50代から就労移行支援を利用して就職することは十分に可能です。ある就労移行支援事業所の実績では、50代でも58%という全国平均とほぼ同等の就職率を達成しており、年齢が高いからといって著しく就職率が下がるわけではありません。就労移行支援は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、原則として18歳から64歳までの障害や難病のある方が利用でき、50代の方も問題なく利用対象となります。本記事では、50代・高齢者が就労移行支援を利用する際の就職実績や成功率のデータ、就職を成功させるためのポイント、事業所の選び方まで詳しく解説します。50代からでも新たなキャリアを築くことは可能であり、専門の支援員のサポートを受けながら自分の強みを活かした就職活動を進めることで、希望の就職を実現できる可能性は十分にあります。

就労移行支援とは何か?50代でも利用できる障害福祉サービスの基本
就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づいて提供される障害福祉サービスの一種であり、一般企業への就職や在宅での就職を目指す障害者や難病のある方を対象としています。このサービスでは、就職に必要な知識やスキルの習得、職場体験、求職活動のサポート、就職後の定着支援などを行っています。2021年1月時点の利用者数は約3万5,000人で、全国で約3,000施設が設置されています。事業所数は平成30年の3,503か所をピークとして漸減傾向にあり、令和2年10月現在では3,301か所となっています。
就労移行支援を利用できるのは、原則として18歳から64歳までの障害や難病のある方です。対象となる障害には、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などが含まれます。つまり、何らかの障害をお持ちであれば、50代からでも利用することが可能です。また、65歳以上の方でも、65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けており、65歳になる前日までに就労移行支援の支給決定を受けていた場合は、就労移行支援を引き続き利用することができます。
就労移行支援の利用期間は原則2年間(24ヵ月)です。利用者によっては半年から1年、早い人では数ヵ月で就職が決まる人もいます。この期間内に就職を目指して訓練を受けることになりますが、50代の方にとってこの期間は非常に重要であり、限りある時間を有意義に過ごすためには早い段階から計画的に訓練を進める必要があります。
就労移行支援の就職率・成功率データから見る50代の就職可能性
就労移行支援全体の就職率について見ていきましょう。厚生労働省の資料によると、就労移行支援から一般企業へ就職した人の割合は、令和4年時点で57.2%となっています。令和5年には58.8%とさらに上昇しており、年々改善傾向にあります。これは約1.8人に1人が一般企業等への就職を果たしていることを意味します。また、平成30年度の社会福祉施設等調査によると、就労移行支援事業所を利用した方の全体の平均就職率は52.9%で、半数以上の方が就職に結びついています。
就労移行支援からの就職者数は、令和元年に13,288人、令和2年に11,614人、令和3年に13,946人、令和4年に15,094人と推移しています。令和2年では就職者数が減少していますが、これは新型コロナウイルスの影響と考えられます。その後は回復し、増加傾向にあります。また、令和5年においては約2.7万人が就労系障害福祉サービスから一般就労へ移行しています。就職率は事業所によって大きく異なり、全国平均は約57%ですが、中には就職率70~80%を達成している事業所もあります。事業所選びが就職成功の重要なポイントとなります。
50代の就職実績と成功率の実態
「50代だから就職は難しい」と思われがちですが、実際のデータを見ると、50代でも十分に就職できることがわかります。ある就労移行支援事業所の実績では、40代の就職率は65%、50代でも58%と、全国平均を上回る方々が希望のキャリアを実現しています。これは全国平均の就職率とほぼ同等の数字であり、年齢が高いからといって著しく就職率が下がるわけではないことを示しています。
厚生労働省の調査によると、ハローワークを利用した障害者の就職件数は、40代が最も多く26.0%を占め、次いで30代が21.4%となっています。50代も18.1%と高い割合を占めており、多くの50代の障害者が就職を実現しています。また、厚生労働省の「障害種別、年齢別のハローワークにおける雇用状況について」によると、障害があり50歳以上で就職した人の割合は、2016年時点で全体の26.3%を占めています。4人に1人以上が50歳以上での就職者であり、中高年の障害者雇用が一定の実績を持っていることがわかります。
特に身体障害者については、厚生労働省が発表した「平成30年度障害者雇用実態調査結果」によると、50代で雇用されている障害者が多く、全年代の中で55~59歳が15.0%と最も多いことがわかっています。これは、身体障害のある方の場合、長年の経験やスキルが評価され、50代でも積極的に採用される傾向があることを示しています。
就職後の定着率と定着支援の重要性
就職することも大切ですが、長く働き続けることも重要です。障害者全体の1年後の職場定着率は、平均で約60%となっています。一番定着率が低い精神障害者は、就職後1年で2人に1人が離職しているというデータもあります。就労移行支援を利用後の定着率の全国平均は、障害の種類によってばらつきがあり、精神障害が49.3%、発達障害が71.5%となっています。
ただし、就労移行支援を卒業した人の定着率は、障害者の平均やA型事業所、B型事業所を大きく上回っています。これは、就労移行支援で就職前にしっかりとした準備を行い、就職後も定着支援を受けられることが大きな要因と考えられます。
就労移行支援を利用した場合、就職後6ヶ月は無償で定着支援を受けることができます。6ヶ月後は申請を行うことで、最長3年にわたって就労定着支援を受けることが可能です。定着支援では、定期的に支援員と面談を行って業務上の悩みを相談したり、会社関係者との調整を行ってもらえます。これにより、職場での困りごとを早期に解決し、長く働き続けることができます。
50代が就労移行支援を利用する5つのメリット
50代の方が就労移行支援を利用することには、多くのメリットがあります。まず基礎体力の向上という点が挙げられます。一定期間の通所により、基礎体力が向上します。長期間仕事から離れていた方にとって、まず毎日決まった時間に起きて外出するという習慣を取り戻すことは非常に重要です。就労移行支援事業所への通所を通じて、働くための土台となる体力と生活リズムを整えることができます。
次に就労ブランクの不安解消があります。模擬就労プログラム等を通して、就労ブランクの不安を解消できます。長年働いていなかった方や、病気やケガで休職していた方にとって、職場復帰への不安は大きいものです。就労移行支援では、実際の職場に近い環境で訓練を受けることで、徐々に仕事への自信を取り戻すことができます。
専門的なアドバイスを受けられることも大きなメリットです。障害について専門性の高い支援員からアドバイスを受けることができます。自分の障害特性や、職場で必要な配慮について、専門家の視点から具体的なアドバイスをもらえることは大きなメリットです。
自己理解の深化も重要なメリットの一つです。障害への自己理解が高まり、困りごとへの対処法を身につけることができます。自分の得意なこと、苦手なこと、どのような環境だと力を発揮できるのかを理解することで、自分に合った職場を選ぶことができるようになります。
さらに仲間との出会いというメリットもあります。同じ目標に向かう仲間ができ、充足感が増します。就労移行支援事業所には幅広い年齢層の利用者が通っています。30代、40代、50代の利用者も少なくなく、年配の方が通っても疎外感を感じることはありません。同じように就職を目指す仲間と励まし合いながら、訓練に取り組むことができます。
50代の就職活動における強みと企業からの評価
50代の就職活動には、若い世代にはない強みがあります。即戦力としてのアピールができることが最大の強みです。20代は企業から「入社後の成長がどの程度期待できるか」を基準に見られますが、50代が見られるのは「入社後すぐに即戦力として働けるか」という部分です。長年培ってきた経験やスキルを、具体的にどのように活かせるかをアピールできれば、就職に有利になります。企業が50代の方を採用する際に期待するのは、即戦力としてのスキルや実務経験を持っているかという点です。これまでのキャリアで身につけた専門知識や業界経験は、若い世代にはない大きな強みとなります。
長年の社会人経験も高く評価されます。長年の職務経験が評価されやすく、積み重ねてきた社会人経験や職場での対応力は、企業にとって大きな魅力です。コミュニケーション能力やビジネスマナー、問題解決能力など、社会人としての基礎力が備わっていることは、採用側にとって安心材料となります。
定着率の期待という点でも50代は評価されています。若い世代に比べて転職の頻度が少なく、長く働いてくれると見込まれる点も評価されています。企業にとって、採用した人材が長く働いてくれることは大きなメリットです。50代の方は「この会社で長く働きたい」という意欲が高い傾向があり、この点が評価されることも少なくありません。
50代の就職を成功させるための5つのポイント
50代が就職を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。自己分析と障害理解が第一のポイントです。転職・就職するポイントの一つ目は、自分の障害や疾患をしっかり理解し受け止めることです。就労移行支援事業所のスタッフとともに自分の障害・疾患や自分自身を分析して、自分に向いている働き方や仕事を見つけていきましょう。50代からの転職では、これまでの仕事や出来事を支援員とともに振り返り、「どのようなキャリアを選択したいか」を決めることが非常に重要なプロセスです。就労移行支援事業所なら、支援員が長い時間をかけてじっくりと自己分析のお手伝いをしてくれます。
配慮事項の整理も重要です。自身の障害特性と、職場環境に必要な配慮を理解して整理しておくことが重要です。障害者雇用枠に応募する際には、自分の障害の特性やできることとできないこと、配慮して欲しいことなどについて、企業にきちんと伝えることが大切です。困難が大きく配慮が必要なら「障害者雇用枠」を狙う、就労移行支援や就労継続支援といった「福祉的就労」から段階的に慣れるなど、自分に合った選択肢を検討しましょう。
就職意欲の維持も欠かせません。就職したいという気持ちは態度や取り組み姿勢に現れます。就職したいという気持ちは忘れずに持ち続け、それを行動の原動力にしましょう。就労移行支援事業は就職するためのサービスであることをしっかり胸に刻んでおくことが大切です。
支援機関の活用も成功のカギとなります。就職活動は一人で進めず、専門家と相談しながら進めてください。障害と仕事(環境や業務内容)の「相性」を慎重に見極める必要があるからです。中高年の障害者が転職成功率を上げるには、ハローワークや障害者向けの転職サイト・エージェントの利用、就労支援事業所など支援機関のサポートを検討しましょう。障害者向けの転職エージェントを利用すると、一人ひとりの障害の特性や状況に合わせた支援・アドバイスを受けられます。
柔軟な働き方の検討も大切です。近年では在宅勤務や時短勤務など、柔軟な就労形態を導入する企業も増えています。「年齢」や「障害」だけを理由にあきらめるのではなく、自分に合った働き方ができる場所を、前向きに探していくことが重要です。
就労移行支援事業所の選び方と重要なチェックポイント
就労移行支援事業所には24か月の利用期限があります。ご自身に合った事業所を利用することで、限りある時間を有意義に過ごし、より良い就労につながります。事業所選びは就職成功の重要なポイントです。
就職実績は最も重要なチェックポイントです。事業所選びでは「就職実績がある事業所であること」が重要です。過去にどれくらいの利用者が就職できているか、どのような企業に就職しているかを確認しましょう。特に50代の就職実績がある事業所であれば、年齢に合った支援のノウハウを持っている可能性が高いです。
設備や雰囲気も事業所選びの重要なポイントになります。「設備や人の印象が良かったこと」も事業所選びの重要なポイントになります。実際に見学に行き、事業所の雰囲気やスタッフの対応を確認しましょう。自分が通いやすいと感じる環境かどうかは、継続して訓練を受けるために大切な要素です。
プログラム内容についても確認が必要です。就労移行支援事業所には、幅広いスキルを身につけられる「一般型」と、専門スキルの習得に特化した「専門スキル特化型」があります。希望する業界や職種が決まっている場合には、必要なスキルや知識が学べる事業所を選ぶことが大切です。IT関係や会計業務など職種に特化したプログラムを受けることができる事業所もあります。自分のキャリアプランに合った事業所を選びましょう。
定着支援の充実度も見逃せないポイントです。就職後の定着支援がどの程度充実しているかも確認しましょう。就職することがゴールではなく、長く働き続けることが本当の目標です。定着支援に力を入れている事業所を選ぶことで、就職後も安心して働くことができます。
就労移行支援で受けられる訓練内容とプログラム
就労移行支援では「就職するため」「長く働き続けるため」に、様々な就労訓練プログラムが行われます。カリキュラムは「社会スキル」「ビジネススキル」「専門スキル」「就活スキル」が身につくよう構成されています。
就労移行支援において最初に重点が置かれるのは、安定した生活リズムの確立と体調の自己管理です。決まった時間に起きて通所する習慣を身につけることから始まり、日々の体調を記録する訓練などを通して、自分の状態を客観的に把握する力を養います。
カウンセリングと個別支援計画も重要なプログラムです。就労移行支援事業所の利用がスタートすると、まずは事業所の専門スタッフによるカウンセリングが行われます。カウンセリングは本人、家族、スタッフの3者で行われることが多く、利用者の障害や病気を把握し、さらに利用者の強みや改善するべき点をもとに、これから受ける訓練内容やスケジュールを決定します。
PCスキル・事務スキルの習得も行われます。タイピング練習やMicrosoft Officeの基礎的な内容から応用操作まで、就職に必要なITスキルが職員のサポートを受けながら学べます。簿記検定やMOSの試験対策など、就職支援講座も用意されている事業所もあります。
職場実習・企業見学も重要な訓練の一つです。企業見学や求人探しの支援、合同面接会やハローワークへの職員同行など、実際の就職活動に直結した支援も受けられます。
就職活動サポートも充実しています。応募書類の添削や面接練習は、スタッフが何度も付き合ってくれます。企業が許可を出せば、スタッフが実際の面接に同行してくれるところもあります。履歴書の書き方、職務経歴書の書き方、模擬面接など、就職活動に必要な準備を丁寧にサポートしてもらえます。
障害者雇用の最新動向と50代の就職機会の拡大
障害者雇用を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。民間企業の法定雇用率は年々引き上げられており、2024年3月までの法定雇用率は2.3%でしたが、2024年4月より2.5%に引き上げられました。さらに、2026年7月には2.7%に引き上げられる予定です。
現在、障害者の雇用義務があるのは「従業員数40人以上」の企業ですが、2026年7月の引き上げ以降、義務の対象が「従業員数37.5人以上」の企業に拡大されます。これにより、より多くの企業が障害者を雇用することになり、障害者の就職機会が増えることが期待されます。
2024年4月には、民間企業の法定雇用率が2.5%に引き上げられたほか、週10時間以上20時間未満で働く障害者も雇用率の対象になりました。また、障害者雇用調整金・報奨金の支給方法の見直しや、障害者雇用助成金の拡充・新設も行われました。特に、週10時間以上20時間未満の短時間労働者も雇用率の算定対象に加わったことは、体調管理が必要な障害者にとって働きやすい環境が整いつつあることを示しています。
厚生労働省が発表した「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業に雇用されている障害者の数は67万7,461.5人で前年より5.5%増加し、過去最高を記録しています。障害者の実雇用率は2.41%、法定雇用達成企業の割合は46.0%となっています。障害者雇用は着実に拡大しており、50代の方にとっても就職のチャンスは広がっています。
50代の就職成功事例から学ぶ
実際に50代で就労移行支援を利用して就職に成功した事例を紹介します。ある50代男性は、長年の過労がたたり50歳でうつ病を発症し、25年勤めた会社を退職しました。1年間の療養を経て、就労移行支援事業所に通い始めました。就労移行支援事業所に通っているうちに、外に1人で出ることができるようになりました。就職活動に必要な「履歴書の書き方」「職務経歴書の書き方」「模擬面接」などの準備をおこない、データ入力のお仕事に就職することができました。就職が決まった際は「涙が出るほどうれしかった」と語っています。
また、うつ病(精神障害)のある50代女性が、就労移行支援を利用して小売業で就職を実現した事例もあります。支援員との面談を通じて自己理解を深め、自分に合った職場を見つけることができました。
多くの50代の卒業生が「支援員が寄り添ってくれたので、安心して就職活動ができました」という感想を伝えています。ある50代の利用者は「就労移行支援事業所の支援員の方が笑顔で『大丈夫ですよ』と励ましてくださり、その言葉をモチベーションに毎日通うことができました。就労移行支援事業所を利用したことで、これまで気付けなかった自分の得意、苦手を知ることにもつながりました」と語っています。
50代の障害者雇用は本当に難しいのか?データから見る実態
50代の障害者雇用の就職・転職は難しいものではありません。その理由は、障害者雇用枠は一般雇用とは別枠であり、就職や転職につながりやすいほか、採用では誠実さを重視することが多いためです。ある障害者専門の転職エージェントでは、毎月20代と同数の50代の内定者が出ているというデータもあります。年齢だけで判断されることは少なく、その人の経験やスキル、人柄が総合的に評価されます。
一方で、障害者の法定雇用率を満たす企業は46%しかなく、障害者雇用での就職は依然として狭き門という現状もあります。しかし、法定雇用率の引き上げにより、今後ますます障害者の雇用機会は増えていくことが予想されます。
就労移行支援事業所には幅広い年齢層の利用者が通っています。「もう40代だから」「50代だから」などと、あきらめる必要はありません。年配利用者の就職実績も多数あります。年齢を理由に諦めるのではなく、自分に合った支援を受けながら、前向きに就職活動に取り組むことが大切です。
就労移行支援の利用料金と費用の仕組み
就労移行支援事業所の利用料金について解説します。就労移行支援事業所を利用している9割の方が無料で利用しています。利用者が負担する料金は、サービス全体にかかった費用のうち1割で、1日あたりおよそ500円から1,400円となっています。
自己負担額は世帯の所得によって決まります。生活保護受給世帯は0円(無料)、市町村民税非課税世帯も0円(無料)です。市町村民税課税世帯(所得割16万円未満、収入がおおむね600万円以下)は月額上限9,300円、市町村民税課税世帯(所得割16万円以上、収入がおおむね600万円以上)は月額上限37,200円となっています。このように、生活保護の受給を受けている世帯や市町村民税非課税の世帯であれば、利用料の負担は0円となります。多くの利用者がこれらの区分に該当するため、実際に無料で利用できている方が9割を占めています。
仮に20日間、毎日利用した場合を考えてみましょう。1,400円(1日の利用料)×20日間(利用日数)=28,000円が利用料となります。ただし、月額上限が設定されているため、市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)の方であれば、実際の支払いは上限の9,300円までとなります。
就労移行支援事業所を利用するときにかかる費用は、利用料だけではありません。診断書代(障害者手帳の申請や事業所利用に必要な診断書の費用)、交通費(自宅から事業所までの往復交通費)、食費(昼食を事業所でとる場合の費用)についても考慮する必要があります。就労移行支援事業所では給料や工賃が発生しないため、利用する際にかかる費用は基本的に自己負担です。事業所によっては交通費の補助や昼食の提供を行っているところもありますので、事前に確認しておきましょう。
就労移行支援を利用している間は、基本的に収入がありません。就労移行支援では給与や工賃が発生せず、アルバイトも原則禁止されています。そのため、利用中の生活費をどのように確保するかを事前に計画しておく必要があります。利用可能な制度としては、失業保険、障害年金、生活保護、家族からの支援などがあります。これらの制度を活用しながら、安心して訓練に専念できる環境を整えることが大切です。
就労移行支援が向いている人・向いていない人の特徴
就労移行支援の利用を検討している50代の方にとって、自分がこのサービスに向いているかどうかを知ることは重要です。
就労移行支援に向いているのは、まず一人での就職活動が難しい人です。就労移行支援は「一人では就職できない人」に向いています。相談相手がいない方や、スキルアップ、自己分析、求人探しなどを一人で行うことが難しい方にとって、専門スタッフのサポートは大きな助けとなります。
体調がある程度安定している人にも向いています。就労移行支援は通所を通じて生活リズムを整え、働くための体力や習慣を身につけながら一般就労を目指すサービスです。多くの事業所では週4から5日の通所が推奨されるため、体調が比較的安定している人に向いています。最低でも週3日は通所できることが目安となります。
じっくり時間をかけて就職準備をしたい人にも適しています。就労移行支援では短くて数か月、長いと2年程度トレーニングを受けることになります。ある程度生計が安定しており、時間をかけてじっくり就職活動したいという方に向いています。
自己理解を深めたい人にも向いています。就労移行支援は自己理解を深めるサポートを受けられるため、自身の特性や課題を明確にしたい人にも向いています。対人スキルを高めるグループワークや個別カウンセリングを通して、自分の特性を理解し、それに対応する力を養うことができます。
ブランクがある人も就労移行支援の利用が向いています。うつ病等で職歴に長いブランク期間がある場合、一度就労移行支援を利用することで、問題なく継続就労できることを就職先企業に示す効果もあります。50代で長期間仕事から離れていた方にとって、段階的に職場復帰を目指せる環境は大きなメリットです。
一方で、就労移行支援に向いていない人もいます。利用中の生活費のあてがない人は、まず生活基盤を整えることが先決です。体調が不安定で通所が難しい人は、まだ就労移行支援を利用する段階ではないかもしれません。すでに就職準備が整っている人にとって、就労移行支援のトレーニングは物足りない可能性があります。就職に本気ではない人は継続することが難しくなるかもしれません。求人紹介だけを求める人には向いていないサービスです。
50代の就労移行支援利用における注意点とアドバイス
就労移行支援事業所には24か月(2年間)の利用期限があります。50代の方にとって、この期間は非常に重要です。限りある時間を有意義に過ごし、より良い就労につなげるためには、早い段階から計画的に訓練を進める必要があります。
40代、50代からでも就労移行支援を利用して新たなキャリアを築くことは十分に可能ですが、若い世代と同じ戦略では納得のいく再就職は難しい場合もあります。年代に応じた戦略を立てることが重要です。具体的には、これまでのキャリアで培った強みを活かせる職種を探すこと、企業が50代に期待する「即戦力」をアピールすること、長く働く意欲を示すことなどが重要になります。
50代の方が就労移行支援を利用する際は、事業所との相性も重要です。実際に見学に行き、50代の利用者がいるか、50代の就職実績があるかなどを確認しましょう。年齢層が近い利用者がいる事業所であれば、情報交換や励まし合いもしやすくなります。
50代は体力面での変化が出やすい年代でもあります。無理をせず、自分のペースで訓練を進めることが大切です。体調管理を優先し、持続可能な形で就職活動に取り組みましょう。
50代の就労移行支援に関するよくある質問
Q:50代でも本当に就職できますか?
はい、50代でも十分に就職は可能です。ある事業所の実績では、50代でも58%の就職率を達成しています。また、ハローワークを利用した障害者の就職件数のうち、50代は18.1%を占めており、多くの方が就職を実現しています。
Q:50代だと事業所で浮きませんか?
就労移行支援事業所には幅広い年齢層の利用者が通っています。30代、40代、50代の利用者も少なくなく、年配の方が通っても疎外感を感じることはありません。同じ目標に向かう仲間と励まし合いながら、訓練に取り組むことができます。
Q:利用料金はかかりますか?
就労移行支援事業所を利用している9割の方が無料で利用しています。世帯の所得によって自己負担額が決まりますが、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯であれば無料です。
Q:どのくらいの期間で就職できますか?
個人差がありますが、早い人では数ヶ月、平均的には半年から1年程度で就職する方が多いです。利用期間は最長2年間ですが、その範囲内で就職を目指すことになります。
Q:どのような仕事に就けますか?
事務職、データ入力、軽作業、清掃、小売業など、様々な職種に就職しています。事業所によってはIT関係や会計業務など職種に特化したプログラムを受けられるところもあります。
50代からの就労移行支援利用は決して遅くありません。専門の支援員のサポートを受けながら、自分の強みを活かした就職活動を進めることで、新たなキャリアを築くことは十分に可能です。「年齢」や「障害」だけを理由にあきらめるのではなく、自分に合った働き方ができる場所を、前向きに探していきましょう。就労移行支援は、その道のりを支えてくれる心強いパートナーとなってくれるはずです。









コメント