身体障害者手帳における肢体不自由の割合は48%!8割を占める現状と支援内容を解説

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身体障害者手帳の所持者のうち、肢体不自由が占める割合は約48%で、内部障害と合わせると全体の8割以上を占めています。受けられる支援内容は、医療費の助成や補装具の支給などの生活支援、就労移行支援や障害者雇用枠などの就労支援、交通機関の割引や税制優遇など多岐にわたります。本記事では、2024年度(令和6年度)の最新データをもとに、身体障害者手帳における肢体不自由の割合が8割の中で最多となっている現状と、肢体不自由を含む手帳所持者が利用できる支援内容を体系的に整理し、申請手続きから等級別の違い、合理的配慮の義務化に伴う最新の働き方まで、暮らしと就労の両面から徹底解説します。「自分や家族が対象になるのだろうか」「どのような支援を受けられるのか」といった疑問に、根拠あるデータと制度情報をもとに分かりやすく答えていきます。

目次

身体障害者手帳と肢体不自由の割合:所持者467万人超の現状

身体障害者手帳とは、身体の機能に永続的な障がいがある方に都道府県知事等が交付する公的な証明書のことです。厚生労働省が公表している「身体障害者手帳交付台帳」の最新データ(2024年度・令和6年度)によると、身体障害者手帳の登録件数は全体で467万4999件にのぼります。日本の総人口が約1億2000万人であることを踏まえると、およそ260人に1人以上が身体障害者手帳を所持している計算となり、決して他人事ではない制度といえます。

障がい種類別の内訳と8割を占める肢体不自由・内部障害

登録件数を障がいの種類別に整理すると、肢体不自由が224万7815件で全体の48.1%、内部障害が161万8720件で34.6%、聴覚・平衡機能障害が43万9036件で9.4%、視覚障害が31万2992件で6.7%、音声・言語機能またはそしゃく機能障害が5万6436件で1.2%となっています。注目すべきは、肢体不自由と内部障害の2種類だけで全体の82.7%、つまり8割以上を占めているという事実です。特に肢体不自由は約48%と最多であり、身体障害者手帳所持者のほぼ半数が該当します。

内部障害とは、心臓・腎臓・肝臓など内臓機能に関わる障がいの総称で、外見からは分かりにくいケースも多く「見えない障がい」とも呼ばれます。一方の肢体不自由は、手足や体幹の機能に関わる障がいであり、日常生活の様々な動作に直接的な影響を及ぼします。割合の上で身体障害者手帳の主軸を担う両障害について、支援内容の理解を深めておくことは、当事者だけでなく家族や周囲の方にとっても重要です。

身体障害者手帳の等級と交付対象となる9つの障がい

身体障害者手帳の等級は、障がいの程度が重い順に1級から6級までの6段階で定められています。1級が最も重度であり、6級が比較的軽度です。なお7級という区分も存在しますが、7級の障がい単独では手帳の交付対象とはなりません。ただし、複数の7級に該当する障がいが重複している場合には、合わせて6級として認定され、手帳が交付されるケースがあります。等級が高いほど(数字が小さいほど)障がいが重度と判定され、受けられる支援の内容や範囲も手厚くなる傾向にあります。

交付対象となる9つの障がい区分

身体障害者手帳の交付対象となるのは、身体障害者福祉法別表に定められた身体上の障がいがあり、一定以上の程度で永続すると認められる場合です。対象となるのは、視覚障害、聴覚または平衡機能の障害、音声・言語・そしゃく機能の障害、肢体不自由、心臓・じん臓・呼吸器の機能障害、ぼうこう・直腸の機能障害、小腸の機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓の機能障害という9つの区分です。これらの障がいについて、身体障害者福祉法第15条の指定を受けた医師(指定医)が診断書・意見書を作成し、都道府県が認定することで手帳が交付されます。

「永続する」とは、現在の医学的知見に照らして将来にわたり回復の見込みが著しく困難な状態が継続すると判断されることを意味します。肢体不自由を含む全ての区分について、この永続性の要件が前提となっている点を押さえておきましょう。

肢体不自由とは:定義と4つの区分・主な原因

肢体不自由とは、身体の動きに関する器官が病気やけがで損なわれ、歩行や筆記などの日常生活動作が困難な状態をいいます。「肢体」とは手足(上肢・下肢)と体幹(胴体部分)を指し、これらの機能に障がいがある場合が対象です。身体障害者障害程度等級表においては、肢体不自由を以下の4区分で評価しています。

肢体不自由の4区分と評価の視点

第一に、上肢(腕・手)の障がいは、物を持てない、腕が動かせないなど、手や腕の機能が損なわれた状態を指します。外見上は分かりにくい場合でも、力が入らないなどの支障を抱えている方もいます。第二に、下肢(脚・足)の障がいは、歩行が困難、あるいは歩行ができない状態が含まれます。第三に、体幹の障がいは、体幹筋全般の麻痺、体幹から下肢にかけての運動失調、脊椎の明らかな変形などにより、歩行能力や起立位・座位の保持能力が著しく低下した場合が対象となります。第四に、乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害であり、脳性麻痺などが代表例として挙げられ、上肢機能障害と移動機能障害に分けて評価されます。

肢体不自由の原因は多岐にわたります。交通事故や労働災害による骨折・切断、脳卒中(脳梗塞・脳出血)による麻痺、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経・筋疾患、関節リウマチによる関節変形、先天性の四肢欠損など、様々な病態が含まれます。それぞれの方の障がいの程度は異なるため、日常生活においてどのような困難があるのか、補装具や福祉機器の活用によってどの程度軽減できるのかという観点から総合的に評価されます。

身体障害者手帳の申請方法と手続きの流れ

身体障害者手帳を取得するには、障がいが「固定した状態」になっていることが基本条件です。これは、医師が「今後も回復の見込みが著しく困難」と判断できる状態を指し、例えば交通事故による骨折であれば、治療が終わって症状が固定した段階で申請が可能となります。

申請に必要な書類は、身体障害者福祉法第15条の指定を受けている医師(指定医)が作成した身体障害者診断書・意見書(発行から1年以内のもの)、市区町村の窓口またはホームページで入手できる交付申請書、縦4センチ×横3センチで上半身脱帽の顔写真、マイナンバーカードや通知カードなどのマイナンバー確認書類です。特に重要なのは「指定医」による診断書の作成であり、どの医師でも診断書を書けるわけではなく、都道府県知事が指定した医師でなければなりません。指定医については、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に問い合わせることで確認できます。

各市区町村の窓口に申請してから、通常1か月程度で身体障害者手帳が交付されます。ただし、提出した診断書・意見書の内容によっては指定医への照会等が必要となり、日数がかかる場合があります。

身体障害者手帳で受けられる支援内容(暮らしの支援)

身体障害者手帳の8割を占める肢体不自由と内部障害をはじめ、手帳所持者が受けられる支援内容は「暮らしの支援」と「就労支援」に大別されます。まずは生活面の支援を見ていきましょう。

医療費の助成と補装具・日常生活用具の給付

自立支援医療(更生医療)制度を利用することで、障がいの軽減・除去・進行防止のための医療費の自己負担が軽減されます。所得に応じた上限額が設定されており、経済的な負担を抑えながら必要な医療を受けることができます。

補装具については、義肢、装具、車椅子、補聴器、眼鏡など、障がいを補うための用具の購入・修理費用の一部が公費で支給されます。肢体不自由の方の場合、義足・義手・装具・車椅子・歩行補助具などが該当します。原則として1割の自己負担で利用できますが、所得に応じた上限額が設定されています。

日常生活用具の給付制度では、特殊寝台、特殊マット、入浴補助用具、移動用リフト、意思疎通支援用具など、日常生活を助けるための用具を市区町村から給付・貸与してもらえます。障がいの種類や程度に応じて対象品目が異なります。

ホームヘルプ・住宅改修などの生活支援サービス

ホームヘルプサービス(居宅介護)は、介護が必要な方の自宅に訪問し、入浴・排せつ・食事などの介護を行うサービスで、障害者総合支援法に基づいて利用できます。重度の肢体不自由者が自宅で生活を維持するための重要な支援です。一時的に施設に入所して介護を受けるショートステイや、少人数で共同生活するグループホームも、障がい者向けのサービスとして整備されています。

住宅改修費の助成では、車椅子を使用する方が手すりの設置やスロープの設置などのバリアフリー改修を行う場合、費用の一部が助成される制度が多くの自治体に整備されています。介護保険と障害福祉サービスの両方が使える場合は、組み合わせて利用することも可能です。

肢体不自由者が利用できる就労支援の内容

身体障害者手帳を持つ方が働くにあたって、様々な就労支援制度が用意されています。一般就労を目指す方向けには「就労移行支援」があり、就労に必要な知識・能力を養う訓練や、履歴書の書き方、面接対策、職場実習までを支援します。標準利用期間は2年間です。一般就労が困難な方には「就労継続支援A型・B型」が用意されており、雇用契約を結ぶA型と雇用契約を結ばないB型のいずれかで、働く場と機会が提供されます。

障害者雇用促進法に基づく雇用義務制度では、企業に対して一定の割合(法定雇用率)で障がい者を雇用することが義務付けられています。2024年4月からは段階的に引き上げられ、民間企業の法定雇用率は2.5%となりました。身体障害者手帳を持つことで、この制度を活用した障がい者求人に応募できます。

ハローワーク(公共職業安定所)には障がい者専門の窓口が設けられており、就職相談・職業紹介・職業訓練の紹介を受けられます。さらに就職後の職場定着支援も整備されており、就労後6か月間は就労移行支援事業者等が職場と連携しながら定着をサポートし、その後も就労定着支援サービスとして最大3年間の支援を受けることができます。

身体障害者手帳による割引・減免制度

身体障害者手帳を持つことで、交通機関や税制、公共施設など、生活費の負担軽減につながる多彩な割引・減免制度を利用できます。等級によって対象となるサービスの範囲が異なる場合がある点に注意が必要です。

交通機関の割引

身体障害者手帳の所持者は、JRの普通乗車券について片道100kmを超える場合に5割引となります。第1種障害者の場合は、介護者も同じ割引が適用されます。通勤定期券については1割引が適用されます。多くの私鉄やバス会社でも障がい者割引が設けられており、割引率は事業者によって異なりますが、概ね5割引程度です。タクシーについても会社独自の割引があり、1割引の運賃割引を実施しているところもあります。

国内線の航空運賃についても各社が障がい者割引を設けており、手帳の等級や介護者の有無によって割引率が異なります。有料道路については、身体障害者手帳所持者が運転する自動車(または介護者が運転する場合)が利用する際、ETCを使うことで通行料金が5割引となります。

税制上の優遇措置

確定申告や年末調整において、障害者控除を適用することができます。2025年10月時点では、所得税の障害者控除は27万円、特別障害者(1級・2級)については40万円の控除が受けられます。住民税についても同様に控除が適用されます。

相続税では、障がいのある相続人について障害者控除が設けられているほか、障がい者のための贈与税非課税制度(障害者非課税信託)も利用できます。さらに、身体障害者手帳の所持者が運転する自動車、または重度障がい者(概ね1〜3級)の方を常時介護するために使用する自動車については、自動車税・軽自動車税が減免されます。減免の程度や対象車両については都道府県・市区町村によって異なります。

公共施設・公共料金の減免

博物館・美術館・動物園・植物園・水族館・公園などの公共施設では、身体障害者手帳の提示により入場料が無料または割引となる施設が多くあります。自治体運営の施設ではほぼ無料となるケースが多く、介護者についても同様の割引が適用される場合があります。映画館や一部の娯楽施設にも独自の割引制度があります。

公共料金では、自治体によって水道料金・下水道料金の減免制度を設けているところがあります。NHKの放送受信料については、障がいのある方が世帯主の場合や世帯内に障がいのある方がいる場合に、受信料が全額免除または半額免除となる制度が用意されています。

等級別に見る支援内容の違い

身体障害者手帳の等級によって、受けられる支援内容や範囲は大きく異なります。主な傾向を整理すると、以下の表のようになります。

等級区分障がいの程度主な支援内容の特徴
1級・2級重度(特別障害者)医療費の自己負担上限が低く、補装具・日常生活用具の支給範囲が広い。介護者も同じ割引が受けられる第1種障害者に該当。所得控除額が大きく、自動車税減免の対象
3級・4級中程度主要な支援制度はおおむね利用可能。就労支援サービスや交通機関の割引など、生活を支える支援が継続して受けられる
5級・6級比較的軽度基本的な支援制度は利用可能。交通機関の割引や税制控除も適用される。第2種障害者に分類され、介護者への割引適用は限定的

等級の判定は単に数値だけでなく、生活への影響度を総合的に考慮して行われます。同じ等級であっても、個人の生活状況や必要な支援内容は異なるため、居住する市区町村の障害福祉窓口に相談することが重要です。

補装具支給制度の詳細:肢体不自由者が利用できる補装具

補装具とは、失われた身体機能や損傷のある身体機能を補うための用具です。身体障害者手帳の交付を受けた方は、障害者総合支援法に基づき、補装具の購入・借受け・修理にかかる費用の支給を受けることができます。肢体不自由者が利用できる主な補装具には、義肢(義手・義足)、装具(上肢装具・下肢装具・体幹装具)、座位保持装置、車椅子・電動車椅子、歩行器・歩行補助つえ、重度障害者用意思伝達装置などがあります。

義肢は切断等により欠損した上肢または下肢の機能を代替するための装具で、筋電義手のような高機能なものから装飾目的のものまで種類があります。装具は麻痺や骨折後の変形予防、歩行補助などを目的としたもので、足関節装具(AFO)や長下肢装具(KAFO)、脊柱装具などが代表的です。座位保持装置は座位の保持が困難な方のための用具で、重症心身障がい者や重度の肢体不自由者が使用します。重度障害者用意思伝達装置は、重度の運動機能障害があり声を出すことが困難な方が、文字盤や機器を通じてコミュニケーションを取るための装置で、ALSなどの難病患者にとって特に重要な支援機器です。

補装具費支給制度では、利用者負担として定率1割の負担が設定されています。ただし所得に応じた月額負担上限額が定められており、低所得者の負担が過大にならないよう配慮されています。生活保護世帯および住民税非課税世帯は負担なし、住民税課税世帯(所得割16万円未満)は月額3万7200円、所得割16万円以上の世帯は負担上限なしという仕組みです。申請は居住する市区町村の障害福祉担当窓口で行い、都道府県の更生相談所等での判定を経て支給決定が下りた後に、購入・修理が可能となります。

合理的配慮の義務化と肢体不自由者の働き方の変化

身体障害者手帳所持者の8割を占める肢体不自由者・内部障害者にとって、近年の制度改正による働き方の変化は大きな意味を持ちます。2024年4月に施行された障害者差別解消法の改正により、民間企業においても障がい者への「合理的配慮の提供」が義務化されました。それ以前は努力義務にとどまっていた民間企業への合理的配慮の提供が、法的義務へと格上げされたのです。

合理的配慮とは、障がいのある方が職場で感じるバリアを取り除くために行う、個別の調整や変更を指します。肢体不自由のある方に対しては、段差解消のためのスロープや昇降設備の設置、車椅子使用者のための広い駐車スペースの確保、立ち仕事を座り仕事に変更するなどの業務内容や業務分担の見直し、通勤困難な場合の勤務時間・日数の調整、バリアフリー対応のトイレや休憩室の整備、必要に応じた介助者の同行許可などが想定されます。実施にあたっては、本人と企業側が対話を重ねて双方が合意できる形を探ることが原則であり、企業にとって過度な負担となる場合は義務の対象外となりますが、できる範囲での対応が求められます。

法定雇用率も段階的に引き上げられています。2024年4月には民間企業の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられ、さらに2026年7月には2.7%になる予定です。これにより、より多くの企業で障がい者雇用の機会が広がることが期待されています。

テレワークや在宅勤務の活用も、肢体不自由者の働き方を大きく広げる手段です。通勤に大きな負担を感じる方や、車椅子ユーザーで交通機関の利用が困難な方にとって、在宅勤務という選択肢があることは就労継続に直結します。テレワークを経験した障がい者からは通勤の負担軽減が最大のメリットとして挙げられている一方で、職場のコミュニケーション減少への不安や、必要な機器・環境整備の問題も課題として残されています。厚生労働省では、障がい者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口を設けており、企業が障がい者の在宅勤務を導入する際のサポートも行っています。

身体障害者手帳と障害年金は別制度:知っておきたい違い

身体障害者手帳と混同されやすい制度に「障害年金」があります。両者は別々の制度であり、一方を受給しているからといって、もう一方が自動的に適用されるわけではありません。身体障害者手帳は身体の機能に永続的な障がいがある方に交付される「証明書」で、福祉サービスの利用や割引・減免制度の適用に使用されます。一方の障害年金は、国民年金・厚生年金に加入している方が一定の障がい状態になった場合に受給できる「年金給付」で、障害年金1級・2級(厚生年金は3級まで)と分類され、身体障害者手帳の等級とは異なる基準で判定されます。

両制度は独立しているため、身体障害者手帳を持っている方でも、障害年金の要件を満たせば申請することができます。市区町村の窓口や年金事務所で、両制度の活用について相談することをお勧めします。

高齢化が進む身体障害者:肢体不自由と介護保険との連携

身体障害者手帳所持者の特徴として、高齢者が占める割合が非常に高い点が挙げられます。厚生労働省の調査によると、在宅の身体障害者のうち65歳以上の割合は、1970年代には約3割程度でしたが、2016年には約7割にまで上昇しました。この傾向は近年も続いており、身体障害者の高齢化が進んでいることがわかります。

高齢化の背景には、日本全体の人口の高齢化に加え、加齢に伴う身体機能の低下や慢性疾患による障がいの増加があります。特に脳卒中後の麻痺、変形性関節症、骨折後の機能障害などは、高齢者に多く見られる肢体不自由の原因です。こうした状況を踏まえ、身体障害者向けの支援制度は、介護保険制度との連携が重要となっています。65歳以上の方は障害福祉サービスと介護保険サービスの両方が適用される場合があり、原則として介護保険が優先されますが、介護保険では対応できないサービスについては障害福祉サービスを利用することができます。

身体障害者手帳取得のメリットと留意事項

身体障害者手帳を取得する最大のメリットは、医療費の軽減、各種割引・減免、就労支援など多岐にわたる支援を受けられる点にあります。医療費や交通費、税金の負担軽減効果は生活費の節約に直結し、就労においても障がい者採用枠の活用や就労支援サービスの利用が可能になり、働きやすい環境を整えやすくなります。手帳を持つことで「障がいがある」という事実が公的に証明されるため、職場や学校などへの説明がスムーズになる場合があり、周囲の理解を得やすくなる精神的なメリットも見逃せません。

一方で、「障がい者である」という認定を受けることへの心理的な抵抗感を感じる方もいます。また、手帳の申請・更新には一定の手間がかかり、自治体によっては申請から交付まで数か月かかる場合もあります。ただし、利用できる支援内容や金額は決して少なくないため、支援が必要な状態にある方は、積極的に手帳の取得を検討することをお勧めします。申請については市区町村の障害福祉担当窓口やソーシャルワーカー、医療機関のリハビリ担当者なども相談先となります。

まとめ:身体障害者手帳と肢体不自由の支援内容を正しく理解する

身体障害者手帳の登録件数は2024年度時点で467万4999件にのぼり、そのうち肢体不自由が48.1%、内部障害が34.6%と、合わせて8割以上を占めています。最多を占める肢体不自由の方が利用できる支援内容は、医療費の助成、補装具の支給、日常生活用具の給付、ホームヘルプサービスといった暮らしの支援から、就労移行支援・就労継続支援・障害者雇用制度などの就労支援、そして交通機関の割引・税制優遇・公共施設の割引といった経済的支援まで、非常に多岐にわたります。

身体障害者手帳は、単なる証明書ではなく、様々な支援サービスへのアクセスキーとなる制度です。等級によって利用できるサービスの範囲は異なりますが、1級から6級のいずれであっても、生活をより安心して送るための支援が整備されています。「自分は対象になるのだろうか」と感じる方は、まずはかかりつけ医や市区町村の障害福祉担当窓口に相談することから始めてみましょう。障がいがあっても、必要な支援を受けながら自分らしい生活を送ることができるよう、身体障害者手帳と関連制度を上手に活用していくことが大切です。

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