操作方法を学びます。事業所によっては、プログラミングやWebデザインなど、より専門的なITスキルを学べるところもあります。
コミュニケーション訓練では、グループワークやロールプレイングを通じて、職場での円滑な人間関係を築くための力を養います。報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の練習なども含まれます。
このほか、ウォーキングや軽い運動を通じて通勤に必要な体力や生活リズムを整えるプログラムや、実際の企業での職場実習(インターンシップ)も重要な訓練の一環として実施されています。就職活動のサポートとしては、履歴書や職務経歴書の書き方の指導、面接練習、ハローワークへの同行、求人情報の紹介なども行われます。
訓練は通常、1日4時間から6時間程度で、1コマ45分から90分ほどのプログラムを午前と午後に分けて実施します。週に何日通うかは、本人の体調や状態に合わせて相談しながら決めることが多いです。
就労継続支援A型とは?雇用契約を結んで働く福祉サービス
就労継続支援A型とは、一般企業での就労が現時点では難しい障害のある方に対して、雇用契約を結んだ上で働く場を提供する障害福祉サービスです。「雇用型」とも呼ばれ、利用者は事業所と雇用契約を結び、労働者として働くことになります。
就労移行支援が「就職のための準備をする場所」であるのに対し、就労継続支援A型は「支援を受けながら実際に働く場所」です。この違いが両者の最も根本的な差異といえます。
対象者は、18歳以上65歳未満の障害のある方で、雇用契約に基づく就労が可能な方です。具体的には、就労移行支援事業を利用したが一般企業への就職に結びつかなかった方、特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが企業等への就職に結びつかなかった方、過去に就労経験はあるが現在は離職しており雇用関係のない方などが対象となります。就労経験がない方でも、65歳未満であれば利用が認められるケースもあります。
就労継続支援A型には原則として利用期間の定めがありません。本人の希望や状況に応じて、長期間にわたって利用を続けることが可能です。ただし、最終的には一般就労への移行を目指すことが制度の趣旨とされています。
就労継続支援A型の仕事内容と勤務時間
就労継続支援A型事業所で提供される仕事内容は事業所によってさまざまです。厚生労働省の調査では、A型事業所で最も多い生産活動は「軽作業」で全体の50.9%を占めています。次いで「清掃」が30.2%、「PC関連業務」が19.9%となっています。
具体的には、データ入力や書類作成などの事務作業、商品の検品や梱包・仕分けといった軽作業、オフィスビルや商業施設の清掃業務、カフェやレストランの運営に関わる飲食関連業務、パンやお菓子の製造などの製造業務があります。近年では、ホームページの制作・更新やSNSの運用、動画編集などITやWebに関する業務を行う事業所も増えてきています。
就労継続支援A型の勤務時間は、一般的に1日4時間から6時間程度です。フルタイムの一般就労に比べると短めですが、体調に配慮しながら働くことができるという利点があります。
就労移行支援とA型の給料・工賃の違いを比較
就労移行支援と就労継続支援A型の最も大きな違いの一つが、収入に関する点です。結論として、就労移行支援では原則として収入が発生せず、就労継続支援A型では最低賃金以上の給料が支払われます。
まず、「給料」と「工賃」の違いを理解しておく必要があります。「給料」とは、雇用契約を結んだ上での労働の対価として支払われるお金のことです。一方、「工賃」とは、雇用契約を結ばずに行う生産活動に対して支払われるお金のことを指します。
就労移行支援の場合、事業所は訓練の場であるため、原則として給料も工賃も発生しません。利用者は「訓練を受ける人」であり、「働く人」ではないためです。ただし、一部の事業所では、訓練の一環として行う作業に対して少額の工賃が支払われることもありますが、これは例外的なケースです。
就労継続支援A型の場合、利用者は事業所と雇用契約を結ぶため、「給料」が支払われます。雇用契約に基づく労働であるため、最低賃金法が適用され、各都道府県の最低賃金以上の時給が保証されます。
令和5年度(2023年度)の調査では、就労継続支援A型事業所の全国平均月給は86,752円でした。これは前年度の83,551円から3,201円増加しており、対前年度比で103.8%となりました。
都道府県別に見ると、最も平均賃金が高かったのは東京都で106,498円、次いで島根県が103,724円、広島県が102,410円でした。一方、最も低かったのは宮崎県で74,967円、次いで青森県が76,407円となっており、地域によって約3万円もの差があります。
参考として、就労継続支援B型の全国平均月額工賃は16,118円(令和5年度)であり、A型と比較すると大幅に低い金額です。B型は雇用契約を結ばないため最低賃金法が適用されず、この差が生じています。
就労継続支援A型の手取り額を考えると、月給86,752円から社会保険料や所得税が差し引かれます。雇用保険や健康保険、厚生年金保険の加入条件を満たしている場合、実際の手取りは月給の80%程度、つまり約69,000円から70,000円程度になると見込まれます。ただし、勤務時間が短く社会保険の加入条件を満たさない場合は、控除額が少なくなるため手取り額は増えます。
就労移行支援とA型の違い比較一覧
就労移行支援と就労継続支援A型の主な違いを項目ごとに整理します。
| 比較項目 | 就労移行支援 | 就労継続支援A型 |
|---|---|---|
| 目的 | 一般企業への就職を目指す訓練・就職活動の支援 | 雇用契約のもとで支援を受けながら働く場の提供 |
| 雇用契約 | なし | あり(事業所と雇用契約を締結) |
| 収入 | 原則なし | 最低賃金以上の給料(全国平均月額約86,752円) |
| 利用期間 | 原則2年間(最長1年延長可) | 期間の定めなし |
| 対象年齢 | 18歳以上65歳未満 | 18歳以上65歳未満 |
| 訓練・勤務時間 | 1日4〜6時間程度の訓練 | 1日4〜6時間程度の勤務 |
| 最低賃金の適用 | なし(訓練のため) | あり(雇用契約に基づく) |
| 社会保険 | なし | 条件を満たせば加入可能 |
| 就職サポート | 手厚い就職支援あり | 事業所により差がある |
| 一般就労への移行率 | 約58.8% | 約26.9% |
就労移行支援のメリットとデメリット
就労移行支援の最大のメリットは、一般企業への就職に向けた手厚いサポートが受けられることです。履歴書の書き方から面接練習、企業での職場実習まで、就職に必要なあらゆる支援を受けることができます。就労移行支援事業所を利用した方の一般就労への移行率は約58.8%であり、就労継続支援A型の26.9%、B型の11.2%と比較しても高い水準にあります。
また、訓練を通じて自分の障害特性への理解を深められることも大きな利点です。自分の得意なことや苦手なこと、配慮が必要な点などを客観的に把握できるようになり、就職後に職場で適切な配慮を求める際にも役立ちます。毎日決まった時間に通所することで、働くための基本的な生活リズムを整えることもできます。
さらに、就職後のフォローアップ(定着支援)が受けられる点も見逃せません。就職した後も、職場に定着できるよう最大3年間の定着支援を受けることが可能です。就職後6か月時点での職場定着率は89.5%と非常に高い数値を示しています。同じように就職を目指す仲間と交流することで、モチベーションの維持や情報交換ができる点もメリットの一つです。利用料についても、約9割の利用者が無料で就労移行支援を利用しているとされています。
一方で、デメリットも存在します。最も大きなデメリットは、利用期間中は原則として収入がないことです。就労移行支援は訓練の場であるため、通っている間は給料が発生せず、生活費の確保が課題となることがあります。原則2年間という利用期間の制限があるため、その間に就職先を見つけなければならないというプレッシャーも生じます。通所を開始してから実際に就職するまで、数か月から2年程度の期間を要する場合がある点や、事業所によって訓練の質や内容に差がある点にも注意が必要です。
就労継続支援A型のメリットとデメリット
就労継続支援A型の最大のメリットは、雇用契約に基づいて安定した給料を得られることです。最低賃金以上の時給が保証されるため、毎月一定の収入を得ることができ、生活の安定につながります。
勤務時間等の条件を満たせば、雇用保険、健康保険、厚生年金保険に加入できるため、将来の年金受給や医療費の軽減などの恩恵を受けられます。事務作業、軽作業、清掃、飲食、ITなど多様な職種の事業所があるため、自分の適性や興味に合った仕事を選べることも魅力です。一般企業と異なり、障害特性に理解のあるスタッフが常にいる環境で働けるため、困ったことがあればすぐに相談できます。利用期間の制限もないため、自分のペースで長期的に働くことが可能です。
一方、デメリットとしては、一般企業への就職サポートが就労移行支援ほど手厚くない場合がある点が挙げられます。A型事業所の主な目的は「働く場の提供」であるため、一般就労への移行に向けた支援は事業所によって差があります。全国平均月給約86,752円は一般企業のフルタイム勤務と比較すると大幅に低い金額であり、A型事業所の給料だけで生活を賄うことは多くの場合困難です。雇用契約を結んで働くため、与えられた仕事を責任を持って遂行する力が求められる点も理解しておく必要があります。令和6年度(2024年度)の報酬改定でスコア方式が導入されたことにより、事業所の運営基準がより厳格化されており、経営難により閉鎖されるA型事業所も報告されています。
就労移行支援とA型の利用料金はどう違う?
就労移行支援と就労継続支援A型は、どちらも障害福祉サービスであるため、利用料金の仕組みは基本的に同じです。利用者が負担する費用は、サービス全体にかかる費用の1割(応益負担)であり、1日あたりおよそ500円から1,400円程度です。ただし、世帯の収入状況に応じて月額の自己負担上限額が設定されています。
| 世帯区分 | 月額自己負担上限額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円(無料) |
| 市町村民税非課税世帯(年収約300万円以下) | 0円(無料) |
| 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満・年収約600万円未満) | 9,300円 |
| 上記以外の世帯 | 37,200円 |
実態として、就労移行支援利用者の約9割が無料で利用しています。就労移行支援の利用者は就労していない方が多いため、収入が低く、自己負担が免除されるケースが大半を占めています。
就労継続支援A型の場合も同じ自己負担の仕組みが適用されますが、A型では給料を受け取るため、その収入によって自己負担額が変わる可能性があります。ただし、自己負担額の算定は「前年の世帯収入」に基づくため、利用開始初年度は前年の収入が低ければ無料となるケースもあります。
交通費は原則として自己負担ですが、自治体によっては交通費の補助制度を設けているところもあります。昼食代も原則として自己負担ですが、事業所によっては無料または低額で提供しているところもあります。
就労移行支援とA型の移行基準と切り替え条件
就労移行支援と就労継続支援A型の間でサービスの切り替え(移行)は可能です。ただし、同時に両方のサービスを利用することは原則としてできず、いずれか一方を選択して利用することになります。
就労継続支援A型から就労移行支援への移行は、A型事業所で働いているうちに「一般企業で働きたい」という意欲が高まった場合に行うことができます。市区町村の障害福祉窓口で相談し、サービスの変更手続きを行います。ただし、就労移行支援の利用期間は原則2年間であるため、過去に就労移行支援を利用したことがある場合は、残りの利用可能期間に注意が必要です。
就労移行支援から就労継続支援A型への移行は、就労移行支援を2年間利用したが一般企業への就職に結びつかなかった場合に想定されます。就労継続支援A型の対象者の一つとして「就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者」が明確に位置づけられています。
移行に際しての判断基準としては、本人の就労意欲と一般就労への見通し、現在の心身の状態と体力、これまでの就労経験や訓練の成果、本人の希望するキャリアプランなどが総合的に考慮されます。どのサービスが自分に合っているかを判断する際には、相談支援事業所の相談支援専門員に相談することが推奨されます。相談支援専門員は、本人の状況や希望を聞き取った上で、最適なサービスの利用計画を作成してくれます。
一般就労への移行率データから見る就労移行支援とA型の実績
一般企業への就職を目指す場合、就労移行支援と就労継続支援A型のどちらがより効果的なのかをデータで確認します。
令和5年の調査では、就労系障害福祉サービスから一般企業への就職者数は約2万7,000人に達し、前年比で約9%の増加となりました。
| サービス種別 | 一般就労への移行率 |
|---|---|
| 就労移行支援 | 約58.8% |
| 就労継続支援A型 | 約26.9% |
| 就労継続支援B型 | 約11.2% |
就労移行支援からの移行率が最も高く、利用した方の約2人に1人が一般企業への就職を果たしています。就労継続支援A型からの移行率は約26.9%で、4人に1人以上が一般就労に移行しているという数値は決して低くありません。
就職後の定着率も注目すべきデータです。就労移行支援を利用して就職した方の6か月後の職場定着率は89.5%と非常に高い水準にあります。これは、就労移行支援事業所が就職後も定着支援を行っていることや、訓練を通じて十分な準備ができた状態で就職していることが要因と考えられます。
これらのデータから、一般企業への就職を最優先に考える場合は就労移行支援の利用が有効です。一方で、まずは安定した環境で働く経験を積みたい場合や、すぐに一般就労を目指すことに不安がある場合には、就労継続支援A型を利用しながら段階的にステップアップしていくという選択肢も十分に有効といえます。
就労選択支援とは?2025年10月に開始された新制度の概要
2025年10月から「就労選択支援」という新たな障害福祉サービスが開始されました。この制度は、障害のある方がより自分に合った就労支援サービスを選択できるようにすることを目的としています。
就労選択支援では、専門的なアセスメント(評価)を行い、より客観的な情報に基づいた選択を支援します。従来は本人や支援者の判断だけでサービスを選ぶことが多かったのに対し、この新制度により、一般就労、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型のいずれが本人に最適かを判断するための情報が提供されるようになりました。
利用期間は原則1か月で、継続的な作業体験が必要な場合は2か月まで延長できます。
スケジュールとしては、就労継続支援B型については2025年10月から、新規利用者は原則として就労選択支援を利用した上でサービスの利用を開始する仕組みとなりました。就労継続支援A型については2027年4月から同様の仕組みが適用される予定です。
就労選択支援の導入により、より適切なサービスの選択が可能になること、一般就労への移行が促進されること、本人の能力や適性に合わないサービスを利用してしまうミスマッチの防止につながることが期待されています。
自分に合った就労支援サービスの選び方
就労移行支援と就労継続支援A型のどちらを利用すべきかは、一人ひとりの状況や希望によって異なります。ここでは、それぞれのサービスが向いている方の特徴を紹介します。
就労移行支援が向いている方は、一般企業で働くことを明確に目指している方、就職に向けたスキルや知識を体系的に学びたい方、就職活動において専門的なサポートを受けたい方、2年以内に就職を実現したいという明確な目標がある方です。ブランクがあり生活リズムを整えてから就職したい方や、自分の障害特性を理解し適切な配慮を求める方法を学びたい方にも適しています。
就労継続支援A型が向いている方は、すぐに一般企業で働くことに不安がある方、収入を得ながら働く経験を積みたい方、支援を受けながら安定した環境で働きたい方です。体力や精神面に不安があり短時間勤務から始めたい方、一般企業での就労経験がなくまず「働くこと」自体に慣れたい方、利用期間を気にせず自分のペースで就労能力を高めたい方にも向いています。
どちらのサービスを選ぶか迷っている場合は、まず市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談し、興味のある事業所を複数見学して雰囲気やプログラム内容を確認することをおすすめします。可能であれば体験利用を行い、実際のサービスを体感した上で、相談支援専門員と一緒にサービス等利用計画を作成するとよいでしょう。事業所の見学や体験利用は無料で行えるため、気になる事業所があれば積極的に問い合わせてみてください。
就労移行支援やA型の利用中に活用できる経済的支援制度
就労移行支援の利用中は原則として収入がなく、就労継続支援A型の給料も一般企業と比べると低い水準にあるため、生活を維持するために各種の経済的支援制度を活用することが重要です。
障害年金は、障害のある方が受給できる公的年金制度です。障害基礎年金の場合、1級で月額約81,000円、2級で月額約65,000円が支給されます(令和5年度)。就労移行支援やA型事業所を利用しながら障害年金を受給することは可能です。
障害者手帳を持っていると、公共交通機関の運賃割引、税金の控除、携帯電話料金の割引などさまざまな割引や減免制度を利用できます。
生活保護も選択肢の一つです。就労移行支援を利用中で収入がない場合や、A型事業所の給料だけでは生活が困難な場合に、生活保護を受給しながらサービスを利用することが可能です。
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療にかかる医療費の自己負担を1割に軽減する制度です。就労支援サービスを利用する方の多くが対象となる可能性があります。
これらの制度を組み合わせて利用することで、経済的な不安を軽減しながら就労に向けた準備や経験を積むことができます。詳しくは、市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談することをおすすめします。
就労移行支援とA型の違いを理解して最適なサービスを選ぼう
就労移行支援と就労継続支援A型は、どちらも障害のある方の「働く」を支援するサービスですが、その目的や仕組みは大きく異なります。
就労移行支援は「一般企業への就職を目指す訓練の場」であり、原則2年間で就職を目指します。給料は発生しませんが、手厚い就職サポートと高い就職率(約58.8%)、そして就職後の定着支援が大きな強みです。
就労継続支援A型は「雇用契約のもとで支援を受けながら働く場」であり、利用期間の制限がありません。最低賃金以上の給料(全国平均月額約86,752円)を得ながら、支援を受けつつ働くことができます。
どちらのサービスを選ぶかは、現在の心身の状態、就労経験の有無、将来のキャリアプラン、経済的な状況など、さまざまな要素を総合的に考慮して判断すべきです。
2025年10月からは就労選択支援という新制度も開始され、より客観的な評価に基づいてサービスを選択できるようになりました。就労継続支援A型については2027年4月から就労選択支援の利用が原則化される予定であり、今後の制度変更にも注目しておくとよいでしょう。
大切なのは、一人で悩まずに、まずは相談支援事業所や市区町村の窓口に足を運ぶことです。専門のスタッフが、一人ひとりの状況に合った最適なサービスの利用を一緒に考えてくれます。自分に合った支援を活用しながら、無理のないペースで「働く」という目標に向かって歩みを進めていきましょう。








