就労移行支援を利用する際に関係する障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳(知的障害者向け)、精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。これらの手帳はそれぞれ対象となる障害の種類、等級の基準、有効期限が異なりますが、いずれも障害者総合支援法の対象となり、税金の控除や交通機関の割引など様々な福祉サービスを受けることができます。就労移行支援については障害者手帳がなくても医師の診断書があれば利用可能であり、一般企業への就職を目指す障害のある方にとって非常に有効な支援サービスとなっています。本記事では、3種類の障害者手帳それぞれの特徴や違い、等級の判定基準、申請方法から、就労移行支援との関係性、障害者雇用制度の仕組みまで詳しく解説していきます。就職を目指す障害のある方やそのご家族、支援者の方々にとって役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

障害者手帳とは何か
障害者手帳とは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つを総称した呼び名です。これらの手帳は障害のある方が様々な福祉サービスや支援を受けるために必要な証明書であり、障害の種類や程度によって交付されます。制度の根拠となる法律等はそれぞれ異なりますが、いずれの手帳をお持ちの場合でも障害者総合支援法の対象となり、就労移行支援をはじめとする各種福祉サービスを利用する際に重要な役割を果たします。
障害者手帳を取得することで得られるメリットは多岐にわたります。税金の減免として所得税や住民税の障害者控除を受けることができ、医療費の助成制度も利用可能となります。公共交通機関の料金割引については、2025年4月からJRグループで精神障害者保健福祉手帳所持者への割引制度が開始されたことで、3種類すべての障害者手帳で鉄道運賃の割引を受けられるようになりました。そのほかにも公営住宅の優先入居や各種福祉サービス料金の無料化・割引など、多くの支援を受けることができます。また、障害者雇用枠での就職を希望する場合には障害者手帳の所持が必須条件となるため、就職活動において重要な役割を担っています。
身体障害者手帳の特徴と等級の違い
身体障害者手帳は、身体障害者福祉法の規定に基づき、一定の期間以上永続する身体上の障害を持った方に交付される手帳です。対象となる障害は視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害、肢体不自由、内部障害(心臓、腎臓、呼吸器、膀胱・直腸、小腸、免疫機能、肝臓の機能障害)と幅広く設定されています。
身体障害者手帳の等級は1級から7級までに分類されており、数字が小さいほど障害の程度が重いことを示します。ただし、手帳の交付対象となるのは6級までであり、7級単独では交付の対象になりません。7級の障害については、2つ以上重複する場合などの組み合わせで認められることがあります。
等級ごとの状態の目安について説明します。1級から3級に該当する方は、生活の多くの場面で支援が必要な状態です。食事、入浴、着替えといった基本的な動作を自分ひとりで行うことが難しく、常時または頻繁に介助を受ける必要があります。4級と5級に該当する方は、ある程度の自立生活は可能ですが、社会活動や仕事などになると制約が多くなる状態です。6級に該当する方は、日常生活をひとりで送ることができる場合が多いものの、視力や聴力、片手の細かい動きなどに支障をきたしている状態です。
障害の種類によって設定されている等級の範囲も異なります。視覚障害は1級から6級まで、聴覚障害は2級から6級まで(5級はなし)、平衡機能障害は3級と5級のみ、音声・言語・そしゃく機能障害は3級と4級のみ、肢体不自由は1級から7級まで、内部障害は1級から4級までとなっています。
身体障害者手帳には原則として有効期間がありません。ただし、障害の状態が軽減されるなどの変化が予想される場合には、手帳の交付から一定期間を置いた後に再認定を実施することがあります。
療育手帳(知的障害者向け)の特徴と等級の違い
療育手帳は、知的障害(知的発達症)のある方へ交付される障害者手帳です。身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳とは大きく異なる特徴として、法律に基づく手帳ではなく地方自治体の裁量が強く影響する手帳であることが挙げられます。そのため全国一律の基準がなく、自治体によって呼び名も異なります。東京都では「愛の手帳」、埼玉県では「みどりの手帳」と呼ばれているのがその例です。
療育手帳の対象者は「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定められています。具体的な基準としては、知能指数(IQ)がおおむね70以下(自治体によっては75以下)で、日常生活や社会生活に支障が出ている場合に療育手帳の交付の対象となることが多いです。
発達障害との関係についても理解しておく必要があります。療育手帳の対象者はあくまで知的発達症(知的障害)がある方に限られます。発達障害であっても知的な遅れを伴わない場合は、精神障害者保健福祉手帳のみが対象となります。ただし、発達障害の方で知的な遅れも伴う場合は、療育手帳も取得可能です。
療育手帳の等級は自治体によって異なりますが、代表的な例を紹介します。茨城県ではマルA(最重度)、A(重度)、B(中度)、C(軽度)の4段階で分類されています。静岡市ではA(重度)とB(その他)の2段階で、AはIQ35以下またはIQ50以下かつ身体障害者手帳3級相当以上の重複障害を保持し著しく介護度の高い者、Bは概ねIQ70以下とされています。沖縄県ではA1(最重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の4段階、東京都では1度(最重度)、2度(重度)、3度(中度)、4度(軽度)の4段階、大阪府ではA(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の3段階となっています。
療育手帳の判定は、18歳未満の方は児童相談所、18歳以上の方は知的障害者更生相談所で受けることになります。有効期限については、児童の年齢においては定期的に再判定・更新が行われますが、その頻度は自治体によって異なります。18歳以上については制度改正により再判定の頻度は少なくなり、令和4年4月以降の改正では更新不要となりました。
精神障害者保健福祉手帳の特徴と等級の違い
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法に基づいて1995年に創設された比較的新しい手帳です。精神疾患が原因で生活等に長期間支障が出ている場合に交付され、精神障害者の自立と社会参加の促進を図るための様々な支援策を受けることができます。
精神障害者保健福祉手帳の対象となる疾患は幅広く設定されています。統合失調症、そううつ病(双極性障害)、非定型精神病、てんかん、中毒性精神病、器質精神病、発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害など)、その他の精神疾患(神経症性障害、ストレス関連障害、身体表現性障害など)が対象となります。ただし、知的障害のみで精神疾患がない方については対象になりません。精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるためには、その精神疾患による初診日から6か月以上経過していることが条件となります。
精神障害者保健福祉手帳には1級から3級までの等級があります。障害等級の判定は、精神疾患の存在の確認、精神疾患(機能障害)の状態の確認、能力障害(活動制限)の状態の確認、精神障害の程度の総合判定という順序で行われます。
1級は日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度であり、精神障害があり周囲の人の援助がなければほとんど自力だけでは生活を送ることができない程度にある方が該当します。2級は日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものが該当します。3級は日常生活または社会生活が制限を受けるか、日常生活または社会生活に制限を加えることを必要とする程度であり、日常生活や社会生活で必要なことをおおむね自分で行えるものの時々他の人の助けや助言が必要であるような状態です。
「令和5年度衛生行政報告例の概況」によれば、2023年度では約144万人が精神障害者手帳を所持しており、2022年度から10万人ほど増加しています。等級別では2級取得者が約84万人と最も多く、3級取得者は約46万人で2番目に多い人数となっています。
精神障害者保健福祉手帳には2年間の有効期間があります。他の障害と違い、症状の軽減や重症化が比較的短期間に見られるため、2年ごとの再認定が行われます。
2025年4月1日より、JRグループにて運賃の精神障害者割引制度が開始されました。1級は第1種、2級と3級は第2種に分類され、精神障害者保健福祉手帳所持者も鉄道運賃の割引を受けられるようになっています。
3種類の障害者手帳の比較
3種類の障害者手帳にはそれぞれ異なる特徴があります。法的根拠の違いとして、身体障害者手帳は身体障害者福祉法に基づいており、精神障害者保健福祉手帳は精神保健福祉法に基づいています。一方、療育手帳は法律に基づくものではなく各自治体の裁量で運用されています。
等級の違いについては、身体障害者手帳が1級から6級(7級は単独では交付されない)、療育手帳が自治体により異なる(AからBなど)、精神障害者保健福祉手帳が1級から3級となっています。
有効期限の違いは重要なポイントです。身体障害者手帳には原則として有効期間がなく、療育手帳は18歳未満で定期的な再判定がありますが18歳以上は令和4年4月以降更新不要となりました。精神障害者保健福祉手帳には2年間の有効期間があり、継続して手帳が必要な場合は更新手続きを行う必要があります。
申請先と判定機関についても違いがあります。身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳は市区町村の障害福祉担当窓口に申請しますが、身体障害者手帳は都道府県知事等が指定する医師の診断書が必要であり、精神障害者保健福祉手帳は精神科医の診断書が必要です。療育手帳は18歳未満が児童相談所、18歳以上が知的障害者更生相談所で判定を受けます。
障害者手帳の申請方法と必要書類
障害者手帳の申請にはいくつかの共通する必要書類があります。申請書、本人の顔写真(縦4センチ×横3センチ、上半身で脱帽)、指定医が作成した診断書(身体・精神の場合)または判定結果(療育手帳の場合)、本人のマイナンバーが分かる書類の4点です。
申請の流れについて説明します。まずお住まいの地域の市区町村の障害福祉担当窓口に申請したい旨を伝えます。次に担当窓口から所定の診断書用紙を受け取り、医療機関に診断書を提出して診断書を作成してもらいます。最後に担当窓口に各提出物を持っていき、手帳交付申請書を記入・提出します。
交付までにかかる期間は手帳の種類によって異なります。身体障害者手帳は約1か月程度(判断が難しい場合は2か月程度かかることもあります)、療育手帳は約2か月から4か月程度、精神障害者保健福祉手帳は約2か月程度(カード形式の場合は2か月半程度)となっています。
申請時の注意点として、身体障害者手帳の交付申請には都道府県知事、指定都市市長または中核市市長が指定する医師の診断書・意見書が必要です。精神障害者保健福祉手帳の場合は初診日から6か月以上経過していることが条件となります。診断書の作成には5,000円から10,000円程度の手数料がかかります。具体的な手続方法や必要書類は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の担当窓口に確認することをお勧めします。
障害者手帳を取得するメリット
障害者手帳を取得することで、様々なメリットを受けることができます。まず税金の控除について説明します。障害者控除として27万円(特別障害者のときは40万円)が所得金額から差し引かれます。身体障害者手帳の1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、重度の知的障害者(療育手帳A)と判定された方は所得税の特別障害者控除の対象となり、所得控除は40万円になります。身体障害者手帳3級から6級、精神障害者保健福祉手帳2級・3級、中度・軽度の知的障害者(療育手帳B1・B2)と判定された方は27万円の控除となります。住民税も同様に控除があり、特別障害者控除は所得控除30万円、それ以外の障害者控除は所得控除26万円です。相続税についても相続人が障害者であるときは、85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者のときは20万円)が障害者控除として相続税額から差し引かれます。
交通機関の割引については、2025年4月から精神障害者保健福祉手帳まで割引が拡充し、割引率は1種2種共に5割となりました。第1種の方は介助者まで5割の割引となります。JR鉄道料金は1種の場合は本人および介護人が5割引、2種の場合は本人の鉄道料金が5割引となります。一部のバス料金も1種の場合は本人および介護人が5割引、2種の場合は本人のみ5割引となります。
その他のメリットとして、公債の利子や預貯金(350万円まで)に税金がかかりません。障害者は就職困難者に該当し、失業保険の給付制限期間がなく最大360日の給付を受けることができます。医療費の助成を受けられるほか、公営住宅の優先入居が可能であり、各種福祉サービス料金が無料または割引になります。そして障害者雇用枠での就職活動が可能になります。
障害者手帳を取得することで起こる具体的なデメリットは基本的にありません。取得しても使用するかどうかはご自身で選択でき、不要になったら返却できます。ただし、手帳を提示するときに「見られているのでは」と不安を感じることがあったり、生命保険に加入しづらい場合があったりします。精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新が必要であること、申請から交付までに時間がかかること、診断書費用として5,000円から10,000円程度かかること、サービス内容は自治体によって異なること、一部のサービスは所得制限により対象外となる場合があることなどに注意が必要です。
障害者雇用と障害者手帳の関係
障害者雇用率制度とは、企業や公的機関に対して一定割合以上の障害者を雇用することを義務付ける制度です。障害者雇用率の算定の対象となるのは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を持っている方です。
法定雇用率は段階的に引き上げられています。2024年4月からは2.5%(従業員40人以上の企業が対象)となり、2026年7月からは2.7%(従業員37.5人以上の企業が対象に拡大)に引き上げられる予定です。
障害者雇用のカウント方法について説明します。週30時間以上の労働者1人に対して1カウントとなりますが、重度身体障害者および重度知的障害者の場合は1人を2人としてカウントします。短時間労働の週20時間以上30時間未満の場合には労働者1人に対して0.5カウントとなります。精神障害者については特例があり、週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について当分の間、雇入れからの期間等に関係なく1カウントとして算定できます。また、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者および重度知的障害者について0.5カウントとして算定できます。
障害者手帳を持っていない場合は障害者雇用枠としての採用および障害者雇用率の対象にはならないため注意が必要です。障害者雇用での就職を目指す際は、応募のために障害者手帳が必要になります。
就労移行支援とは
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて提供される障害福祉サービスの一種で、一般企業への就職や在宅での就職を目指す障害者や難病のある方を対象としています。通所形態を基本に、進捗に応じて企業見学や実習等も組み合わせた支援が行われます。
就労移行支援の利用対象者は「就職を希望する65歳未満の障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者」と定められています。対象となる主な障害・疾患としては、精神障害(うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害、適応障害、発達障害など)、知的障害(軽度から中度の知的障害など)、身体障害(聴覚障害、視覚障害、肢体不自由、内部障害など)、難病(多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、筋ジストロフィーなど)があります。
就労移行支援の大きな特徴として、医師の診断書があれば障害者手帳がなくても利用可能という点があります。手帳の取得に迷いがある方でも、一般雇用枠での就職を目指すための支援や訓練を受けられます。いわゆるグレーゾーンの方(発達障害の診断がおりていない方など)も利用可能です。ただし、障害者手帳がない場合は主治医の意見書や定期的な通院履歴が必要になることがあります。
就労移行支援の利用に必須となる書類は「障害福祉サービス受給者証」です。医師の診断書または医師の意見書、自立支援医療受給者証、障害者手帳のいずれかひとつの書類があれば障害福祉サービス受給者証を申請できます。
就労移行支援では「就職するため」「長く働き続けるため」に様々な就労訓練プログラムが行われます。カリキュラムは「社会スキル」「ビジネススキル」「専門スキル」「就活スキル」が身につくよう構成されています。具体的な支援内容として、専門スタッフがマンツーマンでサポートし、応募書類の添削、模擬面接、企業インターン(実習)などを提供しています。ビジネスマナーやPC講座などの基本的なスキル学習、経理やプログラミング等の専門スキルの習得を目指すこともできます。自己管理方法、コミュニケーション術、面接指導なども受講できます。
就労移行支援の利用期間は原則2年間と定められています。ただし、病気や体調不良による長期間の利用中断、あるいは就職活動の難航など正当な理由が認められる場合に限り、最大1年間の延長申請が可能です。
就労移行支援の全国平均就職率は58.8%です。令和5年の全体での就職率は58.8%と年々上昇傾向にあります。参考までに就労継続支援A型の就職率は26.2%、就労継続支援B型の就職率は10.7%となっており、就労移行支援からの就職率が圧倒的に高いです。定着率は約9割と報告されており、就労移行支援を利用して就職した方の多くが職場に定着して働き続けていることがわかります。
就労移行支援の事業所は全国に3,300か所以上あり、それぞれの事業所で対象としている障害の種別、実施されるプログラム、サポートの内容などが異なります。事務作業やパソコンの基本操作、作業系の仕事に関連した訓練が充実しているかを確認することが大切です。実際の職場で役立つスキルを身につけられる内容であれば、就職後に即戦力として活躍しやすくなります。
就労継続支援A型・B型との違い
就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)は、どちらも障害者総合支援法による就労系の障害福祉サービスです。それぞれ目的や対象者、サービス内容が異なりますので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
就労継続支援A型は、一般企業などで働くことが困難なものの雇用契約に基づいて働くことができる方が、事業所と雇用契約を結んだうえで働くことができるサービスです。A型事業所では利用者は事業所との間で雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の賃金が保障されます。また、勤務条件によって各種社会保険にも加入できます。働く時間は事業所によりさまざまなパターンがありますが、基本的に4時間以上から6時間未満の事業所が多くなっています。令和4年度の就労継続支援A型の平均賃金は月額8万3551円、時給947円となっています。
就労継続支援B型は、雇用契約を結ぶことが難しく、体調や障害特性により勤務時間の確保が難しい人などを対象としたサービスです。利用者は事業所と雇用契約を結ばず、作業に応じて工賃が支払われます。B型の報酬は工賃と呼ばれ、体調や障害の状況に合わせて日数や時間調整ができるなど自由に利用できる点が特徴です。B型事業所の利用には年齢制限はありません。
サービス選択の目安として、すぐに一般企業への就職を目指したい方は就労移行支援、まずは一般就労ではなく福祉的就労で働き収入を得たい方は就労継続支援A型、就労に向けたリハビリを兼ねて働きたい方は就労継続支援B型が向いています。就労継続支援B型でのお仕事に問題がなければ、就労継続支援A型や就労移行支援の利用を検討することも可能です。一気に頑張りすぎると体調を崩してしまう可能性もあるため、その時の自分の状況に合ったサービスを選び、段階的にステップアップを目指していくことをおすすめします。
障害のある人が自分に合った働き方や就労支援サービスを選びやすくするための新たな仕組み「就労選択支援」が2025年10月に始まりました。2025年10月以降、新たに就労継続支援B型の利用を希望する場合は原則として就労選択支援を経ることが必要となりました。ただし、50歳以上の人、障害基礎年金1級受給者、長年の就労経験があり体力面の低下から一般就労が難しくなった人などは、就労選択支援を経ずにB型を利用できます。
障害者手帳についてよくある疑問
療育手帳や精神障害者保健福祉手帳については、期限切れの3か月前から更新手続きが可能になります。更新によって手帳が届くまでには、通常は申請をしてから1か月から2か月ほどかかります。精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間であり、有効期限後も継続して手帳が必要な場合は更新手続きを行い、もう必要でない場合は手帳を返還することになります。
有効期限がある手帳の更新を忘れた場合、手帳は「失効」扱いとなります。失効してしまうとその時点から障害者としての公的な証明ができなくなり、各種手当の受給や税金の控除、交通機関の割引などが受けられなくなります。更新忘れに気づいたらすみやかにお住まいの自治体の担当部署(障害福祉課など)に問い合わせてください。「更新」ではなく「新規申請(再発行)」に近い扱いになる可能性がありますが、事情を説明し指示に従って手続きを行うことで対応できます。
障害者手帳をなくしたり汚れたりした場合は再交付を受けることができます。申請に必要なものは申請書、顔写真(1年以内撮影のもの、縦4センチ×横3センチを1枚、上半身、脱帽)、障害者手帳(紛失の場合は不要)、印鑑などです。障害者手帳には住所や名前が記載されていることから、落し物として届けられることが多いです。紛失の場合はまず警察署へ遺失届(落し物をした届出)を提出することをお勧めします。
障害者手帳の交付を受けたものの、政令で定める精神障害の状態がなくなったときには速やかに手帳を返還することが法令で義務付けられています。症状が軽快し、障害者手帳を保有するにあたらない状況になった場合には返還手続きを取りましょう。
まとめ
就労移行支援と3種類の障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)について詳しく解説しました。障害者手帳は障害のある方が様々な福祉サービスや支援を受けるために重要な証明書です。3種類の手帳はそれぞれ根拠法や対象者、等級の基準、有効期限が異なりますが、いずれの手帳をお持ちでも障害者総合支援法の対象となり、税金の控除や交通機関の割引、医療費の助成など多くのメリットを受けることができます。
2025年4月からはJRグループで精神障害者保健福祉手帳所持者への割引制度が開始され、支援の幅が広がっています。また、法定雇用率も2026年7月には2.7%に引き上げられる予定であり、障害者雇用の機会は今後さらに拡大していくことが期待されます。
就労移行支援については障害者手帳がなくても医師の診断書があれば利用可能であり、全国平均就職率58.8%、定着率約9割という高い実績を上げています。就職を目指す障害のある方にとって非常に有効な支援サービスといえるでしょう。
障害者手帳の取得や就労移行支援の利用を検討されている方は、まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に相談されることをお勧めします。自治体によってサービス内容や手続きが異なる場合がありますので、具体的な情報は各窓口で確認してください。障害があっても適切な支援を受けながら自分らしく働き、社会参加していくことは十分に可能です。









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