介護保険の2割負担拡大案に対するパブリックコメントは、2025年12月中旬から2026年1月中旬にかけて「e-Gov(イーガブ)」で募集される見込みです。効果的な意見を作成するには、自分の立場を明示し、具体的な弊害を論理的に指摘し、現実的な代替案を提示することが重要です。本記事では、2027年度からの介護保険制度改正に向けて提示された2割負担対象拡大案の詳細と、パブリックコメントの書き方、そして立場別のすぐに使える例文を解説します。
2025年12月現在、厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会において、介護サービス利用時の自己負担割合「2割負担」の対象者を大幅に拡大する案が具体的に提示され、議論が大詰めを迎えています。政府は「骨太の方針2025」で「2025年末までに結論を得る」と明記しており、この年末に国民生活に直結する重大な決定がなされようとしています。パブリックコメントを通じて意見を届けることは、私たちに残された具体的かつ有効な対抗手段の一つです。

介護保険2割負担拡大案とは何か
2027年度改正に向けた議論の背景
介護保険の2割負担拡大案とは、介護サービスを利用する際の自己負担割合が2割となる対象者を、現行よりも大幅に広げる改革案のことです。この議論は、2027年度から始まる第10期介護保険事業計画に向けたものであり、2026年の通常国会に関連法案を提出し、2027年4月の施行を目指すスケジュールで進められています。
背景にあるのは、日本の人口動態の激変です。2025年は「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者となる年であり、医療や介護の需要がピークに達し、給付費が急増する局面に入りました。さらにその先には、高齢者人口が最大化し、一方で現役世代(生産年齢人口)が急激に減少する「2040年問題」が控えています。
介護保険制度が発足した2000年当時、65歳以上の第1号被保険者の保険料は全国平均で月額2,911円でした。しかし、2024年度には6,225円となり、約20年間で2倍以上に膨れ上がっています。現役世代が負担する第2号保険料も上昇の一途をたどっており、財務省や厚生労働省は「現役世代の負担能力は限界に近い」との認識を共有しています。この「現役世代の負担軽減」という大義名分のもと、高齢者自身の負担を増やす改革が進められようとしているのです。
財務省が求める「医療保険との整合性」
今回の改革案の背後には、財務省の強力な意向が存在します。財務省の諮問機関である「財政制度等審議会」は、社会保障関係費の伸びを「高齢化による自然増の範囲内」に抑えることを目標としており、そのための具体的手段として、介護保険における利用者負担の引き上げを繰り返し提言してきました。
財務省の主張の根幹は、「医療保険との整合性」と「資産の考慮」です。現在、後期高齢者医療制度では、単身世帯で年収200万円以上の場合、窓口負担は2割となっています。一方、介護保険の2割負担基準は年収280万円以上となっており、ここに「不均衡」があるという指摘がなされています。また、高齢者層は現役世代に比べて金融資産を保有している傾向があるため、所得だけでなく資産も勘案した負担能力の評価を行うべきだという「応能負担」の強化も求められています。
厚生労働省が提示した4つの選択肢
年収基準の引き下げ案
2025年12月1日の介護保険部会で厚生労働省から示された改革案は、極めて具体的かつシビアな数値を含むものでした。現行制度では、2割負担の対象者は「合計所得金額が160万円以上」かつ「年金収入+その他の合計所得金額が単身で280万円以上(2人世帯で346万円以上)」の人々であり、これは高齢者全体の上位約20%に相当します。今回提示された案は、この対象を上位30%程度まで拡大しようとするものです。
選択肢1は、年収260万円以上(夫婦世帯326万円以上)を基準とする案で、現行の280万円から20万円引き下げるものです。影響を受ける人数は約13万人と推計されており、影響範囲は比較的限定的です。
選択肢2は、年収250万円以上(夫婦世帯316万円以上)を基準とする案で、基準を30万円引き下げ、新たに約21万人が対象となります。
選択肢3は、年収240万円以上(夫婦世帯306万円以上)を基準とする案で、基準を40万円引き下げ、新たに約28万人が対象となります。
選択肢4は、年収230万円以上(夫婦世帯296万円以上)を基準とする案で、これが今回提示された中で最も踏み込んだ「本命案」と見られています。基準を一気に50万円引き下げ、新たに約35万人を2割負担の対象とします。年収230万円は月額換算で約19万円であり、ここから税金、社会保険料、食費、光熱費、住居費、医療費を支払った残りで、介護サービス費用の「2割」を捻出することになります。この層は決して富裕層ではなく、ギリギリの生活を送る中間層から準低所得層にあたります。
激変緩和のための「配慮措置」
負担割合が1割から2割になることは、単純計算で支払額が「倍増」することを意味します。月額1万5千円の利用料が翌月から3万円になれば、家計に大きな影響を及ぼします。この急激な変化に対応するため、厚労省は2つの「配慮措置」をセットで提案しています。
措置1の負担増額の上限設定は、新たに2割負担となる人に対し、「当分の間」に限り、負担増額に上限を設ける案です。具体的には、元の1割負担額からの増加分を「最大7,000円」に抑えます。例えば、これまで1割負担で月1万円払っていた人が2割負担になると本来2万円になりますが、この措置が適用されれば、増額は7,000円に抑えられ、支払額は1万7,000円となります。ただし、これが「当分の間」の時限措置である点に注意が必要です。過去の医療保険改革の例を見れば、数年後には廃止され、本来の2割負担がのしかかる可能性があります。
措置2の金融資産による判定導入は、今回の改革案の中で最も論争を呼んでいる部分です。所得基準を超えていても、預貯金額が一定以下であれば、申請により1割負担に据え置くという仕組みです。基準としては、単身で「預貯金500万円以下」等のラインが検討されています。これは「介護保険の基本負担割合の決定に、本格的に資産調査を持ち込む」という歴史的な転換を意味しています。
財政効果は限定的
これほど大きな痛みを伴う改革ですが、その財政効果は限定的です。厚労省の試算によれば、最も対象範囲が広い「年収230万円案」を採用し、かつ配慮措置を講じた場合の給付費削減効果は、年間で約40億円から110億円程度にとどまります。年間14兆円規模に達しようとする介護保険総費用から見れば、これは0.1%にも満たない金額です。政府がこの改革に固執するのは、金額の多寡以上に、「高齢者にも応分の負担を求める」という原則を確立し、将来的なさらなる負担増への布石とする狙いがあると考えられます。
当事者団体や専門家からの懸念
「認知症の人と家族の会」の反対署名
政府の案に対し、当事者団体、職能団体などから、強い反対の声が上がっています。2025年12月12日、公益社団法人「認知症の人と家族の会」は、3万3,259筆の反対署名を厚生労働省に提出し、記者会見を行いました。そこで和田誠代表理事が発した「ラーメンが1杯1,000円から2,000円になるのと同じことだ」という比喩は、負担倍増の衝撃を端的に表しています。
同会によれば、女性の年金受給者の84%が月10万円以下の年金で暮らしており、不足分をわずかな貯蓄を取り崩して補っています。「政府は『負担能力がある』と言うが、年金生活者は老後の蓄えを命綱として生きている」「今の1割負担でも利用を控える人がいるのに、2割になれば利用をやめたり、施設を退所せざるを得ない人が出る」という訴えは、生活現場からの切実な声です。
ケアマネジャーが懸念する「利用控え」
ケアマネジャーの全国組織である日本介護支援専門員協会も、強い懸念を表明しています。彼らが最も恐れているのは、経済的理由による「利用控え」が引き起こす負の連鎖です。
ケアマネジャーは日々、利用者の家計状況と向き合っています。「あと数千円負担が増えるなら、デイサービスを週1回減らすしかない」「ヘルパーの時間を短くしてほしい」といった相談は、現在でも日常的に寄せられています。負担が2倍になれば、こうした利用控えが急増することは確実です。必要なサービスを削れば、利用者の心身機能は低下し、認知症は進行し、家族の介護負担は限界を超えます。結果として重度化が進み、特別養護老人ホームへの入所や医療機関への入院が必要となれば、トータルの社会保障費はかえって増大します。同協会は、「目先の給付費削減が、将来のより大きなコスト増を招く」という専門的見地から、拙速な対象拡大に反対しています。
資産要件導入への実務的批判
預貯金等の資産を負担割合の判定に用いることについても、実務面と人権面の両方から批判が出ています。「収入が基準以下でも、貯金があるなら負担増」というロジックが定着すれば、高齢者は安心して老後資金を貯めることさえ難しくなります。
また、行政実務の観点からも問題があります。資産調査を行うためには、高齢者一人ひとりの預貯金通帳の写しを確認したり、金融機関に照会をかけたりする必要があり、自治体職員の事務負担は膨大なものになります。マイナンバーとの紐付けも検討されていますが、すべての預貯金口座が紐付いているわけではなく、完全な把握は困難です。
家計への影響シミュレーション
単身世帯の場合
改正案が適用された場合の家計への影響を、具体的なモデルケースで見ていきます。ここでは最も影響が大きい「年収230万円以上」案が採用された場合を想定します。
年金収入240万円(月額20万円)の単身世帯を例にとると、現行制度では年収280万円未満のため負担割合は「1割」です。要介護3で限度額いっぱいのサービス(約27万円分)を利用している場合、自己負担額は月額2万7,000円となります。しかし改正後は、年収240万円が新基準の「230万円以上」に該当するため、負担割合は「2割」になります。自己負担額は単純計算で月額5万4,000円になりますが、高額介護サービス費(一般区分の上限44,400円)が適用されるため、支払額は4万4,400円となります。これは月額1万7,400円の負担増であり、年間では20万8,800円の増加となります。年金1ヶ月分以上が介護費用の増加で消えてしまう計算です。
夫婦世帯の場合
世帯年収300万円(夫210万円、妻90万円)の夫婦世帯を例にとると、現行では夫婦世帯の2割負担基準は「346万円以上」であるため「1割負担」です。しかし改正後、夫婦基準が「296万円以上」に引き下げられると、この世帯は新たに2割負担の対象となります。もし夫婦ともに要介護認定を受けており、二人合わせて月額4万円の自己負担を払っていたとすると、2割負担になればこれが月額8万円になります。高額介護サービス費(世帯上限44,400円)が適用されますが、それでも大幅な負担増は避けられません。
さらに深刻なのは、保険外の費用(食費、居住費、オムツ代など)です。これらは高額介護サービス費の対象外であり、物価高騰の影響をダイレクトに受けます。介護費用の負担増は、食費や光熱費を極限まで切り詰める生活を強いることになりかねません。
パブリックコメントの仕組みと効果
パブリックコメントとは
パブリックコメント(意見公募手続)とは、行政手続法に基づく正式なプロセスであり、私たちに残された数少ない、しかし強力な対抗手段です。寄せられた意見はすべて担当部署によって整理・分類され、それに対する行政の考え方を公表する義務があります。
提出された意見は公文書として記録に残ります。圧倒的多数の反対意見があれば、政府は「国民の理解を得た」と強弁できなくなります。また、過去にはパブリックコメントでの猛反発を受けて、導入時期が延期されたり、激変緩和措置が拡充されたりした例があります。今回の「7,000円キャップ」や「預貯金への配慮」も、事前の反発を想定して組み込まれた妥協案と言えます。声を上げることで、さらに妥協を引き出せる可能性があるのです。
多くの意見が集まることは、与党内の慎重派や野党にとっての強力な武器ともなります。特に選挙を意識する政治家にとって、高齢者層や現役世代からの具体的な声は無視できないものとなります。
募集期間と提出方法
2025年12月現在、介護保険部会での議論は大詰めを迎えており、正式なパブリックコメントは2025年12月中旬から2026年1月中旬にかけて実施される見込みです。意見の提出先は、デジタル庁が運営する「e-Gov(イーガブ)」のパブリックコメント・コーナーです。案件名としては、「介護保険法施行規則の一部を改正する省令案」や「第10期介護保険事業計画の基本指針案」といった名称で公示される可能性が高いため、厚生労働省老健局の案件をこまめにチェックする必要があります。
効果的なパブリックコメントの書き方
3つの重要な要素
役所の担当者は膨大な量のコメントに目を通します。単なる感情的な反対や「反対」の一言だけでは、「その他意見」として埋もれてしまいます。効果的な意見にするためには、以下の3つの要素を意識することが重要です。
属性の明示とは、自分が「誰」として意見を言っているのかを明確にすることです。「要介護3の母を在宅で介護している家族として」「居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして」「将来に不安を感じる40代の会社員として」といった形で、属性が明確であればあるほど、意見にリアリティと重みが生まれます。
具体的弊害の指摘とは、「この改正が行われると、具体的にどのような不利益が生じるか」を論理的に説明することです。「利用料が払えなくなり、デイサービスを週1回減らさざるを得ない」「その結果、親の認知症が進行し、家族が離職に追い込まれる」「資産調査の手間が増え、ケアマネジャーが本来の支援業務に時間を割けなくなる」といった具体的な説明が有効です。
条件や代替案の提示も重要な要素です。全面反対だけでなく、現実的な修正案を示すことで説得力が増します。「どうしても導入するなら、基準額は現行の280万円を維持すべきだ」「配慮措置は時限措置ではなく、恒久化すべきだ」「インフレ率を考慮したスライド制を導入すべきだ」といった代替案の提示が効果的です。
立場別パブリックコメント例文
要介護者の家族向け例文
件名は「介護保険利用者負担の2割負担対象拡大案に対する反対意見」とし、意見内容は以下のように記述します。
私は現在、要介護3の親を在宅で介護している家族です。今回の2割負担対象拡大案、特に年収基準を230万円まで引き下げる案に対し、強く反対いたします。親の年金収入は約240万円ですが、医療費やオムツ代、配食サービスなどの保険外費用がかさみ、生活には全く余裕がありません。現在の1割負担でも毎月の支払いは大きな重荷です。これが2割負担となり、支払額が倍増すれば、現在利用しているデイサービスの日数を減らさざるを得ません。サービスを減らせば、親の認知症が進行し、私の介護負担が増大します。私は現在フルタイムで働いていますが、これ以上介護負担が増えれば、介護離職も視野に入れなくてはなりません。政府は「応能負担」と言いますが、年収240万円は昨今の物価高騰の中では決して「負担能力がある」層ではありません。これ以上の負担増は、在宅介護の崩壊を招きます。どうしても対象を拡大するのであれば、せめて基準は現行の280万円を維持するか、あるいは配慮措置の上限額をもっと低く設定し、期間も無期限とするよう強く要望します。
ケアマネジャー向け例文
件名は「利用者負担割合の見直しに伴う『利用控え』と『重度化』への懸念について」とし、意見内容は以下のように記述します。
居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして勤務しております。現場の実感として、2割負担の対象拡大には慎重であるべきと考えます。現在でも、経済的な理由から必要なサービスを断念される利用者様が少なくありません。今回の改正案でターゲットとなる層(年収200万円台)は、最も層が厚く、かつ経済的にシビアな感覚を持っている方々です。自己負担が2倍になることで、通所介護や訪問介護の利用回数を減らす「利用控え」が確実に発生します。特に懸念されるのは、軽度・中度の方々がサービスを控えることで、早期に重度化してしまうリスクです。結果として、将来的な給付費(特に施設介護や医療費)の増大を招くことになり、制度の持続可能性という観点からも逆効果ではないでしょうか。また、預貯金等の資産要件の導入については、自治体や現場の事務負担が著しく増大することが懸念されます。円滑な制度運営のためにも、複雑な資産調査を要件とすることには反対します。利用者の尊厳と自立を守るという介護保険の理念に立ち返り、慎重な議論をお願いいたします。
現役世代向け例文
件名は「現役世代の負担軽減を名目とした安易な高齢者負担増への反対」とし、意見内容は以下のように記述します。
私は40代の会社員で、将来の親の介護に不安を感じている者です。今回の改革案は「現役世代の負担上昇を抑えるため」という理由で進められていますが、これには違和感を覚えます。高齢である親の介護費用が高くなれば、結局その費用を補填するのは私たち子供世代(現役世代)です。親がサービスを控え、状態が悪化して介護離職せざるを得なくなれば、現役世代の所得が失われ、社会全体の損失となります。「世代間の公平」という言葉で、高齢者への負担増を正当化しないでください。目先の保険料抑制のために、必要なサービスが受けられなくなるような制度改悪は望んでいません。安易な利用者負担の引き上げには反対します。
制度設計への指摘重視の例文
件名は「2割負担拡大における激変緩和措置の実効性確保に関する意見」とし、意見内容は以下のように記述します。
介護保険制度の持続可能性のために一定の負担見直しが必要であることは理解しますが、今回提示された「年収230万円以上」という基準引き下げはあまりに急激であり、拙速であると考えます。以下の2点について、修正を求めます。第一に、インフレ率を考慮した基準設定です。名目賃金や年金額が上がっても、実質購買力が低下している現状において、固定的な年収額で線を引くことは実質的な負担増を加速させます。物価スライド制の導入など、経済実態に即した基準にすべきです。第二に、配慮措置(月額負担増の上限設定)の恒久化です。「当分の間」という時限措置では、利用者の将来不安は払拭されません。新たに2割負担となる対象者については、所得が大幅に増加しない限り、上限キャップを継続する仕組みを明記してください。利用者が安心してサービスを使い続けられる環境が担保されない限り、本改正案には反対します。
今後の展望と私たちにできること
「原則2割負担」への布石となる可能性
今回の議論を俯瞰すると、政府の真の狙いが、単なる「対象拡大」にとどまらず、将来的には介護保険全体を「原則2割負担」へと移行させることにあるのではないかという懸念があります。一度基準を引き下げ、資産要件を導入してしまえば、それが既成事実となり、次は「年収200万円以下」へとターゲットが広がっていく可能性があります。2027年の改正はゴールではなく、さらなる負担増への入り口になりかねません。
また、今回は見送られる可能性が高い「ケアプラン有料化」や「多床室の室料負担」といった他の負担増メニューも、次回2030年の改正に向けて必ず議論が再燃します。これらはすべてセットで「利用者負担の総増」を構成する要素として認識しておく必要があります。
声を上げることの重要性
2025年末の今、私たちは重要な岐路に立っています。介護保険は、私たち自身や家族の老後を支える最後のセーフティネットです。その網の目が粗くなり、お金がなければ十分な介護が受けられない制度に変質してしまうのか、それとも誰もが安心して老いを迎えられる制度として踏みとどまるのか。パブリックコメントの提出やSNSでの発信など、一つ一つの行動は小さくても、それが集まれば「世論」という無視できない力になります。パブリックコメント募集期間が始まったら、ぜひあなたの言葉で政府に意見を届けてください。それが、日本の介護の未来を守るための具体的かつ有効な第一歩となります。
介護保険制度改正の関連用語
骨太の方針とは
骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)とは、政府の経済財政政策の基本方針を示す文書のことです。毎年6月頃に閣議決定されます。ここで示された方針は各省庁の予算編成や制度改正の指針となり、今回の介護保険改革も「2025年末までに結論を得る」という骨太の方針に基づいて進められています。
社会保障審議会・介護保険部会とは
社会保障審議会・介護保険部会とは、厚生労働省に設置された審議会の一つです。学識経験者、介護事業者代表、被保険者代表、自治体代表などで構成され、介護保険制度の改正案を審議します。ここでの「取りまとめ」が法案の基礎となるため、実質的な政策決定の場として重要な役割を担っています。
補足給付とは
補足給付(特定入所者介護サービス費)とは、所得が低い人が介護保険施設に入所(またはショートステイ利用)した際、食費と居住費の負担を軽減する仕組みのことです。これには以前から資産要件がありましたが、今回の改革案では、この考え方を在宅サービスを含む「2割負担の判定」にも広げようとしている点が最大の争点となっています。
マクロ経済スライドとは
マクロ経済スライドとは、公的年金の給付額を賃金や物価の伸びよりも低く抑える仕組みのことです。現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の実質価値を自動的に調整します。これにより、インフレ下でも年金額が物価上昇ほどには上がらず、高齢者の実質購買力が低下し続ける一因となっています。介護保険の負担増と相まって、高齢者の生活を圧迫する要因です。









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