障害年金を受給すると就職活動に不利?デメリットと影響を徹底解説

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障害年金を受給することで就職活動に不利になるのではないかと心配される方は少なくありませんが、障害年金の受給が就職活動において直接的に不利になることは原則ありません。障害年金は憲法に保障された生存権としての社会保障制度の一部であり、受給要件を満たした方に支給される法令で認められた制度です。仮に障害年金の受給を会社に知られたとしても、その受給が再就職に影響を及ぼすことは基本的にないといえます。

この記事では、障害年金と就職活動の関係性について詳しく解説し、障害年金を受給することのメリットとデメリット、働きながら受給する際のポイント、そして精神疾患をお持ちの方が知っておくべき審査の特徴まで、網羅的にお伝えします。障害年金の受給を検討している方や、就職活動への影響が気になっている方にとって、正しい知識を得るための参考となる内容です。

目次

障害年金とは何か

障害年金とは、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金制度です。老齢年金とは異なり、働き盛りの年代でも受給できる点が大きな特徴となっています。

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。病気やけがで初めて医師の診療を受けたとき(初診日)に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金が請求できます。

障害年金を受給するためには、主に3つの条件を満たす必要があります。1つ目は初診日に年金制度に加入していること、2つ目は保険料納付要件を満たしていること、3つ目は障害認定日において一定の障害状態にあることです。なお、20歳前に初診日がある方や、先天性の知的障害など生まれつきの障害がある場合は、保険料納付要件は問われません。

2025年度の障害年金受給額について

令和7年度(2025年度)の年金額は、前年度に比べて1.9%引き上げられました。障害基礎年金の年額は、1級が1,039,625円(月額約86,635円)、2級が831,700円(月額約69,308円)となっています。障害基礎年金1級の年金額は2級の1.25倍です。なお、昭和31年4月1日以前に生まれた方の年額は、1級が1,036,625円、2級が829,300円となっています。

18歳になった後の最初の3月31日までの子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子がいる場合は、子の加算額が適用されます。1人目と2人目は各239,300円、3人目以降は各79,800円が加算される仕組みです。

障害厚生年金については、その人の平均標準報酬額や厚生年金保険に加入していた期間によって年金額が変わります。1級は報酬比例の年金額の1.25倍に障害基礎年金と配偶者加給年金が加算され、2級は報酬比例の年金額に障害基礎年金と配偶者加給年金が加算されます。3級は報酬比例の年金額のみで、最低保障額が設けられています。65歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者加給年金額として239,300円(令和7年度)が加算されます。

障害年金の支給日は年6回で、偶数月に2ヶ月分まとめて15日に振り込まれる仕組みとなっています。

障害年金が就職活動に与える影響

就職活動への直接的な影響はない

障害年金を受給していることが就職活動において不利になることは原則ありません。その理由として、まず障害年金の受給は自己申告制であり、会社に報告する義務がないことが挙げられます。日本年金機構から従業員の障害年金受給状況に関する情報が会社に渡ることはありませんし、会社がマイナンバーを使って行政機関から個人の年金受給情報を取得することもできません。

さらに重要な点として、障害年金は全額非課税であり、社会保険料にも影響しないことがあります。そのため、会社が通常業務として行っている年末調整や社会保険手続きの際に、障害年金を受給している事実を知られる可能性はありません。つまり、本人が申告しない限り、会社が障害年金の受給を知ることは実質的にないのです。

就職活動における心理的なメリット

障害年金を受給していることで、就職活動において心理的なメリットが生まれる場合があります。受給者からは「年金があれば、収入が安定するまでは短時間勤務でゆっくり環境に慣れる形を取るなど取れる選択肢が増え、金銭的に焦らずに就活できるので、心の余裕が全く違います」という声が聞かれています。

経済的な基盤があることで、無理に自分に合わない仕事に就く必要がなくなり、自分のペースで就職活動を進めることができます。また、最初からフルタイムではなくパートタイムから始めるという選択肢も取りやすくなるため、段階的に働く時間を増やしていくことも可能です。

障害者雇用と一般雇用の違い

就職活動を行う際には、障害者雇用枠と一般雇用枠のどちらを選ぶかという選択があります。障害者雇用は、障害がある方のできることやできないこと、どのような作業が難しいかなど、本人の状況をもとにきめ細かく企業側と打ち合わせを重ねることで、障害者本人が安心できる働き方を実現することを可能としています。

障害者雇用枠のメリットとして、障害特性に合わせた合理的配慮が受けやすいこと、勤務時間や業務内容の調整が柔軟に行われることが多いこと、障害への理解がある環境で働けることが挙げられます。一方で、一般雇用枠に比べると職種や業務内容が限定される場合もある点には注意が必要です。

障害年金への影響という観点では、障害者雇用で働く場合、一般雇用よりも障害年金への影響が少ない傾向があります。これは、障害者雇用が「障害に配慮された環境」での就労であり、それ自体が「障害がある」ことの裏付けとなるためです。

働きながら障害年金を受給できるのか

就労していても受給は可能

障害年金の受給条件には「働いていないこと」や「仕事をしていないこと」は含まれていません。つまり、就労していても3つの受給条件(初診日の年金加入、保険料納付要件、障害認定日における障害状態)を満たせば、障害年金の対象となります。就職していることや所得があることを理由に年金が支給されなくなるという規定は存在しません。

令和5年(2023年)6月の社会保障審議会年金部会の資料によると、2019年では障害年金を受給されている方の中で、身体障害48.0%、知的障害58.6%、精神障害34.8%の方が就労しながら障害年金を受給しています。これは、2〜3人に1人が障害年金を受給しながら就労していることを意味しています。

就労が審査に影響するケース

ただし、障害の種類によっては就労状況が審査に影響する場合があります。視力や聴力など数値で障害の程度が明らかにわかるものや、ペースメーカーや人工関節など障害状態が判断しやすいものについては、客観的な検査数値で審査されるため、働いていることは審査に影響しません。

一方、精神疾患や内部障害は、障害の程度を数値で表すことが難しい場合が多く、日常生活能力や就労状況で年金の等級が判断されます。「働けるのならば、障害の状態が良い」と判断されやすい傾向があるのは事実です。

しかし、認定基準では「現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること」とされています。つまり、単に働いているという事実だけで不利に判断されるわけではないのです。

所得制限について知っておくべきこと

障害年金には原則として所得制限はありません。年金の受給を受けながら働いて収入を得ても問題なく、その報酬が高額であってもそれを理由に受給制限を受けることはありません。

ただし、20歳前に初診日がある「20歳前障害基礎年金」については、福祉的・恩恵的な位置づけとなっているため、収入が多いときは年金受給額が制限されることがあります。具体的には、扶養している家族がいない場合、前年の所得額が3,704,000円を超える場合は年金額の半額が支給停止、4,721,000円を超えると全額支給停止となります。20歳以後の傷病による障害基礎年金と障害厚生年金には所得制限がありません。

働きながら受給するためのポイント

働いている場合は、どのような労働環境で、どのような仕事をしているかがポイントになります。会社から特別な配慮を受けていることで何とか働けているという方は、働きながら障害年金を受給できる可能性があります。

通常の勤務時間より短い時間しか働けない場合や、特別に柔軟な勤務形態を認められている場合などは「特別な配慮」と認められる可能性があります。働きながら障害年金を受けるには、日本年金機構に仕事や日常生活の状況を的確にしっかりと伝えることがとても大切です。診断書の内容で障害年金の受給や障害等級が決まると言っても過言ではないため、主治医とコミュニケーションをとり、日頃から自分の仕事や生活の状況を知ってもらうことが重要です。

障害年金を受給するメリット

非課税所得であること

障害年金は非課税所得に分類されるため、税金を支払う必要がありません。これは大きなメリットです。一方、老齢年金は課税所得のため、年金で得た収入に応じて税金を納める必要があります。障害年金は全額が手元に残るため、経済的な恩恵は実質的に大きくなります。

使い道が自由であること

障害年金の大きな特徴として、使い道が限定されていないことが挙げられます。治療費だけでなく、生活費や貯蓄に回すことも可能です。自分の判断で必要な用途に使うことができるため、生活設計の自由度が高まります。

経済的な安定と治療への専念

障害年金を受給することで、家計を安定させ、治療に専念することが可能になります。経済面の不安やストレスを軽減し、病状の回復に専念できる環境を整えることができます。就職活動においても、この経済的な安定感が心理的な余裕につながり、焦らずに自分に合った職場を探すことができます。

国民年金保険料の法定免除

障害年金の1級または2級を受給すると、国民年金の支払いは免除となります。これを法定免除といいます。保険料の負担がなくなることは、月々の支出を抑えられるという意味で経済的なメリットとなります。

職場に知られないこと

障害年金を受給していることが職場等に知られることはありません。日本年金機構から従業員の障害年金受給状況に関する情報が会社に渡ることはなく、プライバシーが守られます。就職活動の際にも、障害年金の受給状況を申告する義務はないため、安心して活動を進めることができます。

就労していても受給可能

働いていても受け取れることがある点は大きなメリットです。障害年金と給与の両方を得ることで、経済的な安定を図ることができます。収入の複数の柱を持つことで、万が一の際のリスク分散にもなります。

20歳以降初診の場合は所得制限がない

20歳以降が初診日の障害年金には所得制限はありません。高収入を得ていても、障害の状態が認められれば受給できます。収入が増えても年金が減らされる心配がないため、キャリアアップを目指す方にとっても安心です。

障害年金を受給するデメリット

老齢基礎年金が減る可能性

障害年金2級以上を受給すると、国民年金の保険料が「法定免除」されます。免除された期間は、老齢基礎年金の受給額に満額では反映されず、実際には半分しか加算されません。

ただし、法定免除は届出をしてはじめて適用される制度です。法定免除を受けずに国民年金保険料を納付して「老後」に備えるかは、受給者自身で選択できます。将来の老齢年金を優先する場合は、保険料を支払い続けることも可能です。この点は、自分のライフプランに合わせて判断することが大切です。

寡婦年金・死亡一時金が受け取れなくなる

障害基礎年金受給者本人の死亡後に妻や家族へ支給される寡婦年金と死亡一時金が受け取れなくなることがデメリットです。家族への影響を考慮し、家族とも相談したうえで判断することをおすすめします。

社会保険の扶養から外れる可能性

障害年金の受給権者が配偶者の社会保険上の扶養に入っている場合、障害年金とその他の所得額が年間合計180万円を超えると、扶養範囲から外れることになります。扶養から外れると、自分で健康保険に加入する必要が生じ、保険料負担が増える可能性があります。家計全体での収支バランスを考慮する必要があります。

生活保護との調整

生活保護と同時に障害年金を受給すると、生活保護費が減額されたり受給のスケジュールが変わります。基本的に障害年金を受給した金額分だけ生活保護が減額されるため、総額としては変わらないことが多いですが、手続きや管理が複雑になる場合があります。

傷病手当金との調整

同じ病気や怪我で傷病手当金と障害厚生年金を同時に受け取る場合、重複している期間の障害厚生年金は全額受け取ることができますが、傷病手当金は調整されます。二重に受け取ることはできないため、どちらかが減額されることになります。

20歳前初診の場合は所得制限がある

20歳前に初診日がある障害基礎年金については、受給権者本人が年金保険料を納付していないことから、受給権者本人に一定の所得制限があります。高収入を得た場合は年金が減額または停止される可能性があるため、収入状況によっては注意が必要です。

デメリットよりメリットが大きい

結論として、障害年金を受給するメリットを上回るほどのデメリットは存在しません。障害年金を受けることでデメリットとなることはほとんどないと言えます。障害年金の受給権は、憲法に保障された生存権としての社会保障制度の一部であり、該当する方は積極的に活用を検討すべきです。

精神疾患と障害年金の関係

精神疾患における審査の特徴

うつ病などの精神疾患は見た目だけで重症度合いの判断ができないことから、客観的な判断基準として「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が策定されています。精神障害や内部障害は、障害の程度を数値で表すことが難しい場合が多く、診断書の内容に基づいて、日常生活にどれくらいの制限があるか審査されます。審査では「働けているならば、障害の程度は軽い」と判断されやすくなる傾向があるのは事実です。

精神疾患で就労しながら受給するには

うつ病などの精神疾患の方がフルタイムでの就労が可能であれば、障害年金の受給は非常に困難です。ただし、短時間の勤務であったり、障害者雇用であったり、軽作業のみを任せてもらっているなど、障害の状態を会社側がある程度配慮している場合であれば、働きながらでも受給できる可能性があります。

認定基準では「現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること」とされています。

日常生活能力の程度による評価

審査では日常生活能力の程度として、5段階のいずれに該当するかが評価されます。「社会生活は普通にできる」から「身のまわりのこともほとんどできないため常時の援助が必要」までの段階があり、これらの基準に基づいて障害等級が判定されます。

「家庭内での日常生活は普通にできるが社会生活には援助が必要」「家庭内の単純な日常生活はできるが時に応じて援助が必要」「日常生活における身のまわりのことも多くの援助が必要」といった中間的な状態も評価されます。

申請時に重要なポイント

うつ病で障害年金を申請する際は、周囲のサポートや職場の配慮があって働くことができていることを申請書類に具体的に記載することが重要です。病歴・就労状況等申立書は、発病から初診、現在に至るまでの病歴が長くなるケースの多いうつ病の障害年金の審査では、医師に書いてもらう診断書と同等に重要な書類となります。

障害年金の申請手続きの流れ

申請に必要な条件

障害年金を受給するためには、初診日の前日時点で「年金加入期間の3分の2以上が未納でない」または「直近1年間に未納がない」など一定の条件があります。この「保険料納付要件」を満たしていることが確認できたら、年金事務所や街角の年金相談センター、お住まいの市町村役場で、請求に必要な書類の様式を受け取ります。

障害年金は、もらえる条件がそろっていても自動的に振り込まれるものではありません。もらうための手続きを自分でする必要があります。年金は5年分まではさかのぼってもらうことができますが、5年を過ぎた分は請求できなくなるので、早めの手続きが重要です。

主な必要書類について

年金請求書については、初診日が国民年金の加入中にある場合は国民年金障害基礎年金用(様式107号)、初診日が厚生年金の加入中にある場合は国民年金・厚生年金保険障害基礎年金用(様式104号)を使用します。

診断書については、障害の状態を審査するために提出するもので、部位別に8種類あります。診断書には病名、傷病の状態や治療の経過、病気やケガによって就労や日常生活にどの程度の支障があるかが記載されています。

受診状況等証明書は、障害年金を請求するのに非常に大切な初診日を証明する書類です。初診の医療機関の医師にカルテや当時の記録などを見て書いてもらい、それを初診日証明として提出します。作成費用は3,000〜5,000円程度で、作成までに1〜2週間、場合によっては1ヶ月かかります。

病歴・就労状況等申立書は、発病したときから初めて医師の診療を受けることになった経緯、その後の受診状況や治療の経過などを年月順に記入する書類です。仕事や日常生活で困っていることやヘルパー等の利用状況、障害者手帳を持っている場合はその情報なども記入します。

その他の書類として、請求者の振込金融機関及び口座番号を確認できる書類、基礎年金番号を確認できる書類、戸籍謄本、世帯全員の住民票、配偶者及び子の所得証明等が必要です。日本年金機構にマイナンバーを登録している人は、戸籍謄本等が原則不要となります。

審査は書類のみで行われる

障害年金の審査は書類のみで行われます。要介護認定の審査のように調査員が訪ねてくるようなことはありません。そのため、診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書は障害年金の認定で非常に重要な位置づけとなっています。

初診日の証明が困難な場合の対応

カルテの保存期間は法律上5年のため、初診日が特定できない場合もあります。その場合には「受診状況等証明書が添付できない申立書」を本人が作成し、初診日を客観的に証明する参考資料を添付して申請します。

障害年金の更新手続き

更新手続きの流れ

更新手続きは、更新の書類を受け取り、病院で受診して診断書の作成を依頼し、完成した診断書を受け取って問題がなければ提出するという流れで進みます。障害年金の更新時期の3ヶ月前の月末頃に「更新診断書」の用紙が日本年金機構から直接本人へ郵送されます。

提出期限に関する注意点

誕生月の月末が提出期日となります。期日に遅れてしまうと障害年金が一時差し止めになる可能性があるため、注意が必要です。提出後、約3ヶ月で審査の結果が届きます。期限までに提出が遅れたり、提出されていないときは、年金の支払いが一時止まります。更新期限後3ヶ月以内に診断書を提出し、認定決定後には差し止めになった年金はさかのぼって支払われます。

診断書作成時の重要ポイント

更新診断書の作成時には必ず医師へ現在の体の状態だけでなく、日常生活状況での不便に感じている事柄や大変な事柄等を伝えて診断書に記載してもらうことが大切です。診断書の記載に心配がある場合は、別紙として上記の事柄を記載した書類を添付して更新に臨むことをおすすめします。

診断書を受け取ったら必ず内容を確認しましょう。傷病名や日付の誤り、記入もれなどを入念にチェックします。前回の裁定請求時に診断書を作成してくれた医師と別の医師に依頼する場合は、特に注意が必要です。診断基準は医師によって異なるため、前回の診断書と内容が一変することがあります。

就労している場合の注意点

うつ病などの精神疾患の場合「働いている」と「障害の状態が良くなった」と判断されやすい傾向があります。働いていたとしても、障害者雇用枠で就労していたり、同僚や上司のサポートがなければ働けないなどの状態であれば、その情報を具体的に医師に伝えることが大切です。

審査結果に納得できない場合

審査結果に納得ができない場合には、不服申し立てを行うことができます。審査における決定を知った日の翌日から3ヶ月以内に文書または口頭で審査請求を行えます。審査請求の決定に不服がある場合には、決定書の謄本が送付された日の翌日から2ヶ月以内に再審査請求を行えます。

症状が悪化している場合の対策

前回診断書を提出したときより明らかに症状が重くなっている場合には、「障害給付額改定請求書」という書類を診断書に添付することがおすすめです。障害給付額改定請求書を提出しておくことで、もしも障害等級が上がらなかったときに不服申し立てを行えます。

2025年の年金制度改正について

2025年に厚生労働省から「障害年金制度」に関する改正法案が打ち出され、従来の制度が見直される運びとなりました。制度の改正検討が行われるのは、実に40年ぶりのことです。

2025年6月、年金制度改正法案が可決されました。今回の改正で障害年金への影響は限定的で、「その他の見直し」として直近1年要件の10年延長のみが法改正に盛り込まれました。この改正により、保険料納付要件の緩和措置が延長され、より多くの方が障害年金を受給しやすくなる可能性があります。

障害年金と他の制度との併用

障害者手帳との関係

障害年金と障害者手帳は別々の制度であり、それぞれ独立して申請・取得することができます。障害者手帳を持っていなくても障害年金を受給することは可能ですし、障害者手帳を持っていても障害年金が受給できないこともあります。障害者手帳の等級と障害年金の等級は、認定基準が異なるため一致しないことがよくあります。

ただし、障害者雇用枠で働くためには障害者手帳が必要となるため、就職活動を考えている場合は両方の制度について検討することをおすすめします。

自立支援医療との関係

自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療のために通院している方の医療費の自己負担を軽減する制度です。障害年金とは別の制度であり、両方を併用することができます。自立支援医療を利用することで、医療費の自己負担が原則1割に軽減されるため、治療を継続しながら就職活動を行う際の経済的負担を減らすことができます。

雇用保険(失業給付)との関係

障害年金を受給しながら雇用保険の失業給付を受けることは可能です。失業給付は、離職後に求職活動を行っている方への給付であり、障害年金とは調整されません。ただし、就労困難者として認定されると、失業給付の所定給付日数が延長される場合があります。

労災保険との関係

同一の傷病について労災保険から年金給付を受けている場合、障害年金(障害厚生年金・障害基礎年金)との間で調整が行われます。具体的には、労災保険の給付が減額され、障害年金は全額支給されます。両方を同時に受給することは可能ですが、総額は一定の調整を受けることになります。

よくある疑問への回答

障害年金の請求ができるのは、原則として請求時に20歳から64歳までであることが条件です。ただし、20歳未満や65歳以上でも請求できるいくつかの例外があります。障害の原因となる病気やケガで、はじめて病院を受診した日を「初診日」といいますが、65歳以上または老齢基礎年金繰り上げ後に初診日がある場合は、原則として障害年金の対象になりません。

保険料に未納の期間があっても、受けられる場合があります。初診日の前日において、初診日の属する月の前々月以前の保険料の滞納が3分の1未満であること(3分の2以上納付していること)、または初診日の属する月の前々月以前1年間の保険料に滞納がないこと、いずれかを満たしていれば保険料納付要件を満たすことになります。

遡及請求とは、障害年金を受ける権利があるのに障害年金の受給をしていなかった場合、さかのぼって障害年金を請求できる制度です。障害年金というものを知らなかったり、自分が障害年金の支給対象であることを知らないケースは非常に多いです。年金は5年分までさかのぼって請求できますが、5年を過ぎた分は請求できなくなるので、早めの手続きが重要です。

障害年金が出るかどうかは皆様の主治医ではなく、日本年金機構が委嘱している障害認定医が判断します。皆様の主治医は医学の専門家であって、障害年金の専門家ではありません。したがって、主治医が「障害年金は難しい」と言ったとしても、実際には受給できる可能性があります。逆に「大丈夫」と言われても審査で不支給になることもあります。専門家である社会保険労務士への相談も検討すると良いでしょう。

有期認定の障害年金の受給者は、1年から5年の間に更新手続きが必要です。更新の際には、医師に診断書を作成してもらい日本年金機構に提出します。永久認定の場合は更新手続きは不要ですが、有期認定の場合は定期的に障害の状態を確認されます。

精神疾患で「働いている」場合でも、フルタイムは難しいのでパートだったり、一般枠は厳しいので障害者枠だったり、職場から手厚いサポートがあったりなど、何かしら制限がある働き方をしていれば障害年金の受給を検討しても良いでしょう。働いたら障害年金は出ないという決まりはありません。ただし、就労状況が審査に影響することはあるため、どのような配慮を受けながら働いているかを具体的に伝えることが重要です。

障害年金の審査にかかる期間は、障害基礎年金で約3ヶ月、障害厚生年金で約3ヶ月半程度が目安とされています。ただし、書類に不備があったり、審査が混雑している時期は、さらに時間がかかる場合があります。

まとめ

障害年金と就職活動の関係について、重要なポイントを整理します。

障害年金を受給していることが就職活動において直接的に不利になることは原則ありません。会社に報告する義務はなく、年末調整や社会保険手続きで知られることもありません。むしろ、経済的な安定があることで、焦らずに自分に合った職場を探すことができるメリットがあります。

障害年金は働きながらでも受給できます。2〜3人に1人が障害年金を受給しながら就労しているのが現状です。ただし、精神疾患の場合は就労状況が審査に影響することがあるため、障害者雇用枠での就労や、職場での配慮について具体的に記載することが重要です。

障害年金には非課税、使い道が自由、経済的安定、法定免除など多くのメリットがあります。デメリットとしては老齢年金への影響や扶養からの除外などがありますが、総合的にはメリットがデメリットを上回ります。

障害年金は自動的に振り込まれるものではなく、自分で手続きを行う必要があります。診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書が重要な書類となります。

障害年金は、障害により生活や仕事に制限がある方のための正当な権利です。就職活動への影響を過度に心配することなく、該当する方は積極的に申請を検討されることをおすすめします。適切な制度を活用することで、自分らしい働き方と生活を実現することができます。

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