障害年金は働きながら受給できる?収入制限と上限金額を解説

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障害年金は働きながらでも受給できます。障害年金の受給要件に「働いていないこと」という条件は含まれておらず、収入制限についても原則として設けられていません。厚生労働省の調査によると、障害年金を受給している方の約半数は何らかの形で就労しており、正社員やパート、障害者雇用など、さまざまな働き方をしながら障害年金を受け取っている方が多く存在しています。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金については例外的に所得制限が適用され、前年の所得額に応じて年金額が調整される仕組みとなっています。この記事では、障害年金を働きながら受給できるかどうかの詳細な解説に加え、収入制限や上限金額の具体的な基準、2025年度の最新の支給額、申請時に押さえておくべきポイントまで、障害年金に関する疑問を網羅的に解消していきます。

目次

障害年金とは何か

障害年金とは、病気やけがによって日常生活や労働に支障が生じた場合に、国から支給される公的年金制度のことです。がん、糖尿病、心臓病、うつ病、統合失調症、発達障害など、さまざまな病気やけがが対象となっており、身体的な障害だけでなく精神的な障害も幅広くカバーされています。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。どちらの年金を受給できるかは、障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日である「初診日」に、どの年金制度に加入していたかによって決まります。

障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入していた方、または20歳前に障害の原因となる傷病の初診日がある方が対象となります。障害等級は1級と2級の2段階で構成されており、年金額は等級に応じた定額で支給される仕組みです。

一方、障害厚生年金は、初診日に厚生年金保険に加入していた方が対象となります。障害等級は1級、2級、3級の3段階あり、さらに3級に該当しない程度の障害でも一時金として障害手当金が支給される場合があります。年金額は厚生年金加入期間中の報酬と加入期間によって計算される「報酬比例の年金額」となるため、受給者によって金額が異なります。

障害厚生年金の受給者で障害等級が1級または2級に該当する場合は、障害基礎年金も併せて支給されます。これは厚生年金加入者が同時に国民年金にも加入しているためであり、いわゆる「2階建て」の年金構造によって、障害厚生年金は障害基礎年金よりも手厚い保障となっています。

障害年金を受給するための3つの要件

障害年金を受給するためには、初診日要件、保険料納付要件、障害認定日要件という3つの要件をすべて満たす必要があります。

まず初診日要件について説明します。障害の原因となった病気やけがの初診日に、国民年金または厚生年金保険に加入していることが求められます。ただし、20歳前の傷病による障害基礎年金の場合は、年金加入前であっても受給することが可能です。

次に保険料納付要件があります。初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること、または初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないことのいずれかを満たしている必要があります。後者については令和8年3月31日までの特例措置となっています。

最後に障害認定日要件があります。障害認定日とは原則として初診日から1年6か月を経過した日のことであり、この日において障害等級に該当する程度の障害状態にあることが求められます。

ここで重要なのは、これら3つの受給要件に「働いていないこと」や「収入がないこと」は含まれていないという点です。つまり障害年金は、働きながらでも受給することが制度上認められています。

働きながら障害年金を受給できるのか

結論として、障害年金は働きながらでも受給できます。 厚生労働省の調査によると、障害年金を受給している方の約半数は何らかの形で就労しているというデータがあり、精神障害による障害年金受給者の中でも約3人に1人は働いています。正社員として働いている方、パートやアルバイトで働いている方、障害者雇用で働いている方など、さまざまな働き方をしながら障害年金を受給している方が実際に多く存在しています。

働きながら障害年金を受給しやすいケース

働きながらでも障害年金を受給しやすいケースとして、まず障害厚生年金3級の場合が挙げられます。障害厚生年金3級は「労働が著しい制限を受ける状態」が認定基準となっており、一定の制限がありながらも働いている状態であれば、3級に該当する可能性があります。

障害者雇用枠で働いている場合も受給しやすい傾向があります。障害者雇用枠では会社から障害に対する配慮や支援を受けていることが多いため、その状況を考慮して障害年金が認められやすくなっています。

就労継続支援A型事業所やB型事業所で働いている場合は、障害に対する理解や配慮がある環境で働いていると判断されるため、障害年金の受給が認められやすくなります。

パート・アルバイトや時短勤務の場合も、労働時間が短いことや軽作業に限定された業務を行っていることから、労働に制限があると判断され、障害年金を受給できる可能性があります。

人工関節の挿入、ペースメーカーの装着、人工透析の実施など身体障害の場合は、就労状況にかかわらず一定の等級が認められるケースもあります。

働きながら受給が難しくなるケース

一方で、働きながら障害年金を受給することが難しくなるケースもあります。

精神疾患でフルタイム勤務をしている場合は認定が難しくなる傾向があります。精神疾患では障害等級の判定において就労状況が重要な判断材料となるため、フルタイムで安定して就労できている場合は「日常生活能力」や「労働能力」があると判断され、受給が認められにくくなります。

一般雇用で特別な配慮なく働いている場合も注意が必要です。障害者雇用ではなく一般雇用で、特別な配慮や支援なく働いている場合は、障害の程度が軽いと判断される可能性があります。

収入が高い場合については、収入の高さ自体は障害年金の受給要件に直接影響しませんが、高収入を得られるだけの労働能力があると判断されることで、間接的に障害等級の認定に影響する場合があります。

精神疾患の場合に知っておくべきこと

精神疾患であるうつ病、統合失調症、双極性障害などの場合は、身体障害と比べて就労状況が障害等級の判定に大きく影響します。これは精神疾患の障害認定基準において「日常生活能力」と「労働能力」が重要な判断要素となっているためです。

ただし厚生労働省の通知では、「労働に従事している者については、労働に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断する」とされています。

つまり単に働いているという事実だけでなく、どのような職種・業務内容か、労働時間や勤務日数はどの程度か、職場でどのような配慮や支援を受けているか、同僚や上司とのコミュニケーションはうまくいっているか、仕事以外の日常生活にどのような支障があるか、仕事によって症状が悪化していないかといった点が総合的に考慮されます。精神疾患で働きながら障害年金を申請する場合は、これらの状況を主治医に正確に伝え、診断書に反映してもらうことが極めて重要です。

障害年金の収入制限と所得制限の仕組み

障害年金には原則として収入制限(所得制限)はありません。 会社員として働いて給与収入を得ていても、自営業で事業収入を得ていても、その収入額を理由に障害年金が減額されることは基本的にありません。老齢年金には「在職老齢年金」という制度があり一定額以上の収入がある場合は年金が減額される仕組みがありますが、障害年金にはこのような一律の所得制限は設けられていません。

所得制限が適用される例外的なケース

ただし例外的に所得制限が適用されるケースが2つあります。

1つ目は20歳前傷病による障害基礎年金の場合です。20歳になる前に初診日がある傷病による障害基礎年金では所得制限が適用されます。これは20歳前障害の方が年金保険料を納付していない、または納付要件を満たしていないにもかかわらず年金を受給できるため、公平性の観点から所得制限が設けられているものです。

所得制限は2段階制となっており、本人の前年の所得額に応じて支給調整が行われます。2025年10月1日からは所得基準額が改正され、扶養親族がいない場合の基準は、所得額376万1千円以下であれば全額支給、所得額376万1千円超から479万4千円以下であれば年金額の2分の1が支給停止、所得額479万4千円を超えると全額支給停止となりました。

扶養親族がいる場合は1人につき38万円が所得制限額に加算されます。また扶養親族が老人控除対象配偶者や老人扶養親族の場合は1人につき48万円、19歳以上23歳未満の特定扶養親族の場合は1人につき63万円が加算されます。

具体例として、単身者の場合は年収376万1千円まで全額支給となり、扶養親族が1人いる場合は年収414万1千円まで全額支給、扶養親族が2人いる場合は年収452万1千円まで全額支給となります。この所得制限による支給停止は毎年見直され、前年所得に基づく支給対象期間は「10月分から翌年9月分まで」となっています。

2つ目は特別障害給付金の場合です。国民年金に任意加入していなかったことにより障害基礎年金を受給できない方に対して支給される「特別障害給付金」にも所得制限があります。これはかつて国民年金の任意加入対象であった学生や専業主婦が、任意加入していない期間中に初診日がある傷病により障害状態になった場合に支給されるものです。

通常の障害年金には収入による上限金額はない

20歳以降に初診日がある通常の障害基礎年金および障害厚生年金には、所得制限はありません。そのため働いてどれだけ収入を得ても、その収入額を理由に年金が減額されたり支給停止になったりすることはありません。

ただし注意点として、就労することで障害の状態が改善したと判断された場合は、更新時に等級が変更されたり支給停止になったりする可能性があります。これは収入制限ではなく、障害状態の認定の問題として区別して理解しておく必要があります。

障害年金の支給額について

2025年度の障害年金額

2025年度(令和7年度)の障害年金額は、前年度から1.9%引き上げられました。これは3年連続の増額改定となっています。

障害基礎年金の年金額は、67歳以下の新規裁定者の場合、1級が年額1,039,625円で月額に換算すると約86,635円となり、2級が年額831,700円で月額約69,308円となっています。障害基礎年金1級の金額は2級の1.25倍に設定されています。

障害厚生年金の年金額は、厚生年金加入期間中の標準報酬額と加入期間によって計算される「報酬比例の年金額」となります。1級の場合は報酬比例の年金額に1.25を乗じた額に障害基礎年金1級を加えた金額、2級の場合は報酬比例の年金額に障害基礎年金2級を加えた金額となります。3級の場合は報酬比例の年金額のみですが、最低保障額として623,800円が設定されています。また障害手当金という一時金の場合は報酬比例の年金額の2倍で、最低保障額は1,247,600円となっています。

子の加算と配偶者加給年金

障害基礎年金を受給している方に子どもがいる場合は「子の加算」が支給されます。2025年度の子の加算額は、第1子と第2子がそれぞれ239,300円、第3子以降は各79,800円となっています。対象となる子は、18歳到達年度の末日である3月31日を経過していない子、または20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にある子です。

また障害厚生年金1級または2級を受給している方に65歳未満の配偶者がいる場合は「配偶者加給年金」が支給されます。2025年度の配偶者加給年金額は239,300円です。

障害年金生活者支援給付金

障害年金を受給している方で一定の要件を満たす場合は「障害年金生活者支援給付金」も併せて受給できます。2025年度の給付金額は1級が月額6,813円、2級が月額5,450円となっています。この給付金を受け取るためには、障害基礎年金を受給していること、前年の所得が一定額以下であることなどの要件を満たす必要があります。

障害等級の認定基準

障害年金の障害等級は、障害の程度に応じて区分されています。

1級は他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない状態を指します。身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状により、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものが該当します。

2級は必ずしも他人の助けを借りる必要はないものの、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができない程度の状態です。身体機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状により、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものが該当します。

3級は障害厚生年金のみに設けられている等級で、労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態を指します。

精神障害の場合は「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に基づいて等級が判定されます。このガイドラインでは、診断書に記載される「日常生活能力の程度」と「日常生活能力の判定」の評価に基づいて等級の目安が示されています。日常生活能力の判定では、適切な食事ができるか、身辺の清潔保持ができるか、金銭管理と買い物ができるか、通院と服薬ができるか、他人との意思伝達及び対人関係を維持できるか、身辺の安全保持及び危機対応ができるか、社会性を維持できるかという7つの場面について能力が評価されます。

障害年金の申請手続き

申請の流れ

障害年金の申請は以下の流れで進めます。

まず初診日の確認から始めます。障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日である初診日を特定します。初診日は加入していた年金制度や保険料納付要件の確認に必要となる重要な日付です。

次に保険料納付要件の確認を行います。年金事務所で保険料の納付状況を確認し、初診日の前日において保険料納付要件を満たしているかどうかを確認します。

その後、必要書類の準備を行います。年金請求書、診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書、戸籍謄本または住民票、年金手帳または基礎年金番号通知書、預金通帳のコピーなどが必要となります。

書類が揃ったら提出します。障害厚生年金の場合は年金事務所、障害基礎年金のみの場合は市区町村役場が窓口となります。

提出後は日本年金機構で審査が行われ、障害等級が決定されます。審査期間は通常3か月程度ですが、審査状況によってはそれ以上かかる場合もあります。

初診日の証明が重要

障害年金の申請において初診日の特定と証明は最も重要な作業のひとつです。初診日が確定しないと、加入していた年金制度や保険料納付要件を確認することができず、申請手続きを進めることができません。

初診日を証明するための基本的な書類は「受診状況等証明書」です。初診の医療機関に依頼してカルテに基づいて作成してもらいます。

ただし医療機関のカルテの保存期間は法律上5年とされているため、初診日が古い場合はカルテが廃棄されていることがあります。また医療機関が閉院している場合もあります。

カルテがない場合の対処法としては、2番目以降に受診した医療機関で受診状況等証明書を取得する方法、初診日を証明する参考資料としてお薬手帳、診察券、領収書、健康診断の記録などを提出する方法、第三者による証明を取得する方法などがあります。第三者証明は初診日頃の状況を知っている隣人、友人、民生委員などに当時の状況を証明してもらう書類であり、20歳以降に初診日がある場合は複数の第三者による証明とその他の参考資料を併せて提出することで初診日として認められる場合があります。

障害年金の更新について

永久認定と有期認定の違い

障害年金には「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。

永久認定は障害の状態が将来にわたって変化しないと見込まれる場合に適用されます。手足の切断、人工関節の挿入、知的障害など、今後症状が改善する見込みがない場合が該当します。永久認定の場合は更新手続きが不要で、診断書を再提出する必要がありません。年金証書の「次回診断書提出月」の欄が「**」と表示されている場合は永久認定です。

有期認定は障害の状態が時間の経過によって変化する可能性がある場合に適用されます。多くの障害年金受給者は有期認定となっており、1年から5年の期間ごとに更新手続きが必要です。

更新手続きの流れ

有期認定の場合、更新時期が近づくと日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が送られてきます。

提出期限である誕生月の末日の3か月前から医療機関を受診して主治医に診断書の作成を依頼します。作成された診断書の内容を確認し、実際の障害状態と相違がないかチェックした上で、誕生月の末日までに日本年金機構に診断書を提出します。

審査の結果、「支給継続(等級変更なし)」「等級変更」「支給停止」のいずれかが決定されます。支給継続で等級変更なしの場合は「次回の診断書提出についてのお知らせ」というハガキが届き、等級変更や支給停止の場合は「年金決定通知書・支給額変更通知書」が届きます。

更新時に注意すべきポイント

更新時には診断書の提出期限を必ず守ることが大切です。診断書を提出期限までに提出しないと年金の支払いが一時的に止まります。期限を過ぎて提出した場合でも認定されれば遡って支給されますが、支給再開まで1~2か月程度遅れることになります。

就労状況の変化にも注意が必要です。申請時に働いていなかった方が更新時に働いている場合、特に精神疾患では障害の程度が軽くなったと判断される可能性があります。ただし働いているという事実だけで等級が下がるわけではなく、就労状況や職場での配慮の有無などが総合的に判断されます。

更新時も申請時と同様に、日常生活の状況や就労状況を主治医に正確に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

障害年金申請時の注意点

主治医との連携を密にする

障害年金の申請において診断書は最も重要な書類のひとつです。診断書は主治医が作成しますが、主治医は患者の日常生活のすべてを把握しているわけではありません。

日頃から主治医に、日常生活でどのような困難があるか、一人でできることとできないこと、就労している場合は仕事の内容や労働時間と職場での配慮の有無、家族からどのような援助を受けているか、症状の波として良い時と悪い時の状態などの情報を伝えておくことが大切です。

病歴・就労状況等申立書の書き方

病歴・就労状況等申立書は発病から現在までの経過を自分の言葉で記入する書類であり、診断書と並んで審査において重要な書類となります。

記載のポイントとしては、発病から現在までの経過を時系列で記載すること、日常生活でどのような支障があるかを具体的に書くこと、就労している場合はどのような配慮や支援を受けているかを書くこと、診断書の内容と矛盾しないようにすることが挙げられます。

働きながら申請する場合の注意点

働きながら障害年金を申請する場合は、どのような仕事をしているか、労働時間はどの程度か、職場でどのような配慮を受けているかなどを主治医や年金事務所に正確に伝えることが重要です。

障害者雇用枠で働いている場合は、障害に対する配慮を受けながら働いていることを示す証拠となります。一般就労か障害者雇用かを明確にすることで審査において適切な判断がなされやすくなります。

就労による収入と障害の程度は別問題であることを理解しておくことも大切です。収入が多いからといって障害年金が減額されるわけではありませんが、高収入を得られるだけの労働能力があると判断されることで間接的に障害等級の認定に影響する可能性はあります。

不支給となった場合の対応

審査の結果、不支給や却下となった場合でも不服申立てである審査請求を行うことができます。審査請求は決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に、地方厚生局の社会保険審査官に対して行います。審査請求の結果に不服がある場合はさらに再審査請求を行うことも可能です。

また不服申立てではなく、新たに診断書を取得して再度申請する事後重症請求という方法もあります。

障害年金の受給事例

障害年金がどのように認定されているか、具体的な事例を見ていきましょう。

精神疾患の受給事例として、30代男性がうつ病により日常生活に著しい支障があり就労困難な状態となり、障害基礎年金2級が認定されて年額約78万円を受給しているケースがあります。また50代男性が会社員として働いていた時期に初診日があり、うつ病により休職後、障害厚生年金2級が認定されて障害基礎年金との合計で年額約139万円を受給しているケースもあります。

発達障害・知的障害の受給事例として、知的障害により障害基礎年金2級が認定され、子の加算を含めて年額約123万円を受給しているケースや、広汎性発達障害により障害厚生年金3級が認定されて年額約58万円を受給しているケースがあります。

身体疾患の受給事例として、両眼の円錐角膜により障害基礎年金1級が認定されて年額約97万円を受給しているケースや、潰瘍性大腸炎により障害厚生年金3級が認定されて年額約58万円を受給しているケースもあります。

障害認定日時点で障害等級に該当していた場合は過去に遡って年金を受給できる「遡及請求」が可能であり、最大5年分の年金を一括で受け取ることができます。障害基礎年金2級が認定されて遡及分として約400万円を一括で受給したケースや、障害厚生年金3級が認定されて遡及分として約440万円を一括で受給したケースもあります。

障害年金についてよくある疑問

正社員として働いていても障害年金を受給できるかという疑問については、正社員として働いている場合でも障害年金を受給できる可能性はあります。ただし特に精神疾患の場合はフルタイムで安定して就労できている状態では認定が難しくなる傾向があり、職場での配慮の有無や日常生活への支障の程度などが総合的に判断されます。

障害年金を受給すると会社に知られるのではないかという疑問については、障害年金を受給していることが会社に直接通知されることはありません。ただし年末調整で障害者控除を申請する場合や住民税の通知などから間接的に知られる可能性はあります。

障害年金と失業保険は同時に受給できるかという疑問については、障害年金と雇用保険の失業給付は原則として同時に受給することができます。両方の受給要件を満たしていれば併給が可能です。

障害年金を受給していると生活保護は受けられないのかという疑問については、障害年金を受給していても生活保護を受けることは可能です。ただし障害年金は収入として計算されるため、その分だけ生活保護費が減額されます。

障害年金は非課税かという疑問については、障害年金は所得税・住民税が非課税となっており確定申告の必要もありません。

障害年金は遡って請求できるかという疑問については、障害認定日時点で障害等級に該当していた場合は遡って請求する遡及請求が可能です。ただし遡及できるのは最大5年分までとなっています。

障害者手帳がなくても障害年金は申請できるかという疑問については、障害者手帳と障害年金は別の制度であり、障害者手帳がなくても障害年金を申請することは可能です。また障害者手帳の等級と障害年金の等級は必ずしも一致しません。

まとめ

障害年金は働きながらでも受給することが可能な制度です。障害年金の受給要件に「働いていないこと」という条件は含まれておらず、実際に障害年金受給者の約半数は就労しています。

収入制限については原則として設けられていません。ただし20歳前傷病による障害基礎年金と特別障害給付金については例外的に所得制限が適用され、前年の所得額に応じて支給調整が行われます。2025年10月からの改正後は、扶養親族がいない場合、所得額376万1千円以下であれば全額支給、479万4千円を超えると全額支給停止となりました。

2025年度の障害年金額は、障害基礎年金1級が年額約104万円、2級が年額約83万円となっています。障害厚生年金は報酬比例の年金額となるため個人によって金額が異なりますが、3級には最低保障額として623,800円が設定されています。

障害年金の申請にあたっては、初診日の証明、診断書の作成、病歴・就労状況等申立書の記入など、さまざまな準備が必要です。特に精神疾患で働きながら申請する場合は、就労状況や日常生活の困難さを主治医に正確に伝え、診断書に反映してもらうことが重要です。

障害年金の制度は複雑であり個人の状況によって受給の可否や金額が異なります。申請を検討されている方はまず年金事務所や市区町村の年金窓口で相談することをおすすめします。社会保険労務士などの専門家に相談することでよりスムーズに申請手続きを進めることもできます。障害をお持ちの方が働きながらでも経済的な安定を得られるよう、障害年金制度を有効に活用していただければ幸いです。

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