児童扶養手当の所得制限限度額と計算方法|2025年改正版で受給額はどう変わる?

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児童扶養手当は、ひとり親家庭の経済的安定を支える重要な制度です。しかし、多くの方が「自分は受給対象なのか」「いくらもらえるのか」という疑問を抱えています。特に所得制限や計算方法については、2024年から2025年にかけて大きな制度変更があり、従来の情報では正確な判断ができない状況となっています。

この記事では、2025年6月時点の最新情報に基づき、児童扶養手当の所得制限と計算方法について詳しく解説します。新しく受給対象となった方、支給額が変更になった方も多いため、現在の制度を正しく理解することで、適切な手続きと最大限の支援を受けることができるでしょう。複雑に見える計算方法も、ポイントを押さえれば理解できます。

目次

児童扶養手当の所得制限限度額は2025年にどう変わった?最新の基準額を知りたい

2024年11月分から2025年にかけて、児童扶養手当の制度は大幅に改正されました。最も重要な変更点は、受給者本人の所得制限限度額の緩和です。これまで手当を受けられなかった世帯も、新しい基準により支給対象となる可能性が出てきています。

2025年6月現在の所得制限限度額(所得ベース) は以下の通りです。受給者本人については、扶養親族の数0人の場合、全部支給が69万円未満、一部支給が208万円未満となっています。扶養親族が1人増えるごとに、全部支給・一部支給ともに38万円ずつ加算されます。

給与収入に換算した場合の目安額で見ると、扶養親族0人の場合、全部支給が年収142万円未満、一部支給が年収334.3万円未満です。この金額は、あくまで目安であり、実際の判定は所得額で行われることに注意が必要です。

一方、扶養義務者(同居している父母、祖父母、子、兄弟姉妹など)の所得制限限度額に変更はありません。扶養親族0人の場合は236万円未満(給与収入目安372.5万円未満)となっています。

さらに、2025年4月分からは物価変動に伴い支給額も約2.7%増額されています。子ども1人の場合の全部支給は月額46,690円、子ども2人目以降の加算額は11,030円となり、家計への支援がより手厚くなりました。

特に注目すべきは、子ども3人目以降の加算額が子ども2人目と同額に引き上げられたことです。これまで3人目以降は2人目より低い加算額でしたが、同額の11,030円(全部支給の場合)となり、多子世帯への支援が大幅に強化されています。

児童扶養手当の所得計算方法で注意すべきポイントは?養育費や控除の扱い方

児童扶養手当の所得計算は、一般的な所得税の計算方法とは大きく異なります。最も重要なポイントは、養育費の8割相当額が所得に加算されることです。

所得額の計算式は以下のようになります:
所得額 = 年間収入金額 - 必要経費 + 前年に受け取った養育費の8割相当額 - 8万円 - 諸控除

養育費の取り扱いについては、特に注意が必要です。前年1月から12月までに受け取った養育費の8割が所得に加算されます。この養育費は、受け取ったのが母親または子どもであっても、申請者(母親)の所得に含まれます。手渡し、郵送、銀行振込など、受け取り方法に関係なく、子どもの養育に関する経費として支払われた金銭や有価証券がすべて対象となります。

8万円の一律控除は、社会保険料相当額として全員に適用されます。この控除は申請者全員に適用される特殊な控除です。

諸控除で注意すべき点は、一般的な所得控除とは適用される控除が限定されていることです。適用される主な控除は、障害者控除(27万円)、特別障害者控除(40万円)、小規模企業共済等掛金控除、医療費控除、雑損控除などです。

重要なのは、寡婦控除(27万円)とひとり親控除(35万円)は、申請者が母または父の場合は適用されないことです。これらの控除は養育者や扶養義務者にのみ適用されます。

また、給与所得または公的年金等に係る所得を有する方は、その合計額から10万円(10万円未満の場合はその額)が控除されます。

所得額の算出では、会社員の場合は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を、自営業者の場合は確定申告書の「所得金額等の合計」を基準とします。この基準額に養育費の8割を加算し、8万円と適用される諸控除を差し引いて最終的な所得額を算出します。

一部支給になる場合の児童扶養手当額はどうやって計算するの?具体例で解説

所得額が全部支給の制限限度額を超えているものの、一部支給の制限限度額未満の場合は、所得に応じて段階的に手当額が減額されます。2025年4月分以降の計算式を使って具体的に解説します。

第1子の手当額計算式
46,680円 - ((受給者の所得額 - 全部支給の所得制限限度額) × 0.0256619)

第2子以降の加算額計算式
11,020円 - ((受給者の所得額 - 全部支給の所得制限限度額) × 0.0039568)

具体例で計算してみましょう。扶養親族1人(子ども1人)で、所得額が120万円の場合:

全部支給の所得制限限度額は107万円なので、超過額は13万円(120万円-107万円)です。

第1子の手当額:46,680円 - (13万円 × 0.0256619)≒ 43,340円
(計算結果は10円未満四捨五入)

この場合、月額43,340円の手当が支給されます。

別の例として、扶養親族2人(子ども2人)で、所得額が180万円の場合:

全部支給の所得制限限度額は145万円なので、超過額は35万円です。

第1子の手当額:46,680円 - (35万円 × 0.0256619)≒ 37,700円
第2子の加算額:11,020円 - (35万円 × 0.0039568)≒ 9,640円

合計月額:47,340円(37,700円 + 9,640円)

この計算式により、所得が多いほど支給額が少なくなる仕組みになっています。所得額が一部支給の制限限度額に近づくほど、手当額は最低支給額(第1子11,010円、第2子以降5,520円)に近づきます。

重要なポイントは、10円刻みで手当額が変動することです。そのため、わずかな所得の違いでも手当額に影響する場合があります。また、養育費を受け取っている場合は、その8割が所得に加算されるため、実際の手取り収入より所得額が高くなり、手当額に大きく影響することも理解しておく必要があります。

扶養義務者がいる場合の所得制限はどうなる?同居家族の影響について

児童扶養手当の支給判定では、申請者本人の所得だけでなく、同居している扶養義務者の所得も審査対象となります。扶養義務者とは、申請者と同居している父母、祖父母、子、兄弟姉妹などの直系血族及び兄弟姉妹のことです。

扶養義務者の所得制限限度額は、申請者本人より厳しく設定されています。扶養親族0人の場合は236万円未満(給与収入目安372.5万円未満)となっており、扶養親族が1人増えるごとに38万円ずつ加算されます。

重要なのは、扶養義務者の所得が制限限度額を超えると、申請者本人の所得がいくら低くても手当は全額支給停止になることです。つまり、申請者が無収入であっても、同居している父親の年収が400万円であれば、手当は支給されません。

同居の判定は住民票上の住所で行われますが、実際の生活実態も考慮されます。別世帯であっても同一住所に住んでいる場合は、基本的に同居とみなされます。ただし、同居していても生計が別である場合や、扶養義務者に該当しない関係(例:配偶者の兄弟、友人など)の場合は、所得制限の対象外となります。

特に注意すべきケースをいくつか挙げると、まず、実家に戻って祖父母と同居する場合です。祖父母の年金収入が多い場合、手当が受けられない可能性があります。また、成人した子どもがいる場合、その子どもが一定の収入を得ていると扶養義務者として所得制限の対象となります。

対策として考えられる方法には、住居を分ける(別住所にする)ことがありますが、これには実際の生活実態が伴う必要があります。また、扶養義務者の所得を下げる方法(扶養親族を増やす、各種控除を活用するなど)も検討できますが、税務上の適正性を保つ必要があります。

なお、配偶者(内縁関係・事実婚を含む)がいる場合は、そもそも児童扶養手当の支給要件を満たさないため、扶養義務者の所得制限以前の問題となります。

同居家族の所得状況は、手当の受給に大きく影響するため、申請前に家族全体の所得状況を正確に把握し、必要に応じて自治体の窓口で相談することが重要です。

公的年金を受給していても児童扶養手当はもらえる?併給調整の仕組みとは

2014年12月の法改正により、公的年金等を受給していても、その額が児童扶養手当より低い場合は差額分を受給できるようになりました。これは、ひとり親家庭の支援を拡充する重要な改正でした。

併給調整の対象となる公的年金等には、国民年金や厚生年金の老齢年金、遺族年金、障害年金、労災年金、労働基準法による遺族補償などが含まれます。

基本的な併給調整の仕組みは以下の通りです:
児童扶養手当額 > 公的年金額の場合:差額分の児童扶養手当を支給
児童扶養手当額 ≦ 公的年金額の場合:児童扶養手当は支給されない

具体例で説明すると、遺族年金を月額3万円受給している場合で、児童扶養手当の算定額が4万円であれば、差額の1万円が児童扶養手当として支給されます。

2021年3月からの障害基礎年金特例も重要なポイントです。障害基礎年金を受給している方の場合、児童扶養手当額が障害年金の子の加算部分を上回る場合に、その差額を受給できるようになりました。これまで障害年金の子の加算があると児童扶養手当は受けられませんでしたが、より有利な方を選択できるようになっています。

注意すべき点として、公的年金等を受給している場合でも、申請者本人や扶養義務者の所得が制限限度額を超えていれば手当は支給されません。また、年金額に変更があった場合は速やかに届出が必要で、怠ると手当の返還を求められる場合があります。

非課税公的年金の取り扱いについては、2021年3月分から、障害年金や遺族年金などの非課税公的年金給付も所得に換算して計算されるようになりました。これにより、所得制限の判定において、これらの年金額も考慮されることになります。

手続きの流れとしては、年金を受給している旨を申請時に申告し、年金額の分かる書類を提出します。その後、自治体が児童扶養手当額と年金額を比較し、差額がある場合は差額分が支給されます。

公的年金との併給調整は複雑な制度ですが、適切に手続きを行うことで、より多くの支援を受けることが可能になります。年金受給中でも諦めずに、まずは自治体の窓口で相談することをお勧めします。

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