特別障害者手当の所得制限とは、受給資格者本人およびその配偶者・扶養義務者の前年所得が一定額を超える場合に手当の支給が停止される仕組みです。所得制限の判定には「収入」ではなく「所得」が用いられ、収入から給与所得控除等の必要経費と各種控除を差し引いた金額で判定されます。特別障害者手当は精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活において常時特別の介護を必要とする在宅の20歳以上の方を対象とした国の制度で、月額29,590円が支給されます。
この記事では、特別障害者手当における所得制限の仕組みや所得の計算方法、収入から所得への換算の考え方、判定基準の詳細について解説します。所得制限限度額は扶養親族等の数によって異なり、障害年金などの非課税年金も所得に算入される点など、見落としやすいポイントについても詳しく説明していきます。

特別障害者手当とは?制度の概要と支給対象
特別障害者手当とは、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に基づいて支給される国の手当です。精神または身体に著しく重度の障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の方を対象としています。この制度は、重度障害者の経済的負担を軽減し、福祉の増進を図ることを目的として設けられました。
特別障害者手当の支給対象となる方の条件
特別障害者手当の支給対象となるのは、20歳以上であること、精神または身体に著しく重度の障害を有していること、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にあること、そして在宅で生活していることの4つの条件をすべて満たす方です。
具体的には、おおむね身体障害者手帳1級または2級程度の障害が重複している方、療育手帳A程度の障害がある方、あるいは極めて重度な精神障害、内部疾患、難病のある方などが対象となります。内部障害や難病により日常生活において常時特別の介護を必要とする場合も対象となりうるため、身体障害者手帳の等級だけでなく、実際の日常生活における介護の必要性が重視されます。
特別障害者手当の支給対象外となるケース
障害者総合支援法で定める障害者支援施設などに入所している方、養護老人ホームまたは特別養護老人ホームに入所している方、病院や診療所または介護老人保健施設に継続して3か月を超えて入院している方は、特別障害者手当の支給対象外となります。この手当はあくまで在宅で生活している重度障害者を支援するための制度であるため、施設に入所している方や長期入院中の方は受給できません。
特別障害者手当の支給金額と支給時期
特別障害者手当の月額は29,590円です(令和7年4月より適用)。障害者手帳の等級や障害の種類による金額の差はなく、認定された方には一律の金額が支給されます。年額に換算すると約355,080円となります。
支給は原則として毎年2月、5月、8月、11月の年4回に分けて行われ、それぞれの前月分までがまとめて支給されます。2月には11月分から1月分まで、5月には2月分から4月分まで、8月には5月分から7月分まで、11月には8月分から10月分までが支給される仕組みです。
特別障害者手当の所得制限の仕組みと対象者
特別障害者手当の所得制限とは、受給資格者本人やその配偶者、扶養義務者の前年の所得が一定の限度額を超える場合に手当の支給が停止される制度です。所得制限の判定では、「収入」ではなく「所得」が用いられる点が重要なポイントとなります。
所得制限の対象者は本人・配偶者・扶養義務者の3者
所得制限は3つの区分で判定されます。第一に、受給資格者本人の前年の所得が限度額を超える場合は手当が支給停止となります。第二に、受給資格者の配偶者の前年の所得が限度額を超える場合も同様です。第三に、受給資格者の生計を維持する扶養義務者(同居する父母、兄弟姉妹、祖父母など民法に定める者)の前年の所得が限度額を超える場合も手当は支給停止となります。
これら3つの区分のうち、いずれか1つでも所得制限限度額を超えている場合は手当の支給が停止されます。障害者本人の所得が基準以下であっても、配偶者や扶養義務者の所得が基準を超えていれば手当は受給できない仕組みとなっています。
所得制限限度額の基本と改定
所得制限限度額は、扶養親族等の数によって異なります。受給資格者本人と、配偶者・扶養義務者では限度額が異なっており、配偶者・扶養義務者の方が限度額が高く設定されています。扶養親族が0人の場合の基本額に、扶養親族が1人増えるごとに一定額が加算される仕組みです。
令和7年8月以降、受給資格者本人の所得制限限度額は改定されました。この改定により、これまで所得制限により支給停止となっていた方でも、改定後の限度額では受給できる可能性があります。最新の限度額については居住地の市区町村窓口で確認することが望ましいです。
所得制限限度額への加算制度
基本の所得制限限度額に対して、扶養親族等の構成に応じた加算があります。
受給資格者本人の場合、同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族がいるときは1人につき100,000円が加算されます。また、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)または控除対象扶養親族(19歳未満の者に限る)がいるときは1人につき250,000円が加算されます。
配偶者・扶養義務者の場合は、扶養親族等に老人扶養親族がいるときに1人につき60,000円が加算されます。ただし、老人扶養親族のほかに扶養親族等がいないときは、老人扶養親族のうち1人を除いた老人扶養親族1人につき60,000円が加算される仕組みとなっています。
この加算制度により、高齢の配偶者や扶養親族を養っている場合には所得制限限度額が引き上げられ、手当を受給できる可能性が広がります。
特別障害者手当の所得計算方法と収入からの換算
特別障害者手当の所得制限における所得額は、年間収入金額から必要経費等(給与所得控除額等)を差し引き、さらに諸控除を差し引いた金額で計算されます。この計算方法を正確に理解することが、所得制限に該当するかどうかを判断する上で重要です。
収入と所得の違いを理解する
収入とは、給与や年金、事業活動などから得られる金額の総額を指します。給与収入であれば、税金や社会保険料が差し引かれる前の総支給額(額面金額)が収入にあたります。年金収入であれば、年金として振り込まれる金額の年間合計が収入です。
一方、所得とは収入から必要経費等を差し引いた金額を指します。給与所得の場合は給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額、事業所得の場合は事業収入から事業に要した経費を差し引いた金額がそれぞれ所得となります。特別障害者手当の所得制限判定では、この所得からさらに所定の控除を差し引いた金額が用いられます。
つまり、特別障害者手当における所得の計算は3段階で進みます。第1段階で収入金額を把握し、第2段階で収入金額から必要経費等(給与所得控除額など)を差し引いて所得金額を算出し、第3段階で所得金額から所定の諸控除(障害者控除、医療費控除など)を差し引いて判定用の所得額を算出します。この第3段階で算出された所得額が所得制限限度額と比較されることになります。
収入から所得への換算方法
収入の種類ごとに所得への換算方法は異なります。給与収入の場合は、給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得となります。給与所得控除額は収入金額に応じて異なり、国税庁が定める計算式に基づいて算出されます。年金収入の場合は、公的年金等の収入から公的年金等控除額を差し引いた金額が年金所得です。公的年金等控除額は、受給者の年齢(65歳以上か未満か)と年金収入額に応じて異なります。事業収入の場合は、事業収入から必要経費を差し引いた金額が事業所得となります。
給与収入と所得の換算についての具体例
給与収入がある場合の所得への換算について、具体例を示します。給与収入が200万円の場合、給与所得控除額は68万円であり、給与所得は132万円となります。給与収入が400万円の場合は給与所得控除額が124万円であり、給与所得は276万円となります。このように、収入金額がそのまま所得制限の判定に用いられるのではなく、給与所得控除等を差し引いた後の金額が判定の基礎となります。
給与所得・年金所得がある場合の特例控除
住民税の課税対象となる所得額のうち、給与所得または公的年金等に係る所得がある場合には、それらの合計金額から10万円を控除した額が所得額として計算されます。これは令和3年度の税制改正に伴う措置であり、給与所得控除額と公的年金等控除額がそれぞれ10万円引き下げられたことに対応するものです。
障害年金・遺族年金は所得に算入される点に注意
特別障害者手当の所得制限判定において特に注意が必要なのが、障害年金や遺族年金の取扱いです。通常の住民税計算では非課税所得として扱われるこれらの年金ですが、特別障害者手当の所得制限判定においては所得として算入されます。
これは、特別障害者手当の所得制限が住民税の課税所得とは異なる独自の基準で判定されるためです。障害基礎年金(1級)の年額は約102万円(令和7年度)、障害基礎年金(2級)の年額は約82万円(令和7年度)であり、これらの金額が所得に加算されることで所得制限限度額を超える可能性がある点に注意が必要です。
特別障害者手当の所得から控除できる項目
特別障害者手当の所得制限判定において所得から控除できる主な項目と控除額は以下のとおりです。
| 控除項目 | 控除額 |
|---|---|
| 雑損控除 | 相当額 |
| 医療費控除 | 相当額 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 相当額 |
| 配偶者特別控除 | 相当額 |
| 障害者控除 | 270,000円(特別障害者は400,000円) |
| 寡婦控除 | 270,000円 |
| ひとり親控除 | 350,000円 |
| 勤労学生控除 | 270,000円 |
受給資格者本人の所得計算においては、社会保険料控除も相当額が認められる場合があります。一方、住民税における基礎控除や生命保険料控除等は、特別障害者手当の所得計算における控除対象とはなりません。このため、住民税の計算結果とは異なる所得額になることがある点に注意が必要です。
特別障害者手当の判定基準と世帯構成別のポイント
特別障害者手当の所得制限に関する判定は、受給資格者本人・配偶者・扶養義務者それぞれの前年の収入を把握し、所得金額を計算した上で所得制限限度額と比較するという流れで行われます。判定基準を正しく理解することで、手当の受給可否を適切に判断できます。
特別障害者手当の所得制限における判定の流れ
特別障害者手当の所得制限における判定は、5段階の手順で進められます。まず受給資格者本人、配偶者、扶養義務者それぞれの前年の収入を把握します。次に収入の種類に応じて所得金額を計算し、所得金額から所定の控除額を差し引いて判定用所得額を算出します。その判定用所得額を扶養親族等の数に応じた所得制限限度額と比較し、本人・配偶者・扶養義務者のいずれかの判定用所得額が限度額を超えている場合は手当が支給停止となります。
扶養親族等の数え方と年少扶養親族の取扱い
所得制限限度額は扶養親族等の数によって異なるため、扶養親族等の数を正確に把握することが重要です。扶養親族等には、控除対象配偶者(所得48万円以下の配偶者)と扶養親族(所得48万円以下の親族で生計を一にする者)が含まれます。
注目すべき点として、16歳未満の年少扶養親族も扶養親族等の数に含まれます。所得税の計算上は16歳未満の扶養親族に対する扶養控除は適用されませんが、特別障害者手当の所得制限においては年少扶養親族も扶養親族等の数に含めて計算されます。この点は所得税の仕組みと異なるため、見落としやすいポイントです。
世帯構成別の判定ポイント
特別障害者手当の所得制限は、世帯の構成によって判定のポイントが異なります。
障害者本人が単身で生活している場合は、本人の所得のみで判定されます。配偶者や扶養義務者がいないため、本人の所得が限度額以下であれば受給できます。
障害者本人が配偶者と生活している場合は、本人の所得と配偶者の所得がそれぞれの限度額以下であることが必要です。どちらか一方でも超えている場合は受給できません。
障害者本人が親と同居している場合は、本人の所得に加えて扶養義務者である親の所得も判定対象となります。親の所得が高い場合には、障害者本人の所得が低くても手当を受給できない可能性があります。
障害者本人が配偶者および親と同居している場合は、本人、配偶者、扶養義務者の三者すべての所得がそれぞれの限度額以下であることが求められます。
所得の判定時期と所得状況届の提出
所得制限の判定に用いる所得は前年の所得です。毎年8月から翌年7月までの手当の支給について、前年(1月から12月)の所得で判定されます。受給者は毎年8月に「所得状況届」を提出する必要があり、この届出に基づいて所得制限の判定が行われます。届出を行わない場合、手当の支給が差し止められることがあります。
所得超過による支給停止と支給再開の仕組み
所得制限により手当の支給が停止された場合でも、受給資格そのものが失われるわけではありません。翌年の所得が限度額以下となれば、手当の支給が再開されます。支給停止中であっても、毎年8月の所得状況届の提出は必要です。届出を行わないと、所得が限度額以下になった場合でも支給再開がされない可能性があるため、忘れずに届出を行うことが大切です。
特別障害者手当の所得制限の計算手順と具体例
特別障害者手当の所得制限に該当するかどうかを判断するための具体的な計算手順を、5つのステップに分けて解説します。実際の計算例も紹介しますので、ご自身の状況に当てはめて確認してみてください。
5つのステップによる計算手順
ステップ1:収入の把握では、受給資格者本人、配偶者、扶養義務者それぞれについて、前年1月から12月までの収入を把握します。収入には給与収入(源泉徴収票の「支払金額」欄の金額)、事業収入、不動産収入、公的年金等の収入(老齢年金、障害年金、遺族年金を含む)、その他の収入(利子、配当、譲渡所得等)が含まれます。
ステップ2:所得金額の計算では、収入の種類ごとに必要経費等を差し引いて所得金額を計算します。給与収入の場合は「給与収入−給与所得控除額=給与所得」、年金収入の場合は「年金収入−公的年金等控除額=年金所得」、事業収入の場合は「事業収入−必要経費=事業所得」として算出し、各種所得を合算して合計所得金額を求めます。
ステップ3:特例控除の適用では、給与所得または公的年金等に係る所得がある場合に、それらの合計金額から10万円を控除します。
ステップ4:諸控除の適用では、合計所得金額から雑損控除、医療費控除、障害者控除などの諸控除を差し引きます。
ステップ5:所得制限限度額との比較では、ステップ4で算出された金額を扶養親族等の数に応じた所得制限限度額と比較し、限度額以下であれば所得制限に該当しないと判定されます。本人、配偶者、扶養義務者のすべてについて所得制限に該当しなければ手当が支給され、いずれか1人でも限度額を超えていれば手当は支給停止となります。
障害基礎年金1級と給与収入がある場合の計算例
障害者本人が単身(扶養親族なし)で、障害基礎年金1級と給与収入を得ている場合の計算例を示します。障害基礎年金1級の年額は約102万円、給与収入は年額120万円とします。
ステップ2として、障害基礎年金の所得は約102万円となります(非課税年金ですが特別障害者手当の判定では所得に算入されます)。給与所得は120万円から給与所得控除55万円を差し引いた65万円です。合計所得は約102万円と65万円を合わせた約167万円となります。
ステップ3として、給与所得と年金所得があるため10万円を控除し、約157万円となります。
ステップ4として、障害者控除(特別障害者)の40万円を控除し、約117万円となります。
ステップ5として、扶養親族0人の場合の本人の所得制限限度額と比較し、約117万円が限度額以下であれば手当が支給されます。
特別障害者手当の申請手続きと必要書類
特別障害者手当は申請主義の制度であり、要件を満たしていても申請しなければ支給されません。申請は居住地の市区町村の障害福祉担当課(障害福祉課、福祉課など名称は自治体によって異なります)で行います。
申請に必要な主な書類は、認定請求書(所定の様式)、認定診断書(所定の様式による医師の診断書)、障害者手帳(お持ちの場合)、所得額を証明する書類(課税証明書等)、公的年金等の受給額を証明する書類(年金証書、年金振込通知書等)、振込先口座の通帳、マイナンバーカードまたは通知カードです。自治体によって必要書類が若干異なる場合があるため、事前に窓口に確認することが望ましいです。
特に重要なのが認定診断書です。市区町村の窓口で所定の様式を受け取り、主治医に作成を依頼します。診断書にはこれまでの治療経過、養育歴、現在の障害の状況などをできるだけ詳しく記載してもらう必要があり、日常生活における介護の必要性が具体的に伝わる内容であることが重要です。
申請後、審査が行われ、結果が通知されるまでの期間はおおむね2か月から3か月程度です。認定された場合、申請した月の翌月分から手当が支給されます。遡及支給はないため、障害の状態が認定基準を満たしていると思われる場合は、できるだけ早く申請を行うことが大切です。
申請後に注意すべき届出事項もあります。住所変更、氏名変更、振込口座の変更、施設への入所、3か月を超える入院など、受給資格や支給に影響する変更があった場合は速やかに届出を行う必要があります。また、有期認定の場合は一定期間ごとに診断書の提出を求められることがあり、期限までに提出しないと手当の支給が停止される可能性があります。
特別障害者手当と類似制度の違い
特別障害者手当と名称や内容が似た制度がいくつか存在するため、それぞれの違いを理解しておくことが重要です。
| 制度名 | 対象者 | 月額 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 特別障害者手当 | 20歳以上の重度障害者(在宅) | 29,590円 | 福祉手当として支給 |
| 障害児福祉手当 | 20歳未満の重度障害児 | 15,690円 | 対象年齢が異なる |
| 経過的福祉手当 | 旧福祉手当受給者(新規認定なし) | ― | 経過措置的な制度 |
| 特別障害給付金 | 国民年金任意加入未加入期間に初診日がある方 | ― | 年金制度の救済措置 |
障害児福祉手当は20歳未満の重度障害児を対象としており、特別障害者手当とは対象年齢が異なります。月額は15,690円(令和7年4月より適用)で、特別障害者手当よりも金額が低く設定されています。
経過的福祉手当は、昭和61年3月31日時点で旧福祉手当を受給していた20歳以上の方のうち、特別障害者手当の支給要件に該当せず、かつ障害基礎年金も受給していない方を対象とした手当です。現在は新規の認定は行われていない経過措置的な制度です。
特別障害給付金は、国民年金に任意加入していなかった期間に初診日がある障害者を対象とした制度です。特別障害給付金は年金制度の救済措置としての性格を持ち、特別障害者手当は福祉手当としての性格を持つ点で性質が異なります。
特別障害者手当の障害程度の認定基準
特別障害者手当を受給するためには、所得制限の要件に加えて障害程度の認定基準を満たす必要があります。認定基準の概要を把握しておくことで、申請の可否を事前に判断しやすくなります。
認定基準に該当するのは、おおむね身体障害者手帳1級または2級程度の障害が2つ以上重複している場合です。また、単一の障害であっても極めて重度の場合は対象となります。具体的には、両眼の視力の和が0.02以下のもの、両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの、両上肢の機能に著しい障害を有するもの、両下肢の用を全く廃したもの、体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するものなどが該当します。
精神の障害であって日常生活において常時特別の介護を必要とする程度のものも対象です。さらに、身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が上記と同程度以上と認められるものも認定基準に含まれます。
内部障害(心臓、腎臓、呼吸器、肝臓などの機能障害)や難病により日常生活において常時特別の介護を必要とする場合も、特別障害者手当の対象となりうります。身体障害者手帳の等級だけでなく、実際の日常生活における介護の必要性が重視される点を覚えておくとよいでしょう。
特別障害者手当の所得制限でよくある疑問
特別障害者手当の所得制限に関して、多くの方が疑問に感じるポイントについて解説します。
障害年金を受給していると特別障害者手当はもらえないのかという疑問については、障害年金と特別障害者手当は併給が可能です。ただし、障害年金の受給額は所得制限の判定において所得として算入されるため、障害年金の額によっては所得制限限度額を超える可能性があります。
配偶者の収入が多い場合については、配偶者の所得が配偶者・扶養義務者用の所得制限限度額を超えている場合、障害者本人の所得が低くても手当は支給停止となります。
世帯分離をすれば扶養義務者の所得は関係なくなるかという疑問については、世帯分離(住民票上の世帯を分ける)をしても、同居している場合は扶養義務者として所得制限の判定対象となる場合があります。民法上の扶養義務者であるかどうかが判断基準となるため、世帯分離だけでは所得制限を回避できない場合があることに注意が必要です。
前年の所得が基準を超えた場合にいつから支給停止になるかについては、前年の所得に基づく判定は毎年8月分から翌年7月分の手当に適用されます。毎年8月に提出する所得状況届の内容に基づいて判定が行われ、所得制限を超えている場合はその年の8月分から支給停止となります。
まとめ
特別障害者手当は、重度の障害がある在宅の方にとって重要な経済的支援制度です。所得制限は受給資格者本人だけでなく配偶者や扶養義務者の所得も対象となるため、世帯全体の所得状況を把握しておく必要があります。
所得の計算にあたっては、収入と所得の違いを理解し、各種控除を適切に適用することが重要です。特に、障害年金や遺族年金といった非課税年金が所得に算入される点は見落としやすいポイントです。また、所得制限限度額は扶養親族等の数や扶養親族の年齢構成によって異なるため、自身の状況に応じた正確な限度額を確認することが大切です。
令和7年8月以降は受給資格者本人の所得制限限度額が改定されており、これまで所得制限により支給停止となっていた方でも、改定後の限度額では受給できる可能性があります。特別障害者手当は申請主義の制度であり、要件を満たしていても申請しなければ支給されません。障害の程度が認定基準を満たす可能性がある場合は、まず市区町村の窓口に相談し、申請を検討することをお勧めします。








