障害年金の初診日証明方法|精神疾患で転院している場合の対処法を解説

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精神疾患で障害年金を申請する際、初診日の証明は受診状況等証明書を初診の医療機関で作成してもらうことが基本的な方法です。転院により初診の病院でカルテが廃棄されている場合や閉院している場合は、2番目以降の医療機関での証明取得、紹介状の活用、健康保険の記録(レセプト)、お薬手帳、第三者証明など複数の代替手段が用意されています。障害年金は病気やケガによって日常生活や仕事に支障をきたした場合に受給できる公的年金制度であり、うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害などの精神疾患も対象となります。

精神疾患の場合、発症から長期間が経過していることが多く、転院を繰り返しているケースも少なくないため、初診日の証明が困難になりやすいという特徴があります。しかし、証明が困難な状況でも諦める必要はありません。本記事では、障害年金における初診日の定義と重要性から、転院している場合の具体的な証明方法、参考資料の収集方法、第三者証明の活用法まで、精神疾患をお持ちの方が障害年金を申請する際に必要な初診日証明の知識を詳しく解説します。

目次

障害年金における初診日とは

障害年金の初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。重要なのは、病名が確定した日ではなく、その傷病に関連する症状で初めて医療機関を受診した日が初診日となる点です。

初診日が障害年金で重要視される理由

初診日は障害年金の請求において極めて重要な意味を持っています。その理由として、まず加入制度の判定に使われることが挙げられます。初診日にどの年金制度(国民年金、厚生年金、共済年金)に加入していたかによって、受給できる障害年金の種類が決まります。厚生年金加入中であれば障害厚生年金、国民年金加入中であれば障害基礎年金の対象となります。

次に、初診日は保険料納付要件の判定基準となります。初診日の前日時点で、一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。具体的には、年金加入期間の3分の2以上が未納でないこと、または直近1年間に未納がないことが求められます。

さらに、初診日は障害認定日の起算点となります。障害認定日は原則として初診日から1年6か月を経過した日であり、この日を基準に障害の程度が判定されます。このように、初診日は障害年金の受給可否や給付内容を左右する根幹となる情報なのです。

精神疾患における初診日の考え方

精神疾患の場合、初診日の判定には特有の考え方があります。日本年金機構の審査では、抑うつ状態、適応障害、パニック障害、摂食障害、不安障害、自律神経失調症、不眠症などで初めて受診した日を精神障害の初診日として考えます。病名が違っても一連の流れとして判断されるため、最初に「うつ病」と診断され、後に「統合失調症」と診断が変わったような場合でも、両者の間に関連性が認められれば、初診証明の病名が違っていても問題はありません。

精神疾患の初診日は必ずしも精神科や心療内科を受診している必要はありません。内科や耳鼻科、小児科などを受診した日が初診日になることもあります。例えば、不眠の症状で内科を受診し、睡眠薬を処方された場合、その内科の受診日が初診日となる可能性があります。ただし、精神疾患についての治療面での明らかな指示がなかった場合は、精神科以外の病院は初診とはならず、精神科を初めて受診した日が初診日と認定されることが多いです。一方、最初に受診した精神科以外の病院で、精神疾患と診断されなくても症状改善のために治療や薬の処方が行われた場合は、その病院を最初に受診した日が初診日と認定されることがあります。

初診日の基本的な証明方法

初診日の証明は「受診状況等証明書」という様式を用いて行います。この書類は、初めて医療機関を受診した時期を確認するために使用され、初診の病院で作成してもらいます。

受診状況等証明書の取得方法

受診状況等証明書の様式は医療機関では用意されていません。年金事務所や街角の年金相談センター、市町村役場、日本年金機構のホームページで入手して、医療機関へ持参または郵送する必要があります。

受診状況等証明書は本来、カルテに基づいて記載してもらう必要があります。作成にかかる費用は3,000円から5,000円程度であり、作成までに1週間から2週間、場合によっては1か月程度かかることもあります。初回の年金相談後は速やかに病院へ作成を依頼することが重要です。

受診状況等証明書が不要となるケース

初診からずっと同じ病院に通っている場合など、初診の医療機関と診断書を作成する医療機関が同じであれば、診断書のみで初診日が証明できます。診断書には「初めて医師の診療を受けた日」「初診年月日」を書く欄があり、そこで初診日を確認できるため、受診状況等証明書は必要ありません。

また、先天的な知的障害や、完全脱臼したまま生育した先天性股関節脱臼は「出生日が初診日」とされており、受診状況等証明書の提出は必要ありません。

転院している場合の初診日証明

精神疾患で障害年金を申請する方の多くが直面するのが、転院によって初診の医療機関でカルテが残っていないという問題です。医療機関のカルテの保存期間は法律で5年と定められているため、初診日がかなり前にある場合は、すでにカルテが廃棄されていることが多くあります。また、医療機関自体が閉院していることもあります。しかし、このような状況でも障害年金の申請を諦める必要はありません。

2番目以降の医療機関での証明取得

初診の医療機関で受診状況等証明書を取得できない場合は、2番目に受診した医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼します。2番目の医療機関でもカルテ等の記録がない場合は、3番目、そこでもなければ4番目と順番に当たっていきます。

転院先への紹介状を書いてもらっていた場合は、紹介状に初診日と受診の経緯や診断名などが書いてあることがほとんどです。転院先に紹介状が残っていないかを確認しましょう。転院先に受診状況等証明書を書いてもらい、紹介状の写しを提出できれば、ほぼ確実に初診日の証明となります。

転院先カルテの記載内容による証明

転院先を初めて受診するときには、発病からの経過や治療歴を伝えることが多いと思われます。それを受けて転院先の医師がカルテに記載していることが多々あります。このような記載が、障害年金を請求する前おおむね5年以上前にされている場合は、それのみで初診日を認めることができるとされています。

受診状況等証明書が添付できない申立書の作成

受診状況等証明書が入手できない医療機関については、医療機関ごとに「受診状況等証明書が添付できない申立書」を自分で作成します。この書類は障害年金の申請者本人が作成するものであり、参考資料の添付が必要となります。

初診日証明に使える参考資料

受診状況等証明書が取得できない場合、様々な参考資料を収集して初診日を証明することができます。これらの資料の整合性を考慮に入れながら、日本年金機構が総合的に初診日を認定します。

公的な証明書類

初診日を証明するための参考資料として、まず公的な証明書類があります。身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳は重要な参考資料となります。これらの手帳の申請時の診断書の写しも有効です。診断書には初診日や発病時期が記載されていることが多いためです。

保険関連の記録

生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書の写しも参考資料として使用できます。保険給付を受けた際の診断書には、傷病の発症時期や初診日が記載されていることがあります。

健康保険の給付記録(レセプトを含む)も重要な参考資料です。会社の健康保険組合や国民健康保険など、加入の健康保険を使って受けた診察や治療について、日付や受診科目、診療や治療内容、検査項目が記録されています。健康保険組合に依頼して取り寄せ、初診日の証明として提出できます。

レセプト(診療報酬明細書)の保存年限は、医療機関で5年、政管健保で5年、健康保険組合は10年、薬局は3年と決まっています。カルテがないような場合でも、レセプトデータは残っているケースがあります。5年以内であれば、市区町村、協会けんぽ、健康保険組合にレセプトの開示請求をして、初診日を調べることが可能です。

医療機関関連の記録

診察券(可能な限り診察日や診療科がわかるもの)、お薬手帳、糖尿病手帳、領収書(初診料の点数が入っているもの)なども参考資料として有効です。特にお薬手帳には、処方された薬の名称と日付が記録されているため、初診日の証明に役立つことがあります。

また、初診の医療機関で「カルテが廃棄されている」と言われても、医療機関のレセプトコンピュータ(レセコン)に受診日だけが残っているケースもあります。「日付だけでも記録がないか」確認してみることが重要です。

その他の記録

事業所等の健康診断の記録、母子健康手帳、小学校や中学校等の健康診断の記録や成績通知表、卒業証明書なども参考資料として認められる場合があります。

第三者証明について

「第三者証明」とは、正確には「初診日に関する第三者からの申立書」といい、医療機関で診療を受けていたことを第三者が証明する書類です。初診日の証明がどうしても取れない人を救済する制度として、2015年(平成27年)に導入されました。

第三者証明を書ける人の条件

第三者証明は3親等内の親族以外が条件になります。つまり、親や兄弟姉妹、祖父母、おいやめいは第三者として認められません。

「友人」「隣人」「職場の上司」「同僚」「民生委員」「病院長」「施設長」「事業主」などは第三者にあたります。初診の医療機関で働いていた医師、看護師、ソーシャルワーカーなど医療従事者も第三者として認められます。

第三者証明の必要な通数

原則として、複数(2人以上)の第三者証明が必要です。ただし、初診日の医療機関で働いていた医師、看護師、ソーシャルワーカーなど医療従事者は単数(1人)で構いません。

20歳前と20歳以降での取り扱いの違い

20歳前に初診日がある場合は、保険料の納付要件が問われず、給付内容も障害基礎年金に限られるため、比較的柔軟な対応が取られています。2枚以上の第三者証明があれば、参考資料の提出は求められません。

20歳以降に初診日がある場合は、より正確性が求められます。第三者証明の他に、初診日の裏付けとなる参考書類を併せて提出する必要があります。

第三者証明に必要な記載内容

第三者証明には以下の内容を記載します。障害年金を請求する人の名前、申立者が見た(聞いた)時点での請求者との関係(例:「友人」「隣人」「上司」など)、現在の請求者との関係、初診日の正確な日付、申立者が知っている当時の状況等(初診の当時に医師から日常生活での注意を受けていたことや、けがや病気の影響で生活に支障が出ていたことなどを詳しく記載)を記載します。

第三者証明における重要な注意点

障害年金を請求する5年以内、つまり最近5年以内に第三者が本人(請求者)や家族から初診日頃の受診状況を聞いていた場合は、第三者証明として認められません。初診日の頃に申立者が医療機関に受診していたことを知っていた内容であり、かつ、受診に至った経緯や医師からの療養の指示など、かなり具体的な記載が必要です。

社会的治癒と初診日の変更

「社会的治癒」とは、社会保険独自の考え方で、医学的には治癒していない場合でも、本人の救済のために考え出された社会保険法上の特有の概念です。

社会的治癒とは何か

具体的には、症状が安定して治療投薬を行う必要がなく、就労等の社会復帰や通常の生活が可能と認められる状態が一定期間続いた場合、社会的に治癒したとみなされることがあります。

社会的治癒は、上記の状態(症状安定、治療不要、社会生活可能)がおおむね5年以上続いていることで認められます。病気によっては5年未満でも可能とされるケースもありますが、精神疾患の場合は病態に波があることから、短い期間での例はあまりありません。

社会的治癒が認められた場合の初診日

社会的治癒が認められる場合、過去の傷病が治癒し、同一の傷病で再度発症(再発)した場合は、再発し医師等の診療を受けた日が新たな初診日となります。つまり、社会的治癒が認められれば、再発後初めて受診した日が初診日に変わります。一方で、社会的治癒が認められなければ、再発した傷病は過去の傷病と同じものと見なされます。

社会的治癒を主張するメリット

以前の病気の時点では国民年金加入だったために障害基礎年金受給の対象となっていた場合でも、再発後に厚生年金加入に変化していた場合は、社会的治癒を証明することで、再発後を初診日とすることができ、障害厚生年金を受給できる可能性が開けます。

また、以前の病気の初診時に国民年金保険料を納めていなかったり、支払いが不十分だった場合でも、社会的治癒が認められれば、以前の病気と再発後の病気は別のものと捉えられるので、再発後の初診日が適用されます。

精神疾患での社会的治癒の難しさ

社会的治癒は証明することが非常に難しく、特に精神疾患の場合は主張しても殆ど認められません。精神疾患で10年以上病院にかかっていなくても、社会的治癒が認められなかったケースがあります。

精神疾患の場合、薬の服用について、予防的なカウンセリングや睡眠薬などは許されますが、抗精神病薬などを受診していない期間にも服用していると認められないとされています。

しかし、認定事例もあります。カルテ開示をしたところ、前回の通院から今回の通院まで受診歴がないことと、この間就職していたことが記載されており、再審査請求で社会的治癒が認められ、就職後初めて診療を受けた日が初診日と認められ、障害等級2級の障害厚生年金の支給が認められた事例があります。

精神疾患の障害年金認定基準

障害年金の認定対象となる精神疾患には、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害、気分(感情)障害(うつ病などの精神疾患全般)、症状性を含む器質性精神障害(高次機能障害、アルコール他の依存症も含む)、てんかん、知的障害、発達障害があります。ただし、神経症圏の病気は原則として認定対象外となります。

障害年金の等級

障害年金の等級は1級、2級、3級があります。3級は、初診日に加入していた年金制度が厚生年金保険(共済年金)の方が対象です。初診日に国民年金に加入していた方や初診日が20歳前の未加入の方は、1級または2級に該当しないと障害年金が支給されません。

精神の障害に係る等級判定ガイドライン

平成28年9月から「精神障害に係る等級判定ガイドライン」に基づき認定審査が行われることになりました(てんかんを除く)。精神疾患の場合は身体的な疾患と比べ数値で障害状態を判断することが難しいため、認定基準とは別に「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」でより具体的な基準が示されています。

基準の各項目は「精神の障害用」診断書の裏面にある「日常生活能力の判定」及び「日常生活能力の程度」に応じて等級の目安が定められています。

日常生活能力の判定7項目

診断書では7項目について4段階で評価されます。適切な食事は自発的に食事ができるかどうかを評価し、身辺の清潔保持は入浴や洗面、着替えなどが自分でできるかを評価します。金銭管理と買い物は計画的な金銭管理ができるかを評価し、通院と服薬は自発的に規則正しくできるかを評価します。他人との意思伝達及び対人関係は他者との交流ができるかを評価し、身辺の安全保持及び危機対応は危険を認識し対応できるかを評価します。社会性は公共機関の利用や社会的ルールの遵守ができるかを評価します。

日常生活能力の程度は(1)から(5)の5段階で総合評価されます。これらの評価と日常生活能力の判定を組み合わせて、等級の目安が決まります。

うつ病と統合失調症の認定における留意点

うつ病は本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すものです。したがって、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮することとされています。

統合失調症は、予後不良の場合もあり、障害の状態に該当すると認められるものが多いです。しかし、罹病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもあります。したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮することとされています。

障害年金申請の手順と必要書類

障害年金の申請は、要件の確認から書類作成、年金事務所への提出まで、いくつかの段階を踏んで進めます。

申請の手順

まず、初診日を確定します。初診日がいつだったかを確認し、その証明をどのように行うかを検討します。

次に、保険料納付要件を確認します。初診日の前日時点で、一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。この確認は年金事務所で行えます。なお、20歳前に初診日がある人や、先天性の知的障害など生まれつきの障害の場合は、保険料納付要件は問われません。

保険料納付要件を満たしていることが確認できたら、年金事務所や街角の年金相談センター、お住まいの市町村役場で、請求に必要な書類の様式を受け取ります。すべての書類が揃ったら、年金事務所に申請書を提出します。通常、申請後に審査が行われ、結果が通知されるまでには数か月かかることがあります。

必要書類一覧

年金請求書は、初診日に厚生年金・共済年金だった方は様式104号、初診日に国民年金だった方は様式107号を使用します。

診断書は医師が作成します。精神疾患の場合は「精神の障害用」と呼ばれる専用の様式で、病状や生活状況、就労状況などが細かく記載されます。

受診状況等証明書は、初診日を明らかにするために医師が作成する書類で、障害の原因となった傷病で初めてかかった医療機関に作成を依頼します。

病歴・就労状況等申立書は、症状の経過や生活の困難を具体的に記載する重要資料です。

その他、戸籍謄本や住民票等、年金手帳または基礎年金番号通知書などが必要です。

診断書作成時の重要ポイント

審査では診断書の内容が大きな判断材料となるため、できるだけ正確かつ詳細に記載してもらうことが重要です。症状を軽く伝えてしまうと実際の生活の困難さが反映されない可能性があるため、医師の診察時には日常で困っている点を具体的に伝えましょう。最も調子が悪い時の状態を基準に記載してもらうことが望ましいです。就労状況や援助の必要性も具体的に伝えることが大切です。

障害年金は書類だけで審査が行われます。症状や障害による困難も書類上でしか見られません。特に精神障害や知的障害は、数値で表せる症状が少なく、年金事務所で案内される書類だけでは情報が伝えきらないこともあります。

提出先

初診日が国民年金加入中の人(自営業者、無職の人、学生など)、または初診日が20歳前や60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)で日本国内に住んでいる間にある人は、住所地のある市区町村の国民年金課に提出します。

初診日が国民年金第3号被保険者期間中の人(厚生年金保険に加入している配偶者に扶養されていた人)は、年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。初診日が厚生年金保険や共済組合の加入期間中の人は、年金事務所に提出します。

20歳前傷病の特例

統合失調症の発症のピークは10代後半から20代といわれているため、20歳前に初診日があるケースも珍しくありません。20歳前に初診日がある場合は、「20歳前傷病による障害基礎年金」として、通常とは異なる取扱いがされます。

保険料納付要件が問われない

20歳前は原則として国民年金に加入していないため、保険料納付要件は問われません。これは大きなメリットです。

初診日証明の柔軟化

20歳前に初診日がある障害基礎年金の請求で、2番目以降に受診した医療機関の受診した事実を証明する資料に記載された受診日から、障害認定日が20歳以前であることを確認できる場合は、初診日の証明を追加で求めることなく、申し立てた初診日を認めることができるとされています。

また、第三者証明についても、2枚以上の第三者証明があれば参考資料の提出は求められないなど、比較的柔軟な対応が取られています。

閉院した医療機関への対応

医療機関が閉院している場合は、まずカルテの引継ぎ先を調べます。地域の医師会に問い合わせることで情報が得られる場合があります。閉院した医師の所在を確認できれば、証明書作成を依頼できる場合もあります。閉院によりカルテが完全に失われている場合は、前述した参考資料を収集して初診日の証明を行います。

病歴・就労状況等申立書の書き方

病歴・就労状況等申立書は、申請者自身が自分の病状や生活状況を直接伝えることができる唯一の手段です。診断書だけでは伝えきれない日常生活の実態や就労状況を、障害者本人の視点から詳しく説明することができます。この書類は年金事務所で受け取ることができ、日本年金機構のホームページからもダウンロードできます。

作成時の重要なポイント

病歴・就労状況等申立書を書く際には、診断書の内容と整合性を取る必要があります。手元に診断書を準備した状態で作成に取り掛かることをお勧めします。診断書を何回も読み、その内容を頭に入れ、診断書の内容と矛盾しないように注意を払います。その上で「診断書の内容を補強する」という記載方針をもって作成を行います。

また、障害認定基準には病状や障害の程度に応じた詳細な判定基準が盛り込まれています。障害年金の審査は障害認定基準の内容に基づいて行われるため、自身の障害の種類に紐づいた障害認定基準の内容を理解し、病歴・就労状況等申立書の記載内容へと反映させることが重要です。

記載のコツ

精神的つらさや経済的困窮は、障害年金の支給可否とは直接関係がありません。大切なのは「できるかできないか」という点です。客観的事実を淡々と書いていき、そのなかで病状や困りごとをアピールしていきます。

初診日については「○年△月頃」という記載は原則認められません。発病日とは異なりますので注意が必要です。病歴の区切り方については、3年から5年で区切りをつけて、その間の状況を記入します。その期間に受けた治療や症状の変化、医師の対応等も記入します。傷病が治っていないのに受診していない期間については、受診しなかった理由やふだんの生活の状況などの記入が必要です。

2つの傷病名が「発達障害、うつ病」や「発達障害、統合失調症」など精神疾患のときは、1枚の病歴・就労状況等申立書でよいとされています。申立書は必要な情報が素早く、かつ、しっかり伝わるように簡潔にまとめることが重要です。多く書けばいいというものではないので、1枚で収まるのであれば、1枚で大丈夫です。

専門家への相談

障害年金の申請手続きは、書類の種類が多く、内容も専門的で複雑です。特に精神疾患の場合、症状の伝え方や診断書の記載内容によって審査結果が変わることも少なくありません。

そのため、専門知識を持つ社会保険労務士(社労士)に相談することをお勧めします。障害年金を専門とする社労士も多く、初回相談無料としている事務所もあります。年金事務所や街角の年金相談センターでも相談を受け付けており、保険料納付要件の確認や、必要書類の説明を受けることができます。

精神疾患で障害年金を申請する際の初診日証明は、多くの方にとって大きなハードルとなります。しかし、受診状況等証明書が取得できない場合でも、紹介状(診療情報提供書)、第三者証明、健康保険の記録(レセプト)、お薬手帳、診察券など、様々な代替手段が用意されています。転院を繰り返している場合は、各医療機関に残っている記録を丁寧に確認し、紹介状や前医からの情報が転院先のカルテに記載されていないかを確認することが重要です。初診日の証明が困難な場合でも諦めずに、利用可能なすべての資料を収集し、必要に応じて専門家に相談しながら申請を進めることをお勧めします。障害年金は、精神疾患を抱える方の生活を支える重要な制度です。適切な準備と手続きにより、受給への道が開ける可能性があります。

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