障害年金2級と3級の違いは、受給できる年金の種類と金額にあり、年間で100万円以上の差が生じることがあります。2級は障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給でき、配偶者加給年金や子の加算も対象となります。一方、3級は障害厚生年金のみで、障害基礎年金は支給されません。本記事では、2025年度(令和7年度)の最新情報に基づき、障害年金2級と3級の認定基準の違い、具体的な受給額の比較、申請時の注意点まで詳しく解説します。障害年金の申請を検討されている方や、現在3級を受給していて2級への変更を考えている方にとって、等級の違いを正しく理解することは非常に重要です。

障害年金制度の基本的な仕組みとは
障害年金とは、病気やケガによって一定の障害状態になった場合に支給される公的年金制度です。日本の障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があり、初診日に加入していた年金制度によって受給できる種類が決まります。初診日とは、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日を指します。
障害基礎年金は、国民年金から支給される年金です。20歳から60歳までの国内在住者が対象で、自営業者、専業主婦(夫)、パート・アルバイト、学生などは国民年金のみに加入しているため、障害基礎年金のみが対象となります。障害基礎年金の等級は1級と2級の2段階のみで、3級は存在しません。
障害厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金に加入している方が対象です。厚生年金加入者は同時に国民年金にも加入しているため、障害等級が2級以上に該当すれば、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給できます。障害厚生年金には1級、2級、3級、そして障害手当金(一時金)の4段階があります。
この制度の仕組みから、初診日に国民年金のみに加入していた方は、1級または2級に該当しなければ障害年金を受給できないという重要な違いが生まれます。自営業者や専業主婦(夫)、学生などにとって、この点は申請前に必ず理解しておくべきポイントです。
障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、初診日要件、保険料納付要件、障害認定日に障害等級に該当することの3つの要件をすべて満たす必要があります。
初診日要件については、障害の原因となった病気やケガの初診日に、国民年金または厚生年金保険の被保険者であることが求められます。ただし、20歳前に初診日がある場合や、60歳以上65歳未満で国内在住の場合は、被保険者でなくても対象となります。
保険料納付要件については、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの期間において、保険料を納付した期間と免除された期間を合わせた期間が3分の2以上あることが必要です。または、初診日が令和8年4月1日前にある場合は、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことでも要件を満たせます。20歳前に初診日がある場合や、先天性の知的障害など生まれつきの障害の場合は、保険料納付要件は問われません。
障害等級該当要件については、障害認定日において障害年金を受給できる障害の程度に該当することが求められます。障害認定日は原則として初診日から1年6か月を経過した日です。
障害年金2級の認定基準と該当する状態
障害年金2級は、「日常生活が著しく制限される程度の障害状態」を指します。必ずしも他人の助けを借りる必要はないものの、日常生活はきわめて困難で、労働により収入を得ることができない程度の状態が2級に該当します。
2級の判定においては、日常生活動作の部分的な介助の必要性と、就労の可否や程度が重視されます。治療や訓練による病状の改善可能性や、社会復帰の見通しも考慮対象となります。
2級に該当する状態の具体例として、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものが挙げられます。精神の障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものも2級に該当します。
2級の重要なポイントは、障害基礎年金と障害厚生年金の両方が支給対象となることです。さらに、配偶者加給年金や子の加算、年金生活者支援給付金の対象にもなります。
障害年金3級の認定基準と該当する状態
障害年金3級は、「労働が著しい制限を受ける程度の障害状態」を指します。労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態が3級に該当します。3級は中程度の障害状態であり、日常生活動作は概ね自立しているものの、就労や社会生活に一定の制限がある状態です。
3級に該当する具体的な状態として、片麻痺などで歩行や作業能力に制限がある状態、軽度の知的障害で単純な作業なら就労可能な状態、気分障害などの精神障害でストレス対応能力が低下している状態などがあります。両耳の聴力が40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの、咀嚼または言語の機能に相当程度の障害があるもの、杖や装具の使用で屋内の移動は概ね自立しているが身辺処理や家事に部分的な援助が必要な場合がある状態、就労は可能だが負荷の高い作業は困難な状態なども3級に該当します。
3級の最も重要な特徴は、障害厚生年金にのみ存在する等級であることです。障害基礎年金には3級がないため、初診日に国民年金のみに加入していた方は、3級相当の障害状態では障害年金を受給できません。
2級と3級の最も重要な4つの違い
障害年金2級と3級の違いは、受給できる年金の種類と金額に大きく表れます。
第一の違いは、障害基礎年金の有無です。2級は障害基礎年金が支給されますが、3級には障害基礎年金がありません。3級は障害厚生年金にのみ存在する等級であり、障害厚生年金3級のみが支給されます。この違いだけで年間約83万円の差が生じます。
第二の違いは、配偶者加給年金の有無です。障害厚生年金1級または2級の受給者には、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が加算されます。2025年度の配偶者加給年金額は年額239,300円です。3級の受給者には配偶者加給年金は支給されません。
第三の違いは、子の加算の有無です。障害基礎年金1級または2級の受給者には、18歳になった後の最初の3月31日までの子(または障害等級1級・2級の状態にある20歳未満の子)がいる場合、子の加算が付きます。2025年度の子の加算額は第1子・第2子が各239,300円、第3子以降が各79,800円です。3級にはこの加算がありません。
第四の違いは、年金生活者支援給付金の有無です。障害基礎年金1級または2級を受給している方で、前年の所得が一定額以下の場合は、年金生活者支援給付金が支給されます。2025年度の給付額は2級で月額5,450円(年額約65,400円)です。3級の方はこの給付金の対象外となります。
2025年度(令和7年度)障害年金の受給額詳細
2025年度(令和7年度)の障害年金の受給額は、前年度より1.9%の引き上げとなりました。これは3年連続の増額改定です。年金額の改定は物価や賃金の変動に応じて行われ、2025年度は物価上昇を反映した引き上げとなっています。2025年度の年金額は、2025年(令和7年)4月から2026年(令和8年)3月までの年金に適用されます。
障害基礎年金の年間支給額(新規裁定者・67歳以下の方)は、1級が年額1,039,625円(月額約86,635円)、2級が年額831,700円(月額約69,308円)です。障害基礎年金1級は2級の1.25倍の金額となっています。障害基礎年金は受給要件を満たせば、2級でも老齢基礎年金の満額と同じ金額を受給できます。
障害厚生年金の金額は、報酬比例の年金額をもとに計算されます。報酬比例の年金額はこれまでの給与(標準報酬月額)と加入期間によって決まるため、個人によって異なります。1級は報酬比例の年金額×1.25に配偶者加給年金が加算され、2級は報酬比例の年金額に配偶者加給年金が加算されます。3級は報酬比例の年金額のみで、最低保障額として623,800円が設定されています。計算した金額が623,800円を下回る場合は、623,800円が支給されます。
厚生年金の加入期間が300か月(25年)に満たない場合は、300か月加入したものとみなして計算される「みなし加入期間」の仕組みがあります。若い方でも一定の年金額が保障される仕組みです。
2級と3級の年間受給額を具体的に比較
2級と3級の年間受給額を、配偶者や子どもがいない単身者の場合で具体的に比較します。
2級で障害基礎年金と障害厚生年金を受給する場合、障害基礎年金2級が831,700円、障害厚生年金2級が報酬比例額(仮に80万円とする)、年金生活者支援給付金が65,400円で、合計は約1,697,100円となります。
3級で障害厚生年金のみを受給する場合、障害厚生年金3級の最低保障額623,800円のみとなり、合計は623,800円です。
このように、2級と3級では年間で約100万円以上の差が生じることがあります。この差額の主な要因は障害基礎年金の有無です。2級では障害基礎年金として年額831,700円が加算されるのに対し、3級には障害基礎年金がありません。さらに、配偶者や子どもがいる場合は、配偶者加給年金や子の加算によって差額はさらに拡大します。
| 項目 | 2級 | 3級 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 831,700円 | なし |
| 障害厚生年金 | 報酬比例額 | 623,800円(最低保障) |
| 配偶者加給年金 | 239,300円 | なし |
| 子の加算(第1子) | 239,300円 | なし |
| 年金生活者支援給付金 | 65,400円 | なし |
障害基礎年金と障害厚生年金の制度上の違い
障害基礎年金と障害厚生年金は、対象者、等級、計算方法の3点で大きく異なります。
対象者の違いについて、障害基礎年金の対象者は自営業者・フリーランス、専業主婦(夫)、パート・アルバイト(厚生年金未加入の場合)、学生、20歳前に初診日がある方です。障害厚生年金の対象者は会社員、公務員、私立学校の教職員、一定以上の労働時間があるパート・アルバイト(厚生年金加入者)です。厚生年金加入者は同時に国民年金にも加入しているため、2級以上に該当すれば障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給できます。
等級の違いについて、障害基礎年金は1級と2級の2段階のみです。障害厚生年金は1級、2級、3級、障害手当金(一時金)の4段階があります。障害基礎年金には3級がないため、初診日に国民年金のみに加入していた方は、3級相当の障害状態では障害年金を受給できません。
計算方法の違いについて、障害基礎年金は定額制で、等級によって金額が決まっています。2級は831,700円、1級はその1.25倍の1,039,625円です。障害厚生年金は報酬比例制で、これまでの給与と加入期間によって金額が変わります。報酬比例の年金額は平均標準報酬額と加入月数から計算されます。
障害厚生年金の障害手当金について
障害厚生年金には、3級よりも軽い障害状態の場合に支給される「障害手当金」があります。障害手当金は年金ではなく一時金として支給されます。
障害手当金の受給要件は、厚生年金の被保険者期間中に初診日があること、保険料の納付要件を満たしていること、初診日から5年以内に治っていること(症状が固定)、治った日の障害の程度が障害厚生年金3級より軽いことの4つです。
障害手当金の金額は報酬比例の年金額の2倍です。2025年度の最低保障額は1,247,600円となっています。障害手当金は一時金であるため、継続的な支給はありませんが、3級に該当しない軽度の障害でも一定の補償を受けられる制度です。
精神障害における2級と3級の判定基準
精神障害による障害年金の認定については、厚生労働省が「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」を策定しています。このガイドラインは平成28年9月1日から実施されており、より客観的な判定を行うための基準となっています。
精神の障害は、統合失調症、気分(感情)障害(うつ病、双極性障害など)、症状性を含む器質性精神障害、てんかん、知的障害、発達障害の6つに区分されています。人格障害と神経症については、原則として認定の対象とならないとされています。
精神障害の等級判定では、「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の2つの指標が重要です。日常生活能力の判定は、適切な食事、身辺の清潔保持、金銭管理と買い物、通院と服薬、他人との意思伝達及び対人関係、身辺の安全保持及び危機対応、社会性の7項目について4段階で評価されます。
日常生活能力の程度は5段階で評価され、(1)は社会生活が普通にできる状態、(2)は家庭内での日常生活は普通にできるが社会生活には援助が必要な状態、(3)は家庭内での単純な日常生活はできるが時に応じて援助が必要な状態、(4)は日常生活における身のまわりのことも多くの援助が必要な状態、(5)は身のまわりのこともほとんどできないため常時の援助が必要な状態を指します。
精神障害における就労と等級判定の関係
精神障害の場合、就労していることが必ずしも等級判定に不利になるわけではありません。ガイドラインでは、労働に従事していることをもって、ただちに日常生活能力が向上したものと捉えないと定められています。
判定においては、療養状況、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認した上で日常生活能力を判断することとされています。障害者雇用制度を利用しない一般企業で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性が検討されます。
うつ病で障害年金を受給している事例として、40代女性(無職)が障害厚生年金2級を取得し年金額123万円と遡及額350万円を受給した例、うつ病で障害厚生年金3級として年間約58万円を受給している例、うつ病で障害基礎年金2級として年間約78万円を受給している例、うつ病で障害厚生年金2級として年間約280万円(配偶者加給年金や子の加算を含む)を受給している例があります。
統合失調症で障害年金を受給している事例として、50代男性が障害厚生年金2級で年金額140万円と総支給額約380万円を受給した例、40代男性が障害基礎年金1級で年金額97万円と総支給額約230万円を受給した例、20代男性が障害基礎年金2級で年金額78万円と総支給額約160万円を受給した例、統合失調症で障害基礎年金2級としてさかのぼりで約290万円を受給した例があります。
障害年金の申請手続きの流れ
障害年金は、受給要件を満たしていても自動的に支給されるものではありません。自分で請求手続きを行う必要があります。
申請の流れは、初診日の確認、保険料納付要件の確認、必要書類の準備、書類の提出、審査・決定の順に進みます。初診日の確認では、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日を特定します。保険料納付要件の確認は、年金事務所、街角の年金相談センター、市町村役場の国民年金課で調べてもらえます。
必要書類の準備では、年金事務所などで必要な用紙を受け取り、医師に診断書の作成を依頼します。すべての書類が揃ったら提出先に書類を提出し、日本年金機構で書類審査が行われます。審査期間は通常3か月程度です。
障害年金申請に必要な書類一覧
障害年金の申請に必要な主な書類は、年金請求書、診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書、その他の書類です。
年金請求書は障害年金を請求するための基本的な申請書で、年金事務所などで入手できます。診断書は障害の状態を審査するための書類で、部位別に8種類あります。眼の障害用、聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・言語機能の障害用、肢体の障害用、精神の障害用、呼吸器疾患の障害用、循環器疾患の障害用、腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用、血液・造血器・その他の障害用があり、医師に作成してもらいます。
受診状況等証明書は初診日を証明するための書類で、初診の病院で作成してもらいます。作成費用は3,000〜5,000円程度で、作成には1〜2週間、場合によっては1か月かかることがあります。病歴・就労状況等申立書は発症から現在までの病歴や日常生活の状況を申立人自身が記載する書類です。
その他の書類として、住民票、戸籍謄本(子どもや配偶者がいる場合)、配偶者の課税証明(配偶者がいる場合)、受診状況等証明書が添付できない申立書(初診の病院で証明書が取れない場合)などが必要です。
診断書の提出枚数と請求の種類
診断書の提出枚数は請求の種類によって異なります。認定日請求(障害認定日から1年以内に請求する場合)は診断書1通(障害認定日以降3か月以内のもの)が必要です。事後重症請求(障害認定日には該当しなかったが、その後障害状態に該当した場合)は診断書1通(請求日から前3か月以内のもの)が必要です。遡及請求(障害認定日から1年以上経過後に遡って請求する場合)は診断書2通(障害認定日以降3か月以内のもの1通、請求日から前3か月以内のもの1通)が必要です。
請求書類の提出先は初診日に加入していた年金制度によって異なります。国民年金第1号被保険者(自営業者など)は市区町村役場の国民年金課、国民年金第3号被保険者(会社員の配偶者)は年金事務所または街角の年金相談センター、厚生年金第1号(民間企業勤務)は年金事務所または街角の年金相談センター、厚生年金第2〜4号(公務員・私学教職員)は初診日に所属していた各共済組合に提出します。
障害年金の審査は書類のみで行われます。介護認定のように調査員が訪問することはありません。そのため、診断書や病歴・就労状況等申立書の内容が非常に重要です。
永久認定と有期認定の違い
障害年金の認定には「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。永久認定は、障害の状態が固定しており、今後も変化がないと認められる場合に適用されます。手足の切断、人工関節置換、失明、重い知的障害などが該当します。永久認定となった場合は更新の手続きが不要で、年金決定通知書の「次回診断書提出年月日」の欄が空欄となり、生涯にわたって障害年金を受給することができます。
有期認定は、障害の状態が固定しておらず、将来的に改善の可能性がある場合に適用されます。1〜5年程度の一定期間ごとに障害の状態を再評価します。有期認定の対象となるのは、精神疾患(うつ病、統合失調症、発達障害など)、腎疾患、心疾患、がん、その他症状が変化する可能性のある傷病です。
有期認定の場合、誕生月の3か月前に日本年金機構から「障害状態確認届」(診断書)が送られてきます。提出期限は誕生月の末日で、それまでに医師に診断書を作成してもらい提出する必要があります。診断書の提出が遅れると、年金が一時的に差し止められることがありますので注意が必要です。
更新時には実際の症状が正確に診断書に反映されることが重要です。症状が正確に伝わらないと、等級が軽くなり、支給額の減額や支給停止につながることがあります。更新前には主治医に現在の症状や日常生活の困難さをしっかり伝えることが大切です。
永久認定の場合は更新手続きが不要ですが、症状が悪化した場合には注意が必要です。一度永久認定されると等級はそのままになるため、症状が悪化して上位等級に該当するようになった場合は、額改定請求を行う必要があります。
65歳以降の年金選択と有利な組み合わせ
日本の年金制度は「1人1年金」が原則です。障害基礎年金と老齢基礎年金を同時に受給することはできません。同様に、障害厚生年金と老齢厚生年金も同時に受給できません。
65歳以降は、障害基礎年金と障害厚生年金の組み合わせ、老齢基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせ、障害基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせ(2級以上の場合)の3つの選択肢から選ぶことができます。老齢基礎年金と障害厚生年金の組み合わせは認められていません。
一般的に、障害等級が2級以上の場合は、1階部分(基礎年金)は障害基礎年金を選択するのがお得です。障害基礎年金は受給要件を満たせば満額が支給されるのに対し、老齢基礎年金は納付期間に応じて金額が変わるためです。2階部分(厚生年金)については、障害厚生年金と老齢厚生年金の金額を比較して有利な方を選択します。障害厚生年金は「300か月加入したとみなす」計算がされますが、実際に300か月以上加入して報酬も高かった場合は、老齢厚生年金の方が高くなることがあります。
選択の際には税金の違いも考慮する必要があります。障害年金は非課税(所得税・住民税がかからない)であるのに対し、老齢年金は課税対象(所得税・住民税がかかる)です。額面上は同じでも、手取り額は障害年金の方が多くなることがあります。
3級から2級への額改定請求について
障害年金を3級で受給している方でも、症状が悪化した場合は2級への等級変更を申請できます。これを「額改定請求」といいます。
額改定請求の条件として、年金を受ける権利が発生した日から1年を経過していること、または障害の程度の診査を受けた日から1年を経過していることが必要です。ただし、症状固定が客観的に判断できる場合(眼・聴覚の障害、人工透析・人工肛門の使用等)は1年を待たずに請求できます。
額改定請求が認められると、請求日の属する月の翌月から支給額が変更されます。3級から2級に変更になった場合は、障害基礎年金や配偶者加給年金、子の加算も受けられるようになり、年間の受給額が大幅に増加します。単身者でも年間約100万円以上の増額となる可能性があり、配偶者や子どもがいる場合はさらに増額幅が大きくなります。
障害年金申請を検討されている方へのアドバイス
障害年金は、病気やケガで生活に困難を抱える方にとって重要な経済的支援です。2級と3級の境界線上にある場合、診断書の内容や病歴・就労状況等申立書の記載が判定に大きく影響します。
申請を検討されている方は、まず年金事務所や社会保険労務士に相談することが推奨されます。専門家のアドバイスを受けることで、適切な等級で認定される可能性が高まります。特に精神障害の場合は、日常生活の困難さを客観的に伝えることが重要で、主治医との連携も欠かせません。
障害年金制度は複雑で、個人の状況によって受給できる金額や等級が大きく異なります。2025年度の情報に基づいていますが、制度は毎年改定される可能性があります。最新の情報は日本年金機構のホームページや年金事務所で確認することが推奨されます。障害があっても安心して生活できるよう、障害年金制度を正しく理解し適切に活用することが大切です。









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