介護保険の要支援・要介護の違いとは?受けられるサービスを徹底比較

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介護保険における要支援と要介護の違いは、日常生活で必要な介護の度合いにあります。要支援は現在介護の必要がなく将来の要介護状態を予防する段階であり、要介護は日常生活動作について常時介護を要する状態を指します。要支援は1・2の2段階、要介護は1~5の5段階に分かれており、認定区分によって利用できるサービスの種類や支給限度額が大きく異なります。

介護保険制度は、高齢化社会における介護の問題を社会全体で支える仕組みとして2000年に創設されました。制度を利用するためには「要介護認定」を受ける必要があり、認定結果は「要支援1・2」と「要介護1~5」の7段階に分かれています。この記事では、要支援と要介護それぞれの特徴や違いを詳しく解説するとともに、各認定区分で利用できる介護サービスの内容を比較しながら紹介します。これから介護保険の利用を検討している方や、ご家族の介護に関わる方が、制度を正しく理解し適切なサービスを選択できるよう、具体的な情報をお伝えしていきます。

目次

要支援とは何か

要支援とは、現在は介護の必要がないものの、将来要介護状態になる恐れがあり、家事や日常生活に支援が必要な状態のことです。要支援には「要支援1」と「要支援2」の2段階があり、いずれも介護予防を目的としたサービスを利用することができます。

要支援1は、食事・排泄・入浴などの日常生活は自分でできるものの、立ち上がりや起き上がり、歩行など部分的に支援が必要な状態です。要支援・要介護認定の中で最も軽度の区分であり、厚生労働省が定めた介護にかかる時間である「要介護認定等基準時間」は25分以上32分未満とされています。

要支援2は、日常生活の基本的なことは自立してできるものの、要支援1に比べて支援が必要な範囲が広い状態です。要介護認定等基準時間は32分以上50分未満となっており、要支援1よりも多くのサポートを必要とします。

要支援の段階では、自立した生活を維持しながら、要介護状態への進行を予防することが主な目的となります。そのため、利用できるサービスは「介護予防サービス」と呼ばれ、生活機能の維持向上を重視した内容となっています。

要介護とは何か

要介護とは、入浴、排せつ、食事などの日常生活動作について常時介護を要すると見込まれる状態のことです。要介護は「要介護1」から「要介護5」までの5段階に分かれており、数字が大きくなるほど介護の必要度が高くなります。

要介護1は、軽度の認知機能低下が見られたり、要支援状態から回復することが困難と判断される場合に認定されます。立ち上がりや歩行に不安定さがあり、日常生活の一部に介護が必要な状態です。

要介護2は、食事、入浴、歩行などの日常生活上の基本的な動作がスムーズにできないことが多く、一人暮らしを続けることがやや不安な状態となります。要介護認定等基準時間は50分以上70分未満とされています。

要介護3は、立ったり歩いたりする動作を自力で行うことが難しくなり、日常生活のほぼすべてに介護を必要とする状態です。要介護認定等基準時間は70分以上90分未満となっています。同居の主な介護者が介護にあたる時間は「半日程度」と「ほとんど終日」を合わせて53.8%となり、半数以上のケースで半日以上は介護をしているという調査結果が出ています。

要介護4は、日常生活の大半で介護を必要とする状態であり、立ち上がりや歩行、食事や排せつ、入浴などすべての動作が自力では困難です。厚生労働省では要介護4を「要介護認定基準時間が90分以上110分未満」と定義しています。

要介護5は、要介護認定の中で最も重度の状態です。日常生活のほぼすべてに介助が必要であり、意思疎通がさらに困難になります。基本的に寝たきりの状態であることが多く、要介護認定等基準時間は110分以上とされています。

要支援2と要介護1の境界線

要支援2と要介護1は介護度として近しい状態にありますが、二つの要素によって区別されます。

1つ目は「状態の安定性」です。認定後6ヶ月以内に介護度の再評価が必要かどうかという観点から判断されます。状態が安定しており、維持・改善の可能性が高い場合は要支援2に認定されます。一方、状態が不安定で今後悪化する可能性がある場合は、要介護1と判定されることがあります。

2つ目は「認知症高齢者の日常生活自立度」です。認知症の状況をI~Mの7段階で評価するもので、その度合いが高いと要介護に判定される可能性が高まります。要支援2の段階では、通常、判断力や記憶力などの認知機能の低下は見られません。一方、認知機能が低下し、要支援状態から回復することが困難な場合には、要介護1と判定されます。

この境界線の判断は、本人の状態を総合的に評価して行われるため、同じような身体状況でも認知機能の状態によって認定結果が変わることがあります。

要介護認定の申請方法

介護保険サービスを受けるためには、まず要介護認定を申請する必要があります。申請できるのは、65歳以上の方(第1号被保険者)で日常生活を送るために介護や支援が必要な方、または40歳から64歳の方(第2号被保険者)で老化に伴う病気(特定疾病)が原因で介護や支援が必要な方です。

特定疾病には、末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗しょう症、初老期における認知症、パーキンソン病関連疾患、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、変形性関節症の16種類があります。

申請は、本人が住んでいる市区町村の窓口で行います。本人または家族が申請できますが、窓口に出向くのが難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に申請を代行してもらうことも可能です。申請方法は、市役所窓口での直接申請、郵送、オンラインの3つから選ぶことができます。

申請に必要な書類は、介護保険要介護・要支援認定申請書(市区町村の窓口やWebサイトからダウンロードして入手可能)と、介護保険被保険者証です。本人が40歳~64歳の場合は、介護保険被保険者証の代わりに健康保険被保険者証が必要となります。

要介護認定の流れ

要介護認定は複数のステップを経て進められます。まず申請を行った後、市区町村から委託された調査員が自宅を訪問し、申請者の心身の状態や生活環境について聞き取り調査を行います。この訪問調査は通常30分から1時間程度で、全国共通の基本調査74項目をもとに進められます。

介護サービスの必要度の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行われます。

一次判定では、認定調査の結果をもとに、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。このデータは、施設に入所・入院されている高齢者について、48時間にわたりどのような介護サービスがどれくらいの時間にわたって行われたかを調べたものです。推計は、直接生活介助、間接生活介助、BPSD関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為の5分野について要介護認定等基準時間を算出し、その時間と認知症加算の合計をもとに判定されます。

二次判定では、保健・医療・福祉の専門家による「介護認定審査会」で審査が行われます。主治医意見書や特記事項等の内容を加味した上で判断され、個々が抱える介護の状態が具体的に認められる場合は、一次判定の結果に縛られずに要介護度の変更ができます。

市区町村は、介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定を行い、申請者に結果を通知します。申請から認定の通知までは原則30日以内に行われ、認定は要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当に分かれています。

認定の有効期間は、原則として新規の場合は6ヶ月、更新の場合は12ヶ月です。介護認定は自動更新ではないため、有効期間が過ぎた場合は効力がなくなります。更新申請は有効期間満了日の前日から数えて60日前~満了日まで可能ですので、期限が近づいたら忘れずに手続きを行うことが大切です。

区分支給限度基準額の比較

介護保険制度では、要介護度に応じて月々に利用できる居宅サービスの限度額が定められています。これを「区分支給限度基準額」といい、この範囲内でサービスを利用した場合は1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)の自己負担となります。支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となるため注意が必要です。

2019年10月から現在までの支給限度基準額は以下の通りです。

要介護度支給限度基準額(単位)金額目安(1単位=10円の場合)
要支援15,032単位50,320円
要支援210,531単位105,310円
要介護116,765単位167,650円
要介護219,616単位196,160円
要介護327,048単位270,480円
要介護430,938単位309,380円
要介護536,217単位362,170円

要介護度が最も軽い要支援1の支給限度基準額は1ヵ月50,320円で、要介護度が最も重い要介護5の人が限度いっぱいまで利用すると、1ヵ月362,170円となります。要支援1と要介護5を比較すると、約7倍もの差があることがわかります。

実際に利用できる利用限度額やサービス料金(介護報酬)は、1単位10円を基本にし、サービスの種類ごとに人件費相場などを勘案した8つの地域区分の地域単価を掛けることで計算されます。そのため、人件費が高い都市部ほどサービス料金は高くなり、地域単価は1単位あたり10.00円~11.40円と差があります。

なお、区分支給限度基準額に含まれないサービスもあります。施設サービスや居宅療養管理指導などがこれに該当し、限度額とは別枠で介護保険給付の対象となっています。

自己負担割合の仕組み

介護保険サービスを利用する際の自己負担割合は、利用者の所得に応じて1割、2割、3割の3段階に分かれています。

1割負担となるのは、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の方)、市区町村民税非課税の方、生活保護受給者、「合計所得金額160万円未満」かつ「年金収入+その他の所得の合計が単身世帯で280万円未満」の方です。

2割負担に該当するのは、合計所得金額160万円以上で、年金収入+その他の所得の合計が単身世帯で280万円以上(夫婦世帯なら346万円以上)の方です。

3割負担となるのは、65歳以上の方で、本人の前年の合計所得金額が220万円以上であり、前年の合計所得金額と前年の年金収入の合計が、同一世帯の65歳以上の人数が1人の場合340万円以上、2人以上の場合合計で463万円以上の方です。

利用者負担割合は毎年の所得によって変わるため、介護保険負担割合証も毎年更新されます。有効期限は原則8月1日から翌年7月31日となっています。

厚生労働省は2025年12月、社会保障審議会の介護保険部会において、介護保険サービス利用時の2割負担対象者を拡大する見直し案を提示しました。年収基準を現在の280万円から最大230万円まで引き下げることで、最大35万人が新たに2割負担の対象になる可能性があります。新たに2割負担となる方については、当分の間、1割時点の自己負担額から2割負担の自己負担額への上げ幅(増加額)を最大で7,000円となるように抑える案が検討されています。

要支援で受けられるサービス

要支援1・要支援2と認定された方は、介護保険の「介護予防サービス」を利用することができます。介護予防サービスは、要介護状態にならないようにするための予防サービスであり、生活機能の維持向上を目的としています。介護予防ケアプランの作成は地域包括支援センターに依頼し、地域包括支援センターのスタッフがケアマネジャーの役割を果たして計画に沿ったサービスを受けることになります。

訪問系サービス

訪問系サービスは、ホームヘルパーや看護師などの専門職が自宅を訪問し、生活援助や身体介護を提供するものです。

介護予防訪問介護(ホームヘルプ)では、ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの身体介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活援助を行います。介護予防訪問看護では、看護師などが自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行います。介護予防訪問リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士などが自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。居宅療養管理指導では、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが、通院が困難な方の自宅を訪問し、介護予防を目的とした療養上の管理や指導を行います。

通所系サービス

通所系サービスは、自宅で暮らす要支援者が施設に通い、日帰りでリハビリや食事、入浴などの支援を受けるサービスです。

介護予防通所リハビリテーション(デイケア)では、介護老人保健施設や医療機関などで、食事・入浴サービスなどの支援やリハビリを受けることができます。1ヵ月あたり2,268円程度の費用がかかります。

宿泊系サービス

介護予防短期入所生活介護では、短期間、施設に宿泊して生活面の介護や支援を受けることができます。介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)では、医療ケアに特化したサポートを受けることができます。

福祉用具のレンタル・購入

要支援の方は、介護保険を利用して工事不要の手すり・スロープ、歩行補助つえ、歩行器などをレンタルできます。介護保険を利用することで、基本のレンタル料金の1~3割負担で済みます。

2024年度の介護保険制度の見直しで、要支援の方も利用できる福祉用具の選択肢が広がりました。これまで貸与のみだった固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)や多点杖といった福祉用具を購入することもできるようになりました。

住宅改修

住み慣れた自宅での生活が続けられるよう、介護保険を利用して住宅を改修することができます。具体的には、手すりの取り付け、段差の解消、廊下に施す滑り止め、引き戸への取り替えなどがあります。住宅改修費の支給限度額は20万円で、1~3割の自己負担で利用できます。

施設入居サービス

介護予防特定施設入居者生活介護は、特定施設(有料老人ホームなど)に入居中の要支援認定を受けた方に対して、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練を提供するサービスです。

要介護で受けられるサービス

要介護1~5に認定された方は、介護保険の「介護サービス」(在宅・施設)を利用することができます。介護サービスは、必要な介護を提供し、日常生活を維持するためのサービスです。ケアプランの作成は、ケアマネジャー(介護支援専門員)のいる居宅介護支援事業者へ依頼します。

居宅サービス

訪問介護(ホームヘルプ)では、ホームヘルパーが介護を必要とする方の自宅を訪問して、日々の生活を自立して行えるように支援します。介護の内容には食事介助、排泄介助、入浴介助などの「身体介護」と、掃除、洗濯、買い物などの「生活援助」があります。

訪問入浴介護では、看護職員と介護職員が自宅を訪問し、浴槽を持ち込んで入浴の介護を行います。自宅の浴室での入浴が困難な方に適したサービスです。

訪問看護では、看護師などが自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行います。訪問リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士などが自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。居宅療養管理指導では、医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理や指導を行います。

通所介護(デイサービス)では、日中に施設に通って、体操やレクリエーション、食事や入浴などを利用できます。一般的に自宅までの送迎も付いています。通所リハビリテーション(デイケア)では、介護老人保健施設や医療機関などに通い、リハビリテーションを受けることができます。

短期入所生活介護(ショートステイ)では、短期間、施設に宿泊して食事や入浴などの介護を受けられます。短期入所療養介護(医療型ショートステイ)では、短期間、介護老人保健施設などに宿泊して、医療ケアやリハビリを受けられます。

特定施設入居者生活介護は、有料老人ホームなどに入居している方が、食事や入浴などの介護や機能訓練を受けるサービスです。

福祉用具貸与では、車いす、特殊寝台、歩行器などの福祉用具をレンタルできます。要介護度によって借りられる用具の種類が異なります。特定福祉用具販売では、入浴や排泄に使用する福祉用具(腰掛便座、入浴補助用具など)を購入できます。年間10万円が上限です。住宅改修費支給では、手すりの取り付け、段差の解消などの住宅改修費用が支給されます。20万円が上限です。

施設サービス

施設サービスは、要介護認定を受けた方が対象であり、要支援の方は利用できません。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、常時介護が必要で、自宅での生活が困難な方が入所する施設です。原則として要介護3以上の方が対象となり、食事・入浴・排泄などの介護、健康管理、機能訓練などのサービスを受けられます。

介護老人保健施設(老健)は、病状が安定している方が、在宅復帰を目指してリハビリを受ける施設です。要介護1以上の方が対象となり、3~6ヶ月程度の入所を想定しています。

介護医療院は、長期にわたり療養が必要な方が入所する施設で、医療と介護を一体的に提供します。

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように、事業所のある市町村の要介護者・要支援者に提供されるサービスです。

小規模多機能型居宅介護は、通いを中心に、利用者の選択に応じて訪問や宿泊を組み合わせて利用できるサービスです。認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象とした通所介護サービスです。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の方が少人数で共同生活を送りながら、介護を受けるサービスです。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員29人以下の小規模な特別養護老人ホームです。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日中・夜間を通じて、定期的な巡回訪問と随時の対応を行うサービスです。看護小規模多機能型居宅介護は、小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせたサービスです。

入居できる施設の比較

要介護度に応じて入居できる施設は異なります。代表的な3つの施設について、入居条件や特徴を比較して解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは、介護を受けながら長く生活をする施設です。入居条件は要介護3以上の認定を受けていることで、65歳以下でも介護保険に加入している第2号被保険者のうち、加齢が原因の16種類の特定疾病により介護が必要になった要介護3以上の方なら入居が認められることがあります。

費用は月額10~15万円程度が目安となり、居住費、食費、介護サービス費などが含まれています。手厚い介護体制、費用が比較的安い、終身利用が可能なことが特徴です。そのため入居希望者が多く、入居までの待機期間も長くなる傾向にあります。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は、介護を受けながらリハビリをして在宅復帰を目指す施設です。入居条件は要介護1以上で、3ヶ月~6ヶ月程度の一定期間で退去することが前提の施設であり、終の棲家にはできません。

費用は月額9~20万円程度で、居住費、食費、介護サービス費、リハビリ費用などが含まれます。特養よりリハビリ施設が充実していることが多く、医師や看護師などの医療従事者の人員配置も手厚くなっています。3カ月ごとに入居継続の判断があり、3~6カ月の短期間で退去する方もいます。そのため、次の方が入居しやすく、待機期間が比較的短いです。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)

グループホームは、認知症の高齢者のみが対象の施設です。基本的には5~9人のユニットで共同生活をします。認知症予防や自立した生活を目的としているため、入居者同士で家事などの役割分担をしながら生活する点が他の施設との大きな違いです。

入居条件は認知症の方で、地域密着型サービスに分類される施設であることから、原則として施設と同じ市区町村に住んでいる人のみが入居できます。要介護認定において要支援2以上の認定を受けていることも必要です。住宅のような環境で少人数の共同生活をすることにより、認知症を患っていても自立に近い生活ができます。

施設比較表

項目特養老健グループホーム
入居条件要介護3以上要介護1以上要支援2以上+認知症
目的終身の生活在宅復帰リハビリ認知症ケア・共同生活
入居期間長期・終身3~6ヶ月程度長期可能
費用目安月10~15万円月9~20万円施設により異なる
待機期間長い比較的短い地域による

要介護度別のサービス利用イメージ

要支援1~2のケアプラン例

要支援1では週1回の通所介護(デイサービス)と週1回の訪問介護(ホームヘルプ)程度から始まります。要支援2では、これに加えて訪問看護や福祉用具のレンタルなども組み合わせることができます。要支援の段階では、自立した生活を維持し、要介護状態への進行を予防することが主な目的となります。

要介護1~2のケアプラン例

要介護1では、週2~3回のデイサービス、週2~3回の訪問介護、月に数回のショートステイなどを組み合わせることが多いです。要介護2では、デイサービスや訪問介護の回数を増やしたり、福祉用具のレンタル(車いすや特殊寝台など)を追加したりすることができます。

一人暮らしの場合、訪問介護やデイサービスなどを利用しながら生活を継続できるのは要介護2程度までとされています。それ以上の要介護度になると、日常生活で介助を必要とする場面が増えるため、独居で生活するのは難しくなるでしょう。

要介護3~5のケアプラン例

要介護3以上になると、「介護付きホーム」や「特別養護老人ホーム」など、比較的重い介護度の方でも対応できる施設に入居するケースが多くなります。要介護4の認定を受けていれば、要介護度を条件とした利用制限はありません。訪問介護や通所介護など自宅で生活しながら利用できるサービスから、介護老人福祉施設や有料老人ホームなど施設に移り住んで受けられるサービスまで幅広く利用可能です。

サービス利用開始までの流れ

介護保険サービスを利用するまでの流れを確認しておきましょう。

まず、申請後おおむね30日以内に、認定結果の通知(非該当、要支援1~2、要介護1~5)が届きます。認定結果を受け取ったら、次にケアプランを作成します。

介護予防サービスや介護サービスの利用には、ケアプランが必要です。要支援の場合は、地域包括支援センターへ相談して、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらいます。地域包括支援センターのスタッフがケアマネジャーの役割を果たし、計画に沿ったサービスを受けることになります。要介護の場合は、居宅介護支援事業者のケアマネジャーにケアプランを作成してもらいます。

ケアプランに基づいて、各サービス事業者と契約を結びます。契約後、サービスの利用が開始されます。サービスの内容や回数は、本人の状態や希望に応じて適宜見直しが行われます。

介護保険制度を利用するためのポイント

介護保険制度を適切に活用するためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

まず、介護が必要だと感じたら、早めに市区町村の窓口や地域包括支援センターに相談することをお勧めします。制度は複雑に感じられるかもしれませんが、地域包括支援センターや市区町村の窓口では無料で相談に応じてもらえます。困ったときは一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら、適切な介護サービスを利用していきましょう。

次に、認定結果に納得がいかない場合は、都道府県に設置されている「介護保険審査会」に不服申立てを行うことができます。また、認定の有効期間内でも、状態が変化した場合は「区分変更申請」を行うことで、改めて認定を受けることが可能です。

さらに、ケアマネジャーとの連携を大切にすることも重要です。ケアマネジャーは介護サービスの利用計画を作成し、サービス事業者との調整を行う専門家です。本人や家族の希望を伝え、状況の変化があれば相談することで、より適切なケアプランを作成してもらうことができます。

まとめ

介護保険における要支援と要介護の違いを改めて整理します。

要支援は、現在は介護の必要がないものの、将来要介護状態になる恐れがあり、日常生活に支援が必要な状態です。要支援1・2に認定された方は、介護予防サービスを利用でき、地域包括支援センターがケアプラン作成を担当します。

要介護は、入浴、排せつ、食事などの日常生活動作について常時介護を要する状態です。要介護1~5に認定された方は、介護サービス(在宅・施設)を利用でき、ケアマネジャー(介護支援専門員)がケアプラン作成を担当します。

支給限度額は要介護度によって異なり、要支援1の50,320円から要介護5の362,170円まで幅があります。また、利用者の自己負担割合は所得に応じて1割から3割となっています。

要介護認定を受けるためには、市区町村への申請が必要です。訪問調査と主治医意見書に基づいて一次判定・二次判定が行われ、原則30日以内に結果が通知されます。

それぞれの認定区分で利用できるサービスの種類は異なりますが、訪問系サービス、通所系サービス、宿泊系サービス、福祉用具、住宅改修など、多様なサービスが用意されています。要介護3以上になると、特別養護老人ホームへの入居も可能になります。

介護保険制度を上手に活用することで、本人も家族も安心して暮らすことができます。まずは要介護認定を受け、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら、本人や家族の状況に合ったケアプランを作成することが、適切な介護サービス利用への第一歩となります。

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